ウェーブロックホールディングスJP:7940

時価総額
¥76.3億
PER
13.8倍
合成樹脂製品の製造・販売、金属調加飾フィルムや高透明二層シートの製造・販売、特殊印刷加工などを手がける。

沿革

1964年6月

イタリアT.C.M.社のブルーノ・ロマーニン氏より糸強化プラスチックシートに関する特許"ウェーブロック"技術を導入するために、日商(株)(現 双日(株))、日本カーバイド工業(株)、丸登化成工業(株)(現 龍田化学(株))の3社が均等出資し資本金6千万円の日本ウェーブロック(株)(現 当社)を設立(本社:東京都千代田区神田神保町、工場:茨城県猿島郡総和町(現、茨城県古河市))

1965年2月

ウェーブロック製品の生産、産業資材、農業資材分野に販売を開始

1979年11月

インテリア事業として壁紙業界に参入、塩化ビニル壁紙原反の生産、販売を開始

1980年6月

金属蒸着ポリエステルフィルム、フッ素樹脂フィルム、塩ビフィルム等の多層ラミネートシートの生産を開始。車両及び家電向けに光輝テープの販売を開始

1987年9月

真空成型で食品容器を作るための巻物シート「パディオ」の生産、販売を開始し、包材分野に参入

1990年10月

日本証券業協会に店頭売買銘柄として登録、当社株式を公開

1991年9月

岩手県一関市東台に一関工場(現一関事業所)を竣工し、コーティング設備を新設。産業資材分野に建築工事用メッシュシートの生産、販売を開始

1995年8月

インテリア事業において、壁紙最終製品市場に参入するためチバグラビヤ(株)(後のサクラポリマー(株))に資本参加し、同社より工場、生産設備、営業権を取得(1998年7月、同社を完全子会社化)

1996年12月

東京証券取引所市場第二部に上場

2003年12月

公開買付けにより、ダイオ化成(株)(当時、東証市場第二部上場)の発行済株式の50.1%を取得し、同社を連結子会社化。編織事業の開始

2005年4月

商号をウェーブロックホールディングス(株)に変更、新設会社の日本ウェーブロック(株)に事業の全てを承継し、純粋持株会社化。同時に株式交換によりダイオ化成(株)を完全子会社化

2006年4月

インテリア事業の基盤強化のため、ヤマト化学工業(株)(現:クレアネイト(株))の発行済株式の60.0%を取得し、同社を連結子会社化(2007年5月、同社を完全子会社化)

2006年4月

完全子会社として(株)シャインテクノを設立。高機能多層シートを、自動車や家電分野のディスプレイならびに筐体用に生産、販売を開始

2008年4月

インテリア事業の更なる強化のため、ヤマト化学工業(株)を(株)ウェーブロックインテリア(現:クレアネイト(株))に商号変更の上、インテリア事業の統括管理運営会社とし、サクラポリマー(株)と新設したヤマト化学工業(株)を同社の子会社化

2009年3月

買収目的会社として設立されたウェーブロックインベストメント(株)による当社株式等の公開買付けが成立し、同社が当社普通株式の91.7%を保有する筆頭株主となる。同年7月東京証券取引所上場廃止

2009年10月

親会社であるウェーブロックインベストメント(株)を当社が吸収合併

2010年4月

日本ウェーブロック(株)から新設会社(株)ウェーブロック・アドバンスト・テクノロジーに、金属調加飾シート分野などの一部事業、ならびに機能性樹脂シート分野の子会社(株)シャインテクノの株式などを承継し、アドバンストテクノロジー事業の中核子会社とする

2012年3月

アドバンストテクノロジー事業の強化のため、韓国において、各種電子材料、プラスチック製品等の販売を行うWavelock Korea Co.,Ltd.を(株)ウェーブロック・アドバンスト・テクノロジーの子会社として設立

2012年4月

アドバンストテクノロジー事業の強化のため、穎台科技股份有限公司(英語社名:Entire Technology Co.,Ltd.)と業務資本提携し、製造・開発・販売の相互協力、及び株式の保有について合意(現在は株式の相互保有は解消。)

2012年6月

編織事業の製造機能強化のため、中国において、ダイオ化成(株)が普通株式の93.4%を保有する合弁会社大連嘉欧農業科技有限公司を設立

2012年7月

編織事業の物流、貿易機能の強化のため、ダイオ化成(株)が中国の威海精誠物流有限公司の株式49.0%を取得

2013年3月

グループのアジア地域における商社機能の強化のため、(株)ウェーブロックインテリア(現:クレアネイト(株))の子会社として、香港にWavelock International Asia Co.,Ltd.を設立

2013年4月

産業資材・包材事業の更なる強化のため、日本ウェーブロック(株)を製販分離、その販売部門とダイオ化成(株)の産業資材営業部門を(株)イノベックス(2013年2月設立)に統合

2015年10月

インテリア事業のバリューチェーン上の効率化や更なる品質向上、新たな製品開発等を目指すため、(株)サンゲツと業務資本提携。同社が当社株式の22.2%を保有し、当社は同社の持分法適用関連会社に

