デリバリーコンサルティングJP:9240

時価総額
¥25.7億
PER
19.4倍
デジタルトランスフォーメーション事業の有力企業。クラウドネイティブ、生成AI、データ分析基盤を活用したコンサルとシステム開発を提供。デジタルマイグレーション、データストラテジー、インテリジェントオートメーションの3サービスとipaSロボ、AIスキャンロボ、DLEを展開。

事業内容

当社グループは、企業のデジタル化を支援するテクノロジーコンサルティングを主力とする事業を展開しています。クラウド移行やシステム構想・開発、データ活用、業務自動化といった領域を一貫して手がけ、戦略立案から実装・運用までを同社が一体的に支援しています。近年は組織のデータ利活用力を高める「データリテラシーエンジニアリング(DLE)」の提供も開始しています。

主要な顧客は大手企業や成長企業など、業務のデジタル化やデータ活用を強化したい企業が中心です。同社の収益は、プロジェクト型のコンサルティング・システム開発収入に加え、自社の自動化ツールや導入後の保守・支援といったサービス収入が柱になっています。

事業は大きく三つのセグメントに分かれており、各セグメントで詳細な製品・サービスを持っています。デジタルマイグレーションは構想設計からPMO、クラウド実装まで、データストラテジーはデータ基盤設計や分析、AI活用の支援、インテリジェントオートメーションは業務自動化の導入支援と自社製のipaSロボやAI-OCRを活用した効率化を担っています。

経営方針

同社は持続的な成長を最優先に、売上高の拡大と営業利益率の改善を目指しています。国内のDX市場は2022年の約3兆4,838億円から2030年に約8兆350億円へ、年平均で約11.0%成長すると見込まれており、グローバルでは2025年に約1.67兆米ドル、2030年に約4.4兆米ドルへ拡大すると予測されています。こうした市場拡大を背景に、同社は既存顧客に対するアップセルやクロスセルで一顧客当たりの売上を高める一方、プロジェクト採算の改善やコンサルタントの稼働率向上で収益性を引き上げることで、売上と利益の同時改善を図っています。

重点投資分野としては、投資効果を可視化するKPI設計やデータ分析基盤の整備、組織のデータ活用力を高めるデータリテラシー支援、及び業務自動化とAIを活用した新サービス開発を挙げています。差別化戦略は、課題発見から戦略立案、実装・運用までを一貫して担える「一気通貫」の提供体制と、高いプロジェクト遂行力にあります。具体的施策としては、アカウントマネジメント専任部署の新設による顧客深耕、導入後の保守・支援サービスの拡充、自社製の自動化ツールやAI-OCRの活用による高付加価値化を進めています。

新市場の開拓や事業拡大では、テックパートナーとの協業とマーケティング投資を柱に据えています。海外・国内の主要なクラウドや分析ツール、顧客管理プラットフォームとの連携を強化し、アクセンチュア製品の国内販売代理店契約などにより提供領域を拡張しています。また、書籍出版や定期的なウェビナー、オウンドメディアで認知を高めるとともに、戦略的M&Aを通じて新業界や地域の顧客基盤と専門人材を迅速に取り込む計画です。これにより、製造業のスマート化や金融、小売・物流の現場改善といった重点領域での受注拡大を目指しています。

技術革新への取り組みとしては、生成AIやAIエージェント、デジタルツインなどの先端技術の実務適用を加速させます。新技術と既存システムを融合させる「アーキテクチャ思考」を重視し、成果の見える化(ROI評価やKPI)を組み込んだ設計を徹底します。社内的にはリスキリングやコアスキルトレーニング、タレントマネジメントシステム導入による人材の「見える化」で高付加価値人材を育成し、技術開発と現場導入の両輪でサービスの差別化と拡張性確保に取り組んでいます。