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スリー・ディー・マトリックスJP:7777
事業内容
スリー・ディー・マトリックスは、自己組織化ペプチド技術を基盤とした医療製品の研究開発、製造、販売を行う企業です。この技術は、MITから独占的実施権を取得しており、外科領域、組織再生領域、DDS(ドラッグデリバリーシステム)領域での医療機器や医薬品の開発に活用されています。
同社の医療製品事業は、単一セグメントで構成されており、外科領域では吸収性局所止血材や粘膜隆起材、癒着防止材などを開発しています。組織再生領域では、創傷治癒材や歯槽骨再建材を開発し、DDS領域では核酸医薬のためのDDS技術を提供しています。
スリー・ディー・マトリックスの基盤技術である自己組織化ペプチドは、特定の条件下でナノファイバーを形成し、ゲル化する特性を持っています。この技術は、生物由来の原材料を含まず、化学合成により生産されるため、安全性が高く、均一な品質で大量生産が可能です。
同社は、外部機関との共同研究を通じて技術開発を進めており、製品の製造は扶桑薬品工業やPharmpure社に委託しています。販売は、欧州ではFUJIFILMとの独占販売契約を通じて行われ、米国、日本、オーストラリアでは直販体制を採用しています。
経営方針
スリー・ディー・マトリックスは、「バイオマテリアルによって医療の進展に貢献する」という企業理念のもと、外科領域や組織再生領域での製品開発を進めています。グローバルな競争力を獲得するため、製品の安定供給体制と販売体制の構築を目指し、国内外での適応拡大に向けた経営資源の配置を行っています。
同社は、医療機器の開発企業として、製造販売承認を取得予定の製品のグローバル展開を推進しています。また、次世代のパイプライン候補の事業化にも注力し、研究機関との連携を強化しています。これにより、製品化を早期に実現し、事業収益の安定化を図っています。
スリー・ディー・マトリックスは、2026年4月期における製品販売による事業収益を9,283百万円と計画しています。研究開発費も重要な経営指標と位置付け、効率的な管理を行い、2026年4月期には951百万円を計画しています。これにより、基礎研究の共有や効率化を進めています。
同社は、事業収益拡大とコスト削減を課題とし、消化器内視鏡領域に事業を絞り込むことで、マーケティング費用を削減し、収益確保を優先しています。また、次世代止血材などの注力分野において、コストと時間の最小化を図っています。
資金調達においては、米国の投資ファンドからの資金調達や、りそな銀行とのコミットメントライン契約を通じて、安定的な事業資金の確保に努めています。これにより、継続的な財務基盤の強化を図っています。
研究開発体制と経営管理体制の強化も重要な課題とし、グローバル展開に対応するためのリスク管理を強化しています。法令遵守のための活動を継続し、内部統制体制の確立を目指しています。また、専門知識を持つ人材の確保と育成にも注力しています。