2017年4月

東京証券取引所市場第二部に再上場

2018年2月

グループのアセアン地域における事業活動の強化のため、(株)イノベックス、ダイオ化成(株)当社の共同出資によりタイ王国にWavelock International (Thailand) Co.,Ltd.を設立

2018年4月

東京証券取引所市場第一部指定

2018年6月

アメリカにおいて、北米自動車市場に対する事業活動強化のため、(株)ウエーブロック・アドバンスト・テクノロジーの子会社としてWavelock Advanced Technology Inc.を設立

2019年1月

ダイオ化成(株)の営業・購買・管理部門を(株)イノベックスに集約。株式交換により、ダイオ化成(株)および日本ウェーブロック(株)を(株)イノベックスの完全子会社とする

2019年3月

ドイツにおいて、ヨーロッパ自動車市場に対する事業活動強化のため、(株)ウェーブロック・アドバンスト・テクノロジーの子会社としてWavelock Advanced Technology GmbH.を設立

2020年4月

ダイオ化成(株)および日本ウェーブロック(株)を(株)イノベックスに吸収統合。また、(株)シャインテクノを(株)ウェーブロック・アドバンスト・テクノロジーに吸収統合

2021年3月

事業再編にあたり、100%子会社としてウェーブロック・アセットマネジメント(株)を設立し、(株)ウェーブロックインテリア(現:クレアネイト(株))所有の子会社(ヤマト化学工業(株)ならびにサクラポリマー(株))全株式ならびに固定資産等の一部を移管

2021年3月

(株)ウェーブロックインテリア株式の51%を(株)サンゲツに譲渡。それに伴い、(株)ウェーブロックインテリアは連結対象子会社から外れ、持分法適用会社となり、(株)サンゲツとの資本業務提携関係を解消

2021年10月

ヤマト化学工業(株)およびサクラポリマー(株)をウェーブロック・アセットマネジメント(株)に吸収統合

2022年4月

(株)イノベックスが(株)エイゼンコーポレーションの発行済株式の100%を取得し、完全子会社化

2022年4月

東京証券取引所市場スタンダード指定

2022年5月

クレアネイト(株)株式の49%を(株)サンゲツに譲渡。それに伴い、クレアネイト(株)は持分法適用会社から外れる

2023年4月

ウェーブロック・アセットマネジメント(株)を(株)ウェーブロック・アドバンスト・テクノロジーに吸収統合

事業内容

ウェーブロックホールディングスとそのグループ企業は、持株会社であるウェーブロックホールディングスを中心に、連結子会社11社、非連結子会社1社、関連会社1社の合計14社で構成されています。同社グループは、プラスチック、繊維、紙などを原材料とした複合素材の製造および販売を主な事業としています。

事業内容は大きく分けて「マテリアルソリューション事業」と「アドバンストテクノロジー事業」の2つに分類されます。

マテリアルソリューション事業では、独自の技術を用いた高品質な合成樹脂製品を提供しており、その製品は建設資材、住宅資材、産業資材、農業資材、日用雑貨、食品包材など幅広い分野に渡っています。この事業は、ビルディングソリューション、インダストリアルソリューション、アグリソリューション、リビングソリューション、パッケージングソリューション、環境ビジネス(再生可能エネルギー活用ソリューション)といった複数のソリューション営業部によって構成されています。

アドバンストテクノロジー事業では、特殊金属を蒸着したフィルムを使用した金属調テープや金属調加飾フィルムを自動車外装用、自動車・自動二輪向け、家電、雑貨向け部品外装用に製造・販売しています。また、自動車や家電分野のディスプレー向け高透明二層シートの製造・販売、医療用湿布基材への特殊印刷加工、消費財用包装材や段ボールの開封テープの販売なども手がけています。

これらの事業を通じて、ウェーブロックホールディングスグループは、多岐にわたる産業分野に対して、独自の技術と製品を提供し、市場のニーズに応えています。

経営方針

ウェーブロックホールディングスは、安定的かつ継続的な成長を目指し、バランスの取れた事業展開を推進しています。同社は、既存事業の強化と新規事業の確立を両輪とし、中長期的な視野に立った事業ポートフォリオの構築に注力しています。2021年4月の新体制以降、ビジョン、ミッション、バリューズを新たに制定し、業界内で世界トップクラスの収益性を誇る企業へと成長することを目標に掲げています。

経営戦略の核となるのは、「マテリアルシナジー」の概念です。これは、異なる特徴を持つ素材や技術を組み合わせることで新たな価値を生み出すことを指します。同社は、技術や素材、事業、成長手段、地理的な展開、パートナー企業との組み合わせを重視し、売上の伸長、収益性の向上、事業領域の拡大を目指しています。

特に、マテリアルソリューション事業とアドバンストテクノロジー事業において、生産性の向上や資材調達の見直し、新製品の開発、海外展開などを通じて、競争力の強化と市場プレゼンスの向上に努めています。また、成熟した国内市場でのプレゼンス向上や、海外関連ビジネスの強化を通じて、日本依存度の低減を図っています。

ウェーブロックホールディングスは、組織の再編や人材強化、事業戦略の見直し、製品の差別化と収益化、生産合理化によるコストダウン、原材料価格上昇への対応など、複数の課題に優先的に取り組んでいます。これらの戦略を通じて、同社は長期的な成長と収益性の向上を目指しています。