プレシジョン・システム・サイエンスJP:7707

時価総額
¥55.3億
PER
バイオ関連業界向けに、ラボ自動化装置、臨床検査用装置、試薬、消耗品の開発・製造販売、受託製造・検査を手掛ける。

沿革

1985年7月

理化学機器(臨床検査機器)の保守メンテナンスを目的として、東京都板橋区に設立。

1986年9月

本社所在地を東京都府中市に移転。

1989年2月

自社製品として、分注装置、希釈装置、洗浄装置等の理化学機器の製造販売を開始。

1991年2月

研究開発施設として、千葉県松戸市に松戸研究所を設置。

1993年1月

本社所在地を東京都稲城市に移転。

1995年6月

磁性体粒子法を利用した化学発光免疫測定装置(HiMICO)の製品化に成功。開発技術について、日本、米国、欧州等の世界各国に特許出願し、マグトレーション・テクノロジーと名付ける。

1995年10月

マグトレーション・テクノロジーを利用した核酸(DNA)自動抽出装置等の製品化に成功。

1996年8月

東洋紡績㈱と核酸(DNA)自動抽出装置等に関するOEM契約を締結。

1997年11月

F.Hoffmann-La Roche Ltd.(スイス)と核酸(DNA)自動抽出装置等に関するOEM契約を締結。

1998年12月

ドイツBoehringer Mannheim GmbHと核酸(DNA)自動抽出装置等に関するOEM契約を締結(現在はRoche Diagnostics, Ltd(スイス)と契約更新)。

2000年10月

スウェーデンMagnetic Biosolutions Sweden ABと核酸(DNA)自動抽出装置等に関するOEM契約を締結。

2001年2月

大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場(現 JASDAQ市場)に株式を上場。

2001年4月

稲城市の本社と松戸研究所を統合し新本社社屋に集約。本社所在地を千葉県松戸市に移転。

2001年7月

米国子会社PSS Bio Instruments, Inc.(現 Precision System Science USA, Inc.、米国カリフォルニア州)及び欧州子会社Precision System Science Europe GmbH(ドイツ マインツ市、現在はドイツ デュッセルドルフ市)を設立。

2002年7月

子会社ユニバーサル・バイオ・リサーチ㈱(千葉県松戸市)を設立。

2002年8月

ノルウェーQIAGEN AS及びドイツQIAGEN GmbHと核酸(DNA)自動抽出装置等に関するOEM契約を締結(現在はQIAGEN GmbH(ドイツ)と契約更新)。

2004年8月

㈱三菱化学ヤトロン(現 ㈱LSIメディエンス)と小型免疫化学発光測定装置に関するOEM契約を締結。

2006年5月

米国Invitrogen Corporation(現 Thermo Fisher Scientific Inc.)と核酸(DNA)自動抽出装置等に関するOEM契約を締結。

2006年8月

米国Beckman Coulter, Inc.(現 Danaher Corporation)と核酸(DNA)自動抽出装置等に関するOEM契約を締結。

2007年2月

米国NanoString Technologies, Inc.とサンプル精製・反応処理システムに関するOEM契約を締結。

2007年7月

GEヘルスケアバイオサイエンス㈱(現 GEヘルスケア・ジャパン㈱)とタンパク質の自動精製装置及び試薬キット(Purelumnシステム)に関する国内独占販売契約を締結。

米国子会社PSS Bio Instruments, Inc.をPrecision System Science USA, Inc.に社名変更。

2009年9月

エヌピーエス㈱の株式を一部取得し関係会社とする。

2010年10月

JASDAQスタンダード市場に移行。

2012年7月

エヌピーエス㈱の株式を追加取得し連結子会社とする。

2013年2月

Diasorin Ireland, Ltd.とLIASON®IAM装置供給契約を締結。

2013年3月

Elitech GroupとgeneLEAD Ⅰ+及びgeneLEAD Ⅻ+の開発販売契約を締結。

2014年5月

Roka Bioscience, Inc.とIsothermal molecular diagnostic analyzerの開発ならびに同装置及び消耗品の供給契約を締結。

