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アイリックコーポレーションJP:7325
事業内容
アイリックコーポレーションは、個人や法人向けの保険販売を中核に、保険代理店や金融機関向けの業務支援ソリューションとシステム開発を手がける会社です。同社は来店型の『保険クリニック®』や保険分析・検索の『保険IQシステム®』、保険証券の自動分析など、対面とデジタルを組み合わせたサービスを主力としています。
同社の主要顧客は個人の保険加入者、法人やその経営者、保険代理店、銀行などの金融機関、そしてフランチャイズ運営者です。収益は保険販売では保険会社との代理店契約に基づく契約成立時の手数料が中心で、ソリューションやシステム事業では登録料・月額利用料、開発費、サブスクリプションやロイヤリティ等で安定的に得ています。
事業は保険販売、ソリューション、システムの三つのセグメントに分かれています。保険販売事業は直営店と訪問型の法人営業、ライフアシスト運営の店舗で構成され、ソリューション事業は『ASシステム』や『AS-BOX』の提供、フランチャイズ支援や教育研修を行っています。システム事業は子会社を通じてシステム開発や『スマートOCR®』『DenHo®』『brox』、生成AIを使った『AS FINDER』などの製品・サービスを開発・販売しています。
経営方針
同社は売上高と利益の両面での成長と資本効率の向上を中期的な柱に据え、2026年6月期を初年度とする3か年計画を進めています。次期業績見通しでは売上高11,288百万円(前期比約19.8%増)、営業利益844百万円(同約13.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益507百万円(同約16.4%増)を見込んでおり、売上高と営業利益を主要な経営指標として事業拡大を図る方針です。内部利益率や資本コストの活用については取締役会で慎重に議論しており、成長投資と収益性の両立を目指しています。
同社は来店型の保険ショップ「保険クリニック®」の拡大と、保険業務に特化したソリューションやシステムへの重点投資を行っています。差別化の源泉は、保険販売から証券分析、申込手続きまでを一貫して支えるワンストップ型の「保険IQシステム®」や、保険証券の非定型帳票を高精度に読み取る「スマートOCR®」などの技術と、25年にわたる保険データの蓄積、現場の声を反映した操作性、保険会社16社とのAPI連携という実務面での強みです。これらを組み合わせて、他社と異なる顧客体験と業務効率を提供しています。
同社は新市場開拓として金融機関や地方銀行、保険代理店向けの導入拡大と、他業種からのフランチャイズ参入支援を強化しています。改正保険業法で求められる情報提供・意向把握への対応ニーズの高まりを追い風に、ASシリーズを保険業界向けの縦型ソフトウェア(バーティカルSaaS)として確立し、登録料や月額利用料による継続収益の拡大を目指しています。具体的施策としては、短期研修によるフランチャイズ育成、オンラインでの現場支援サービス、金融機関向けのカスタマイズ導入を推進しています。
同社は技術革新を成長の鍵と位置づけ、AIや自動化技術の投入を進めています。証券分析を支援するAIアシスト機能や生成AIを用いた検索ツール「AS FINDER」などを開発し、非定型帳票のデータ化とRPAとの連携で事務効率化を図っています。これにより、ライフプラン作成から商品比較、申込までのデジタル化を進め、顧客満足度の向上と販売現場の生産性改善による収益基盤の強化を目指しています。