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三光合成JP:7888
事業内容
三光合成は、子会社21社を含むグループで、プラスチック成形品と成形用金型の製造・販売を主力とする企業です。同社は情報・通信機器、自動車、家電向けの部品を中心に生産し、部品と金型の両方を扱っています。
主要顧客は情報・通信機器メーカーや自動車メーカー、家電メーカーなどの製造業で、受注に応じた量産供給を行うことが収益の柱になっています。同社は金型の設計・製造と成形品の供給を組み合わせて売上を確保し、継続的な取引関係を築いています。
事業は大きく成形品事業と金型事業の二つに分かれており、成形品事業は情報・通信機器部門、車両部門、家電その他部門に細分化しています。同社は日本に加えて欧州・アジア・北米にも拠点を持ち、各地域で製造と販売を展開して顧客ニーズに応えています。
経営方針
同社は中期的に売上高営業利益率10%以上を目指しており、株主還元の観点から自己資本当期純利益率(ROE)の向上も重要な経営指標と位置づけています。グループは子会社21社を含む体制で、プラスチック成形品と金型の一貫生産による収益性の確保を基本に据え、世界市場での生産・販売拠点の拡大を通じて売上と利益基盤の安定化を図っています。短期的には原材料・エネルギー価格の変動を踏まえたコスト管理を徹底し、中長期的には高付加価値製品の比率を高めることでも収益性を引き上げる計画です。
重点投資分野としては、高付加価値の金型製造と成形品技術に資源を集中しています。同社は金型の設計・製作から成形・塗装・組立まで一貫して手がけることで、顧客ごとの要求に迅速に応える体制を強みにしており、製品開発時間の短縮や製造経費の削減を具体施策として進めています。加えて、モジュール化による機能と価格の両立や、生産現場の自動化・省力化機器導入などに投資し、品質と納期で差別化を図る方針です。
新市場開拓と事業拡大では、欧州・アジア・北米の生産拠点を活用した現地生産の強化を進めています。各拠点の自立性と生産技術力を向上させ、情報・通信機器、自動車、家電向けの既存顧客に加え、新規顧客へのモールド供給と部品供給のクロスセリングを狙います。金型事業はエスバンス社やインドの子会社を軸にグローバルに拡販する計画であり、特に自動車関連の高品質金型の受注拡大を具体的な成長ドライバーと位置づけています。
技術革新への取り組みは経営戦略の中核であり、同社は開発リードタイムの短縮と高精度製品の開発を優先しています。双葉電子工業との資本業務提携を通じて電子技術と金型・成形技術を融合した新商品の開発を進めるほか、設計ツールの高度化や生産データのデジタル活用により工程の効率化を図ります。これらにより世界標準での短納期・高品質体制を実現し、競争力のある価格と機能性を両立させることを目指しています。