ロジネットジャパンJP:9027

時価総額
PER
貨物の運送・管理の有力企業。EC物流、倉庫、通関、引越を含む一貫物流サービスを展開。EC事業で法人向けソリューションを強化。持株会社体制で事業会社4社、子会社11社、持分法適用関連会社1社を擁する。北海道・東日本・西日本・九州で展開。

事業内容

ロジネットジャパンは持株会社として国内に地域別の子会社群を擁し、貨物の運送と物流管理を一貫して手がけています。トラック輸送を中核に、EC向けの小口配送や倉庫管理、鉄道や航空を組み合わせた輸送、引越や通関といった関連サービスを提供しています。

同社は製造業や小売、EC事業者など法人顧客を中心に取引しています。収益は輸送と倉庫の利用料が中心で、加えて車両や事務機器の販売、不動産賃貸や保険代理、飲料水販売などグループの多角的な事業からも売上を得ています。

事業は北海道、東日本、西日本、九州・その他という地域別の事業区分で展開しており、各地域で運送・倉庫・EC支援を行う子会社を配置しています。さらに物品販売や自動車修理、旅行業、農業といった複数の事業ラインをグループで抱え、安定した収益基盤の確保を図っています。

経営方針

同社は「中期経営計画2025‑2027」を通じて、2030年度までに連結売上高1,000億円を実現することを目指しています。計画の中間目標として2028年3月期に売上高850億円、経常利益40億円、売上高経常利益率4.7%を掲げ、配当性向35%以上、総還元性向45%以上、ROE11%以上、ROIC7%以上といった数値目標を設定しています。こうした財務目標の達成に向けて、自己株式の取得など資本政策も組み合わせ、企業価値の向上に努める方針です。

重点投資分野は車両、不動産、そして情報システムであり、これらを通じて自社の輸送力と収益基盤を強化します。具体的にはトラック中心の輸送ネットワークを全国規模でつなぐ「LNJEX」を軸に、多様な輸送手段を組み合わせて最適な輸送メニューを提供することで差別化を図ります。また、環境対応や業界の課題解決を目的とした独自商品の拡販や、引越しや保税通関といった関連サービスの連携によりワンストップで顧客価値を高める施策を進めています。人材面では大卒初任給を月35万円へ引き上げるなど処遇改善を実行し、現場力の確保を優先投資と位置づけています。

新市場開拓と事業拡大では、国内の地域別子会社網を活かしてEC(ネット通販)向け小口配送と倉庫業務の拡充を図るとともに、国際物流分野への参入や新規事業領域への挑戦を進めます。LNJEXによる全国展開で荷扱い量の拡大を目指すほか、車両や不動産を活用した多角的な収益源(車両販売、賃貸、代理店業務など)の強化により収益の安定化を図ります。輸送力維持のための料金改定も計画しており、需給変動に応じた収益確保を念頭に置いています。

技術革新については、情報システム投資を通じた業務効率化と内製化による輸送能力の最適化を重点的に進めています。具体的には配車や倉庫作業のデジタル化、在庫や輸送ルートのデータ活用による最適化、倉庫の自動化導入などを通じて収益性とサービス品質を高め、ROIC目標の達成を目指しています。また、持続可能な物流を志向する経営のもと、環境負荷低減の取り組みと効率化を両立させることで、長期的な競争力の強化につなげようとしています。