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壽屋JP:7809
事業内容
壽屋はフィギュア、プラモデル、雑貨などホビー関連商品の企画・開発から製造管理、販売までを一貫して行っています。自社で原型制作やデザインを行い、直営店舗や自社ECを含む多様な販売チャネルで展開しています。
同社の主要な顧客は国内外の卸売業者や流通業者で、卸売を中心とした販売が収益の柱になっています。直営店やオンライン販売を通じた直販に加え、海外のディストリビューター向け輸出や自社IPのライセンス収入も重要な収益源となっています。
同社は事業をホビー関連品の単一セグメントで展開しており、製品は主にフィギュア、組立式プラモデル、デザイン性の高い雑貨の三本柱で構成しています。生産は自社設計・原型制作を行い、製造は主に中国の委託先に委ねるファブレス方式を採用し、オリジナルコンテンツ(例:フレームアームズ・ガール、メガミデバイスなど)の開発と二次利用のライセンス展開にも注力しています。
経営方針
同社は成長戦略として、従来のフィギュアやプラモデル、雑貨といったホビー領域を基盤に、より広い「エンターテインメント分野全般」へのシフトを目指しています。経営指標としては、営業活動と金融収支を合わせた売上高経常利益率を安定的に10.0%以上とすることを掲げており、その達成に向けて収益性の高い事業構造への転換を進めています。自社で企画から販売まで一貫して行う強みを活かし、利益率向上とスピード感ある商品投入を両立させる方針です。
重点投資分野は自社IP(自社で創造したキャラクターなどの知的財産)の拡充と育成で、版権料が発生しないことから高い利益率が見込める点を差別化要因としています。具体的施策としては、美少女やロボットといった得意分野で長期シリーズを創出し、原型制作やデザインなどの社内リソースを強化してゼロからキャラクターや世界観を作る体制を整備しています。また、品質面では「TOKYO Mark」など日本の高い製造技術をベンチマークに据え、製造委託先や原型師との関係を深めて安定供給と高品質維持に取り組んでいます。
新市場開拓では海外展開と直販チャネル強化に注力しています。アジアでは韓国、台湾、香港、上海に「プレミアムパートナーショップ」を開設し、深圳の合弁会社「寿屋風正」を拠点に企画・製造・販売を進めています。北米ではイベント出展と自社運営のネット販売(自社EC)を立ち上げて市場接点を増やし、海外ディストリビューターとの協業やショールーム出店でブランド浸透を図る計画です。加えて、デジタルコンテンツを含む複数の新規プロジェクトや、ARTIST SUPPORT ITEMのような新領域商品の拡充で顧客層を広げ、既存のプラモデル・フィギュア・グッズへ誘引するビジネスモデル構築を進めています。
技術革新と経営基盤強化では、基幹システムのリプレイスを進めて情報の精度と速さを高め、BCP(事業継続計画)対策やセキュリティレベルの向上を図っています。人的資本への投資として階層別・職階別・テーマ別の人材育成プログラムを拡充し、採用体制の強化や定着支援制度を整備することで、将来を担う人材の確保と組織力の底上げを目指しています。これらの取り組みを通じて、収益率10%超の持続的達成とグローバル成長を目指しています。