- 日本企業
- プラッツ
プラッツJP:7813
事業内容
プラッツは医療・介護用の電動ベッドの企画・開発・設計・製造・販売と、ウレタンフォーム(マットレス)の加工・販売を主力事業としています。同社は国内でベッド本体や周辺機器を設計・販売するとともに、連結子会社や関連会社と連携して中国など海外にも製品を展開しています。
主要な顧客は在宅介護向けの福祉用具貸与事業者やレンタル卸業者、医療・高齢者施設向けの医療機器・施設設備販売会社、さらに家具店や通信販売業者など多様です。同社は販売先ごとに収益構造を分けており、福祉用具流通市場では貸与用ベッドの販売を通じて介護保険制度にかかわる取引が多く、施設市場では施設向け一括導入や販売会社経由の取引で売上を確保しています。
事業は大きく医療介護用電動ベッド事業、ウレタンマットレス事業、海外販売の三分野で構成しています。在宅向けは「ヨカロ」「ミオレットⅢ」「ミオレットⅢネクスト」やベッド用グリップ「ニーパロプラス」を柱に、医療・高齢者施設向けは「P300/P302/P301シリーズ」「アーデル」「レイスト」などをラインナップしており、連結子会社による加工や中国での製造連携を通じて供給体制を整えています。
経営方針
同社は中期的に国内の事業基盤を拡大しつつ収益源の多様化を図ることで、安定した成長と資本効率の向上を目指しています。在宅介護用ベッドで業界トップシェア、医療・高齢者施設向けベッドで業界第2位という既存の強みを土台に、マットレスなどベッド関連商品の拡充や新分野の商品・サービス投入を通じてベッド以外の収益比率を高める方針です。経営の評価指標としてはROEを重視しており、事業投資と収益性のバランスをとりながら中期目標の達成を図っています。
重点投資分野は製造力と研究開発、人材育成に集約されています。同社は「高品質・高機能・低価格」を差別化軸とし、鋼製部品の製造や組立を担う持分法適用関連会社(SHENGBANG METAL)との連携で生産から品質検査まで管理しています。原材料高や為替変動などのリスクに備え、現在ベトナムに偏在している生産拠点の見直しと新たな生産拠点開拓を進めるとともに、研究開発投資や開発購買機能の強化で製品競争力を高める投資を行っています。加えて、人事評価制度の見直しや研修制度の充実により人材の確保・育成にも注力しています。
新市場開拓では国内では医療・高齢者施設市場への注力と睡眠関連など新カテゴリーの拡大を図っています。マットレス開発では連結子会社のやまと産業と連携し商品ラインナップを拡充し、施設向けは一括導入需要を取り込む営業体制を強化します。海外は東アジア、東南アジアを重点地域とし、中国では富若慈(上海)貿易有限公司を軸に販売を拡大、Haierグループとの合弁事業で現地展開のスピードを上げるほか、韓国のパートナーと協業して代理店網や販売基盤の整備を進める計画です。
技術革新への取り組みとしては、製品の機能向上と介護現場の負担軽減を狙ったサービス開発を進めています。中長期的にはセンサーや操作性の改善、介護スタッフの作業を減らす機構の導入などを通じて「人手不足を補う」ソリューションを提供する方針で、これに伴うR&D投資と生産技術の高度化を継続投資しています。品質管理は社内の品質部門が指導・管理しており、製造拠点の多様化と併せて供給安定性と製品信頼性の向上を図っています。