スリー・ディー・マトリックスJP:7777

時価総額
¥94.4億
PER
当社は、MITから特許を受けた自己組織化ペプチド技術を基盤に、外科領域、組織再生領域、DDS領域での医療機器及び医薬品の研究開発、製造、販売を行う。主要製品には吸収性局所止血材「ピュアスタット」、粘膜隆起材「ピュアリフト」等がある。

沿革

2001年5月

MIT発のバイオベンチャーとして米国において3-D Matrix,Inc.(現連結子会社)設立

2003年4月

米国3-D Matrix,Inc.が、MITとの間で自己組織化ペプチド(*)技術に係るライセンス契約を締結

2004年5月

自己組織化ペプチド技術の日本における事業化を目的として㈱スリー・ディー・マトリックス・ジャパンを設立

2007年10月

米国3-D Matrix,Inc.を子会社化

2008年3月

商号を㈱スリー・ディー・マトリックスに変更

2010年8月

第一種医療機器製造販売業許可を取得

2011年10月

大阪証券取引所(現東京証券取引所)JASDAQ(グロース)に株式を上場

2012年4月

フランスに、当社100%出資の子会社として3-D Matrix Europe SAS.を設立

   10月

医療機器の品質マネジメントシステムのための国際標準規格「ISO13485」を取得

2014年1月

欧州において吸収性局所止血材のCEマーキング指令適合認証を取得

2015年2月

米国において創傷治癒材の市販前届出510(k)承認を取得

2016年1月

オーストラリアにおける吸収性局所止血材の医療機器製品登録承認を取得

2017年4月

中国でのライセンス許諾契約を締結

2018年10月

欧州における吸収性局所止血材の後出血予防材の適応追加の承認の取得

2019年4月

耳鼻咽喉科領域の癒着防止材兼止血材の米国での製造販売承認を取得

   6月

FUJIFILM Europe B.V.と消化器内視鏡分野において吸収性局所止血材の欧州全域における独占販売契約を締結

   9月

オーストラリアにおける吸収性局所止血材の後出血予防材の適応追加の承認の取得

   10月

日本における吸収性局所止血材の製造販売承認申請をPMDAに提出

2020年7月

日本における吸収性局所止血材の日本での製造販売承認を取得

   9月

医薬品販売業許可を取得

   10月

欧州において次世代止血材の治験計画届を提出

   12月

日本における粘膜隆起材の製造販売承認申請をPMDAに提出

2021年1月

米国における吸収性局所止血材の承認申請をFDAに提出

   3月

高度管理医療機器販売業・貸与業許可を取得

   5月

日本における粘膜隆起材の製造販売承認を取得

   6月

米国における吸収性局所止血材の市販前届出510(k)承認を取得

2022年4月

米国における粘膜炎の創傷治癒材の市販前届出510(k)承認を取得

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所JASDAQ(グロース)からグロース市場に移行

事業内容

スリー・ディー・マトリックスは、MITから独占的実施権を受けた自己組織化ペプチド技術を基盤として、医療製品の研究開発、製造、販売を行っている企業です。同社は、外科領域、組織再生領域、DDS(Drug Delivery System)領域における医療機器及び医薬品の開発に注力しています。

外科領域では、吸収性局所止血材「ピュアスタット」をはじめ、粘膜隆起材、後出血予防材、癒着防止材などの開発を進めており、これらは手術時の出血を効果的にコントロールするための製品群です。組織再生領域では、創傷治癒材や歯槽骨再建材の開発を行っており、これらは損傷した組織の再生を促進するための製品です。DDS領域では、自己組織化ペプチドを薬剤のキャリアとして使用し、特定の治療物質を病巣部位に効果的に届ける技術の開発に取り組んでいます。

スリー・ディー・マトリックスは、これらの製品群を通じて、外科手術の安全性と効率の向上、組織再生の促進、効果的な薬物送達システムの提供を目指しています。また、同社は大学や研究機関との共同研究や、技術ライセンス契約を通じて、自己組織化ペプチド技術の応用範囲を広げ、新たな医療製品の開発に努めています。

経営方針

スリー・ディー・マトリックスは、医療の進展に貢献することを企業理念として掲げ、バイオマテリアルを用いた製品開発に注力しています。同社は、外科領域や組織再生領域での製品開発を進め、グローバル市場での競争力を高めることを目指しています。具体的には、吸収性局所止血材や粘膜隆起材、癒着防止材などの外科領域、創傷治癒材や歯槽骨再建材などの組織再生領域での製品開発に力を入れています。

同社の成長戦略は、製品のグローバル展開と事業化に向けた経営資源の配置に焦点を当てています。国内外での適応拡大を目指し、安定供給体制と販売体制の構築に努めています。また、研究開発においては、次世代の製品開発に注力し、臨床試験の効率化やコスト削減を図りながら、グローバル市場での有利なポジションを確保することを目標としています。

経営指標としては、製品販売による売上収益の増加を主要な目標とし、2024年4月期には売上収益目標を3,708百万円、研究開発費目標を458百万円と設定しています。これらの目標達成には、グループ内での基礎研究の共有や効率化、臨床開発等の研究開発費の効率的な管理が必要とされています。

対処すべき課題としては、事業収益の拡大とコスト削減、資金調達、研究開発体制及び経営管理体制の強化が挙げられています。これらの課題に対して、同社は営業体制の再構築やマーケティング活動のフォーカス、新規開発の一時的中断、資本提携や事業提携の検討、内部統制体制の確立など、多角的なアプローチで取り組んでいます。これにより、スリー・ディー・マトリックスは、医療分野における革新的な製品の開発と事業の持続的な成長を目指しています。