プリントネットJP:7805

プリントネットは、インターネットを通じて印刷物の注文を受け、印刷・後加工・配送まで一貫して行うネット印刷の通信販売事業を展開しています。同社はウェブ上で仕様と価格を提示し、顧客から完全データを受け取って生産を開始する仕組みを主力にしています。

受注の大部分は同社のウェブサイト経由で入り、顧客は法人のビジネスユーザーや印刷業者・デザイン業者などＢtoＢが中心です。売上はサイト経由の大量受注と、発送代行など業務受託が収益の柱になっています。

同社は顧客ニーズに応じて複数のサイトを運営し、コールセンターで手厚いサポートする「プリントネット」、低価格に特化した「プリントプロ」、オリジナルウェアを扱う「プリントネットウェア」を展開しています。生産面では複数案件を一つの版にまとめるギャンギング処理でコストを抑え、Japan Colorの認証を取得して品質を維持しています。さらに印刷事業以外に調剤薬局の運営も行っています。

同社は、ネット印刷事業での持続的成長を目指しており、前期対比の売上高成長率と売上高営業利益率を重要な経営指標と位置付けています。市場は上位数社で約3/4を占める寡占化が進んでいる一方で、インターネット経由の印刷通販市場は引き続き拡大が見込まれるため、同社は利益率を確保しつつ売上拡大を両立させることを目指しています。実行計画としては固定費の抑制と商品構成の見直しを進め、限られた資本で成長投資を行う方針です。

重点投資分野としては、購買力強化とマーケティングの両輪に注力しています。同社は購買部門の仕入管理を強化し、仕入先間の適正な競争を促すことで材料費比率の低減を図るとともに、独自のプロダクト戦略とweb中心のプロモーション、展示会出展による顧客獲得を進めています。生産面では複数案件をまとめるギャンギング処理でコストを下げ、品質面では2012年7月にJapan Color認証を取得するなど差別化を図っています。

新市場開拓と事業拡大については、複数のサイト運営と業務受託の組み合わせで顧客層を広げる戦略を採っています。法人向けの大量受注を主軸とする「プリントネット」、低価格特化の「プリントプロ」、オリジナルウェアの「プリントネットウェア」を使い分けることでセグメントごとの需要を取り込み、発送代行や業務受託サービスを伸ばすことで印刷以外の収益基盤も強化しています。今後はこれらのチャネル間でのクロスセルや付帯サービスの拡充で一件当たりの取引価値向上を目指しています。

技術革新と組織面の整備も同社の重要施策です。ネット通販の一貫管理を実現する次世代基幹システムを構築し、生産自動化や省力化、より正確な資材管理で生産性を高める取り組みを行っています。情報セキュリティ面ではプライバシーマークとISMS認証を取得済みで運用レベルの向上を図り、人材育成では研修やジョブローテーション、キャリア支援制度を通じて柔軟に対応できる組織づくりを進めています。