2014年6月

試薬製造工場として、秋田県大館市に大館試薬センターを新設。

2014年10月

Abbott Molecular, Inc.と検体前処理システムの製品供給契約を締結。

2014年12月

Elitech Groupと全自動PCR検査装置「geneLEAD Ⅻ」に関してOEM供給契約を締結。

2015年9月

東京証券取引所マザーズに上場市場を変更。

2016年6月

エヌピーエス㈱の株式を追加取得し完全子会社とする。

2017年5月

㈱日立ハイテクノロジーズ(現 ㈱日立ハイテク) との資本業務提携を締結。

2020年4月

全自動PCR検査システム供給に対して駐日フランス大使から礼状を受け取る。

2020年7月

「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」採択

2020年8月

「COVID-19(SARS-CoV-2)」検査用全自動PCR検査装置とPCR試薬を日本国内販売開始

2021年1月

全自動PCR検査システム「(エリートインジーニアス)2020年日経優秀製品・サービス賞:日経産業新聞賞」,「(ジーンリードエイト)2020年日刊工業新聞・第63回十大新製品賞:本賞」を受賞

2021年10月

PSS新宿ラボラトリ―(東京都新宿区)を衛生検査所登録

2022年4月

東京証券取引所市場区分見直しに伴いグロース市場へ移行

2022年7月

PSS大館試薬センター第二工場稼働

2022年12月

㈱フェローテックホールディングスと合弁会社として㈱PF・BioLineを設立

事業内容

プレシジョン・システム・サイエンスとそのグループ企業は、バイオ関連業界におけるラボ自動化装置や臨床検査用装置、試薬、消耗品の開発及び製造販売を主軸に事業を展開しています。同社の製品ラインナップには、DNA/RNA自動抽出装置や免疫化学発光測定装置、全自動PCR検査装置などが含まれ、これらは研究室向け及び臨床向けに分類されます。また、試薬や専用プラスチック消耗品も提供しており、主要なOEM先はこれらの製品を同社から購入しています。

同社グループは、装置のメンテナンスやスペアパーツ販売、さらには受託製造や受託検査サービスも手がけており、子会社のエヌピーエス株式会社やPSS新宿ラボラトリーがこれらの業務を担当しています。プレシジョン・システム・サイエンスUSA, Inc.やPrecision System Science Europe GmbHは、それぞれ米国と欧州での販売を強化し、新たな業務提携先の開拓や技術情報交流を行っています。ユニバーサル・バイオ・リサーチ株式会社は、グループの知的財産管理や研究開発を、株式会社PF・BioLineは生体物質測定の研究開発及び製品販売をそれぞれ担っています。

これらの事業活動を通じて、プレシジョン・システム・サイエンスグループは、大学、研究機関、臨床検査センター、製薬会社、化学メーカーなど幅広いユーザー層に対して、高度なバイオ関連製品とサービスを提供しています。

経営方針

プレシジョン・システム・サイエンス(以下、同社)は、バイオテクノロジーの進展を背景に、社会貢献を企業理念として掲げています。同社は、遺伝子、タンパク質、免疫などの生体情報の有効活用を推進し、高精度かつユーザーフレンドリーなオープンシステムの提供を通じて、多様なバイオ分野での社会貢献を目指しています。中期事業計画では、2025年6月期から2027年6月期までの数値目標として、連結売上高10,000百万円、連結営業利益1,000百万円の達成を掲げています。

同社は、新たな市場分野への展開や新製品の市場投入、事業運営改革などを短期的課題として取り組んでいます。特に、子宮頸がん検診の重要性に着目し、HPV検査サービス事業への参入を検討しています。また、Magtration®技術やPCR技術を活用した製品群を通じて、臨床検査現場のニーズに応えることで、新市場への参入を果たす計画です。

中長期的な課題としては、同社が保持する約100件の特許技術を活かした要素技術開発に注力しています。免疫細胞群から目的細胞を回収する技術や、タンパク質の表面にある糖鎖を回収する技術の確立を目指し、がんやアルツハイマー病などの早期発見に貢献することを目標としています。

戦略的事業推進テーマとしては、OEM向け新製品上市、全自動PCR診断装置専用PCR試薬の調達契約締結、自社ブランド製品の国内外販売網の拡大、PSS新宿ラボラトリー開設、PSS大館試薬センター第二工場設立などを掲げています。これらの施策を通じて、バイオ検査業界における総合的なインフラ提供企業への発展と、事業成長による社会貢献を目指しています。