進和JP:7607

時価総額
¥421.4億
PER
13.2倍
金属接合・産業機械・FAシステムの商社・製造業の有力企業。肉盛溶接・溶射加工、ろう付加工、FAシステム製品の生産・販売を展開。子会社15社体制、当連結会計年度よりインド子会社を連結化。日本、米州、アジア・パシフィック、中国での販売・サービス展開。

事業内容

進和は金属接合を軸に、産業機械や工場自動化(FA)システムの販売と、肉盛溶接・溶射・ろう付などの加工やメンテナンス工事を行っている会社です。同社は販売と加工を組み合わせ、国内外の拠点を通じて装置や材料、サービスを一体で提供しています。

主要顧客は自動車部品メーカーや重化学・機械メーカーなどで、設備や材料の販売が収益の中心です。さらに加工受託や設備の保守、グループ会社による物流・樹脂製品の販売などが収入源となり、北米・中国・東南アジア・インドといった地域で売上を分散しています。

事業は商社部門、製造部門、グループ会社の三本柱で構成されています。商社部門は金属接合機器・材料や産業機械、FA関連機器の販売を行い、製造部門は肉盛溶接・溶射・ろう付加工や機械のオーバーホール、FA機器の組立を担当しています。グループ会社は物流管理や不動産管理、損害保険代理、樹脂製品の製造販売などを担い、顧客への供給体制を支えています。

経営方針

同社は2023年9月からの第4次中期経営計画(〜2026年8月)で「Change! Shinwa moving forward 2026」を掲げ、持続的な成長と企業価値向上を目指しています。当初の目標は2026年8月期で売上900億円、営業利益58億円、親会社株主に帰属する当期純利益42億円、海外売上400億円、ROE10%以上でしたが、世界的な投資環境の変化を受けて目標を修正し、修正後は売上870億円、営業利益43億円、当期純利益31億円、海外売上290億円、ROE7%以上を短期的な目標としています。株主還元については1株当たり年間配当100円を下限とし、連結配当性向50%以上を目途に継続的な配当を行う方針です。

重点投資分野として同社は成長市場での事業拡大とメーカー機能の強化を掲げています。具体的には国内ではエンジニアリング機能を強化して電動化や自動運転対応、グリーンビジネスを拡大し、製造部門では成長市場に合わせたものづくり技術の開発や生産・開発体制の拡充に投資する計画です。差別化戦略としては販売・加工・保守を一体で提供する「装置・材料・サービスの一体化」を強みに、顧客の現場に即したソリューションで他社との差別化を図っています。

新市場の開拓では海外軸足の強化を明確にしており、地域統括会社を中核としたグループ管理体制を整備して北米・中国・東南アジア・インドといった重点地域・顧客の開拓を進めます。これにより海外売上高の底上げを図るとともに、サプライチェーンの現地化ニーズに対応する現地調達や新工場向けの設備提案を展開します。また、樹脂製品や物流、保守サービスなどグループの複数機能を組み合わせて収益機会を広げることも計画しています。

技術革新への取り組みでは、同社は超精密塗布装置など自社開発品を成長ドライバーと位置づけています。半導体後工程向けの需要拡大やデータセンター向け需要を取り込むための装置開発を進める一方で、生産現場の自動化や効率化に向けてAI(人工知能)やIoT(機器の接続)などを活用したスマートファクトリー化にも注力しています。加えて、製造基盤と開発体制の整備、人材投資やカーボンニュートラル関連の設備投資を優先的に行うことで、技術力と持続可能性の両面から競争力を高める方針です。