マイクロ波化学JP:9227

時価総額
¥188.7億
PER
190.9倍
マイクロ波を用いた化学プロセスの開発・提供、環境対応型製造技術のグローバルスタンダード化を目指す技術プロバイダー。

沿革

2007年8月

マイクロ波化学プロセスの事業化を目的として、マイクロ波環境化学株式会社を京都市上京区に設立(資本金1,000千円)

2008年10月

本社を彩都バイオイノベーションセンター(大阪府吹田市)に移転

2009年3月

完全フロー型リアクター1号機(MWF-1:バイオディーゼル用)を島屋ビジネス・インキュベータ(大阪市此花区)にて立上

2011年11月

社名をマイクロ波環境化学株式会社からマイクロ波化学株式会社へ変更

2011年12月

基本特許「化学反応装置、及び化学反応方法」成立

2012年8月

第一号製品となる脂肪酸エステルの出荷を開始

2012年10月

本社を大阪大学吹田キャンパス(大阪府吹田市)に移転

2014年3月

大阪工場(年産3,000トン規模の脂肪酸エステル製造工場「M3K」及び第一実証棟。現大阪事業所)を、大阪市住之江区に竣工

2015年3月

太陽化学㈱とマイクロ波技術を使用したショ糖エステル製造にかかる合弁契約を締結

2015年4月

太陽化学㈱と食品添加物の製造を目的とした合弁会社(ティエムティ㈱)を設立

ティエムティ㈱とマイクロ波技術を使用したショ糖エステル製造にかかる特許・ノウハウライセンス契約を締結

2017年9月

マイクロ波を活用した次世代化学プロセス技術開発を推進するため三井化学㈱と業務提携契約を締結

2018年3月

ぺプチスター㈱と「ペプチド医薬品製造」にかかる装置供給契約を締結

2019年6月

大阪事業所を拡張し、第二実証棟の稼働を開始

2022年6月

東京証券取引所グロース市場に株式を上場

事業内容

マイクロ波化学は、化学産業における製造プロセスの革新を目指す技術プロバイダーです。同社は、化石資源由来の「熱と圧力」に依存する従来の製造プロセスを、電気由来の「マイクロ波」に置き換えることで、「省エネルギー」、「高効率」、「コンパクト」な環境対応型プロセスのグローバルスタンダード化を目指しています。マイクロ波プロセスは、特定の物質に内部から直接かつ選択的にエネルギーを伝達できるため、エネルギーロスを大幅に削減し、高収率・高品質の製品を実現します。

マイクロ波化学は、2007年の創業以来、マイクロ波プロセスを用いた商業生産を実現しました。同社は、デザイン力の獲得と強化、要素技術群の開発と蓄積に着目し、技術プラットフォームを築いてきました。この技術プラットフォームを用いることで、化学・エネルギー産業における多様な課題に対して最適なソリューションを提供しています。

同社のサービスは、研究開発からエンジニアリング・製造支援までをワンストップで提供しており、顧客との長期的な関係を構築し、安定的な収益を確保しています。マイクロ波プロセスの設計から反応器の納入まで、4つのフェーズでソリューションを提供しており、顧客がマイクロ波プロセスを導入することによって生み出すことができたコスト削減や付加価値向上などの価値の一部を、ライセンス収入として計上しています。

また、同社の事業モデルは、顧客課題にソリューションを提供することで技術プラットフォームの強化につながり、この強化された技術プラットフォームが顧客課題のソリューション力向上に貢献する好循環を実現可能です。技術プラットフォームを「標準化」し、業界・市場に共通した課題に対するソリューションを提供することで、技術を横展開しスケールする事業を実現しています。

経営方針

マイクロ波化学は、化学産業の製造プロセスに革命をもたらすことを目指しています。同社は、従来の「熱と圧力」に依存する製造方法から、電気を利用した「マイクロ波」による方法への転換を推進し、「省エネルギー」、「高効率」、「コンパクト」な製造プロセスの標準化を目指しています。この技術は、特定の物質に直接エネルギーを伝達することで、エネルギーロスを削減し、高品質な製品を効率的に生産することが可能です。

同社は、技術プラットフォームの構築に注力し、化学・エネルギー産業の多様な課題に対してソリューションを提供しています。研究開発からエンジニアリング、製造支援までを一貫して提供し、顧客との長期的な関係構築を通じて安定した収益基盤を築いています。

成長戦略として、マイクロ波化学は、技術プラットフォームの強化と標準化を進め、業界全体の課題解決に貢献することを目指しています。この技術プラットフォームを用いることで、顧客の製造プロセスを革新し、コスト削減や付加価値の向上を実現し、その一部をライセンス収入として得ています。また、技術プラットフォームの強化は、顧客課題の解決力を高め、業界内での同社の競争力をさらに強化することにつながります。

このように、マイクロ波化学は、独自の技術プラットフォームを核とした事業モデルで、化学産業の持続可能な発展に貢献し、同時に企業成長を目指しています。同社の取り組みは、化学産業における製造プロセスの革新という大きな課題に対する有効な解決策を提供しており、今後の展開が期待されます。