飯野海運JP:9119

時価総額
¥1318.8億
PER
7.1倍
外航海運業(船舶の運航、貸渡、管理)、内航・近海海運業(船舶の運航、貸渡、管理)、不動産業(ビルの賃貸、管理、倉庫業)を展開。

沿革

1899年7月

飯野商会として発足。

1918年12月

飯野商事株式会社を設立。

1922年4月

飯野汽船株式会社を設立、飯野商事株式会社請負の海上輸送を分離継承。

1929年2月

当社最初のタンカー第一鷹取丸(1,266重量トン)竣工。

1931年8月

本格的外航タンカー富士山丸(初代13,586重量トン・18ノット)竣工。

1941年3月

飯野商事株式会社を飯野海運産業株式会社に商号変更し、さらに飯野汽船株式会社と合併。

1942年4月

船舶運営会による我が国全船舶の国家使用・船員徴用が決定され、当社も指定を受ける。

1944年4月

飯野海運産業株式会社を飯野海運株式会社と改称。

1949年5月

東京証券取引所に上場。なお、1952年10月迄に順次大阪証券取引所他6証券取引所に上場した。

1950年4月

船舶運営会廃止、当社完全自営に復帰。

1953年3月

飯野不動産株式会社を設立。

1960年10月

飯野ビルディング完成にともない東京都千代田区内幸町二丁目1番1号に本社移転。

1964年3月

海運集約に際し、定航部門を分離して新たに設立した飯野汽船株式会社に譲渡し、これと川崎汽船株式会社とが合併した。

1974年3月

イイノマリンサービス株式会社を設立。船舶管理業務を行う。

1979年12月

泰邦商事株式会社を設立。仲立業及び舶用品販売業務を行う。

1986年11月

光洋汽船株式会社を買取り。

1986年12月

有償第三者割当増資を実施し資本金78億円となる。

1987年6月

事業の拡充と経営の多角化に備え、定款に事業目的の一部を追加。

1989年8月

船舶保有を目的とした海外子会社LODESTER NAVIGATION S.A.を設立。

1990年3月

有償株主割当増資を実施し資本金107億円となる。

1997年5月

株式会社イイノ・メディアプロを設立。貸フォトスタジオ「イイノ・広尾スタジオ」の運営。

1997年10月

飯野不動産株式会社と合併。

1999年10月

泰邦商事株式会社をイイノエンタープライズ株式会社と改称。

2002年4月

貸フォトスタジオ「イイノ・南青山スタジオ」竣工。

2003年9月

当社グループが運航管理を行う大型LNG船SK SUNRISE(68,415重量トン)竣工。

2004年4月

営業活動の拡大を目的に、ロンドンに現地法人IINO UK LTD.を設立。

2004年12月

公募増資と有償第三者割当増資を実施し資本金130億円となる。

2006年8月

IINO SINGAPORE PTE.LTD.(2002年4月設立)にて運航業務開始。

2007年4月

小型ガスタンカー部門をイイノガストランスポート株式会社に分社。

2007年7月

イイノガストランスポート株式会社が光洋汽船株式会社を吸収合併。

2007年11月

飯野ビルディング建替え計画に伴い本社事務所移転。

2011年10月

飯野ビルディング開業。本社事務所を飯野ビルディングに移転。

2011年11月

本社オフィスが日本初の「LEEDプラチナ認証」を取得。

2014年9月

米国ヒューストン事務所開設。

2016年3月

飯野ビルディングが東京都環境確保条例における「優良特定地球温暖化対策事業所(トップレベル事業所)」に認定。(2021年3月再取得)

2019年9月

上海駐在員事務所開設。

2019年12月

メタノールを燃料として使用可能な2元燃料主機関を搭載したメタノール船CREOLE SUN(49,760重量トン)竣工。

2020年3月

英国ロンドンのオフィスビル「BRACTON HOUSE」取得。

SOxスクラバー搭載のオイルタンカー富士山丸(五代目 312,499重量トン)竣工。

2021年3月

資金使途を環境改善効果のある事業(グリーンプロジェクト)に限定したグリーンボンドを発行(発行総額50億円)。

2021年8月

営業活動の拡大を目的に、ドバイに現地法人IINO LINES GULF DMCCを設立。

2022年2月

LPGを燃料として使用可能な二元燃料主機関を搭載した大型ガス船CALLUNA GAS(49,943重量トン)竣工。

2022年10月

米国 オレゴン州 ポートランド市における再開発事業「Press Block プロジェクト」へ参画。

国連グローバル・コンパクトに賛同。

2022年12月

米国 テキサス州 ダラス近郊における木造7階建て ESG配慮型オフィスの開発に参画。

事業内容

飯野海運株式会社(以下、同社)とそのグループ企業は、外航海運業、内航・近海海運業、および不動産業の3つの主要な事業セグメントを展開しています。2023年3月31日現在、同社は65の連結対象子会社、8の持分法適用会社、および9の連結対象外の関係会社を有しています。

外航海運業では、船舶の運航、貸渡、用船、管理、海運仲立業、代理店業を手掛けています。このセグメントにおける主な関係会社には、AZALEA TRANSPORT S.A.(船舶の貸渡)、イイノマリンサービス株式会社(船舶の管理)、イイノエンタープライズ株式会社(海運仲立業)があります。

内航・近海海運業においては、船舶の運航、貸渡、管理を行っており、イイノガストランスポート株式会社が主な関係会社として挙げられます。このセグメントでは、国内および近隣諸国への海運サービスを提供しています。

不動産業では、ビルの賃貸、管理、倉庫業、不動産関連事業を展開しています。イイノ・ビルテック株式会社(ビルの管理)、泰邦マリン株式会社(倉庫業)、株式会社イイノ・メディアプロ(不動産関連事業)、IKK HOLDING LTD(海外不動産業)が、このセグメントにおける主要な関係会社です。

これらの事業セグメントを通じて、同社グループは幅広いサービスとソリューションを提供し、多様な顧客ニーズに応えています。

経営方針

飯野海運株式会社(以下、同社)は、2023年4月からの新中期経営計画「The Adventure to Our Sustainable Future」を策定し、その実行に向けた戦略を展開しています。この計画は、外部環境の変化に対応し、持続可能な未来に向けた果敢な挑戦を目指すものです。同社は、ポートフォリオ経営とカーボンニュートラルへの挑戦を重点戦略として掲げ、長期目標「IINO VISION for 2030」を受け継ぎつつ、経済的価値と社会的価値の両方の向上を目指しています。

具体的には、同社は前計画比で2倍超の約1,000億円を新規・成長事業への投資に充てることで、持続的な成長を実現する最適な事業ポートフォリオの構築を目指します。また、投下資本利益率(ROIC)を新たな経営指標として導入し、資本収益性の向上と事業間のシナジー創出に注力します。さらに、カーボンニュートラル達成に向けたロードマップを策定し、実行可能な温室効果ガス削減施策に取り組むことで、脱炭素社会への貢献を目指します。

人的資本の強化や人権尊重への対応、デジタルトランスフォーメーション(DX)への対応加速も重要な戦略の一環です。同社は、スタートアップとの協働を通じて課題解決を図り、新たに専門部署を設置してDXへの取り組みを一層強化しています。

このように、飯野海運は経済的価値の向上と社会的価値の創造を目指し、持続可能な成長を追求する戦略を推進しています。同社の取り組みは、外航海運業、内航・近海海運業、不動産業という3つの主要事業を核としながら、新たな価値を提供し続けることで、変化する経営環境に対応していく姿勢を示しています。