コーア商事ホールディングスJP:9273

時価総額
¥341.2億
PER
9.4倍
原薬の仕入販売・製剤の製造販売・受託製造の有力企業。高品質で安価な輸入原薬・ジェネリック製剤の供給と国内大手からの受託製造、GMP基準充足の高薬理活性注射剤生産設備を保有。連結子会社3社を有する。国内外で展開。

事業内容

コーア商事ホールディングスは、原薬(医薬品原料)の輸入・販売と、医療用医薬品および一般用医薬品の製造・販売を主力とする企業グループです。同社は製剤の受託製造も手掛け、原薬から製剤まで一貫した供給体制を整えています。

主要顧客はジェネリック医薬品メーカーを中心とした国内外の医薬品メーカーで、国内大手からの受託製造先も含まれます。同社の収益は原薬販売、製剤の販売、受託製造の受注が柱であり、自社開発のジェネリック製品の販売も利益に寄与します。

事業は大きく原薬販売事業と医薬品製造販売事業の二部門に分かれています。原薬販売事業では高品質で低コストの輸入原薬を安定供給し、分析や市場調査、規格立案などで顧客の開発段階から支援します。製造販売事業では処方薬や一般用医薬品の製造・販売に加え、GMP基準のもと高薬理活性注射剤などを生産できる設備で受託製造も行っています。

経営方針

コーア商事ホールディングスは「2030年に向けた10カ年長期事業計画」を掲げ、具体的な財務目標として連結売上高400億円、連結営業利益80億円を目指しています。直近(2025年6月期)は売上232億円、営業利益53億円であり、同社はこのギャップを埋めるために原薬販売と医薬品製造販売の両輪で成長を図ることを目指しています。原薬の取り扱いはジェネリックに加え、長期収載品やオーソライズド・ジェネリックへ範囲を広げ、医薬品専門商社への転換を進めています。

重点投資分野としては注射剤の生産能力強化とサプライチェーンの多様化を挙げており、蔵王工場のシリンジライン増強やバイアルラインの稼働率向上、医薬品倉庫や製造設備への投資で安定供給体制を整えています。差別化の軸は原料調達から製剤までを一貫してコントロールできる点にあり、海外10か国90社超のサプライヤー網と国内100社超の顧客基盤を活かして、他社にない供給の確実性と速度で競争優位を築くことを目指しています。

新市場開拓と事業拡大では、海外で生産された医薬品の輸入販売や海外の知的財産を国内企業に橋渡しするライセンスイン活動を推進しています。受託開発・製造事業(開発提案型のCDMO)を拡充し、蔵王工場での受託ビジネスを本格展開することで製剤分野の売上拡大を図り、グループ内のシナジーを生かした新規開発にも取り組んでいます。これらは市場裾野の拡大と収益の多様化を目的とした具体策です。

技術革新への取り組みでは、業務効率と品質管理の両面でデジタル化とAIの活用を進めています。受発注や在庫管理、品質試験のデータ化による工程管理強化により生産性を高めるとともに、薬機法改正に対応した品質管理体制の強化やコンプライアンス教育を徹底し、ESGを意識した設備投資と回収バランスを重視した資本配分で持続的な成長を実現することを目指しています。