カーブスホールディングスJP:7085

時価総額
¥724.6億
PER
15.1倍
女性専用30分健康フィットネス事業の国内最大手。2025年8月末時点で1,996店舗、86.3万名の会員を擁するフランチャイズチェーンと直営75店舗を展開。2024年4月に子会社化。日本・欧州中心に展開。

事業内容

カーブスホールディングスは、女性専用の30分健康フィットネス「カーブス」を展開する純粋持株会社です。同社はブランド管理やフランチャイズ本部機能を中心に、加盟店向けの経営指導やシステム導入、機材・商品や印刷物の提供を行っています。国内外のフランチャイズチェーンを統括し、事業成長と運営支援に注力しています。

主要な顧客はフランチャイズ加盟店とその会員であり、収益は加盟店からのロイヤリティや加盟支援料、機材・商品の販売、さらに直営店の売上で構成されています。同社のブランドは会員数や店舗数が収益の基盤となっており、2025年8月末時点で国内約1,996店舗、会員約86.3万人という規模を持っています。

事業は単一の「カーブス事業」に集中しており、国内では株式会社カーブスジャパンがフランチャイズ本部として研修や出店支援、会員向け物販を担当し、株式会社ハイ・スタンダードが一部地域で直営店舗を運営しています。海外ではCurves Internationalがグローバルフランチャイザーとしてロイヤルティ管理や機器販売を行い、Curves Europeほかの現地子会社が欧州でのフランチャイズ支援と直営展開を担当しています。

経営方針

同社は中長期的に「地域密着の健康インフラ」として成長することを目指しています。具体的には「カーブスグループ中期ビジョン2030・2035」に基づき、2030年までに店舗数を約2,600店舗、会員数を約120万人、チェーン売上を約1,300億円に引き上げることを目標としています。さらに2035年時点では店舗数3,150〜3,500店舗、会員140〜150万人、チェーン売上1,800〜2,000億円というコミットメント/ターゲットを掲げており、営業利益・EBITDA・フリー・キャッシュ・フローの年平均成長率10%以上、ROICは12%以上を維持し15%を目指すという財務目標を明確にしています。短期では2026年8月期の業績見通しで売上高413億円、営業利益73億円を想定しており、着実な収益拡大を目指しています。

同社は人的資本と現場の生産性向上を重点投資分野と位置づけています。加速する新事業展開に備えた人員増や既存社員のベースアップを行い、フランチャイズ加盟店に対しては経営指導や研修、システム導入を通じて運営力を底上げする施策を進めています。また会員向け物販(主にプロテインやヘルシー商品)の定期購入拡大や商品開発による粗利改善を狙い、年3回のキャンペーンや顧客満足度向上で退会率低減を図るなど、地域密着型のサービスと同社独自のマーケティングで差別化を図っています。直近の規模感では2025年8月時点で国内約1,996店舗、会員約86.3万人が事業基盤になっています。

同社は新市場開拓と事業の横展開にも積極的です。国内では男性向けの「メンズ・カーブス」やリハビリ寄りの新ブランド「からだ動き回復センター ピント・アップ」を育成し、2026年8月期はメンズを期末45店舗(期中20店純増)、ピント・アップを期末72店舗(期中35店純増)まで拡大する見込みです。海外では欧州(英国、アイルランド、スペイン等)を重点地域として既存店の好調を背景に出店を増やす計画で、成長に向けた準備期間として通期で赤字が出る見通しを織り込んでいます。これら複数の業態を合わせ、2030〜2035年の店舗・会員・売上目標達成を目指しています。

技術革新の取り組みでは、店舗業務の生産性向上を目的としたシステム投資を継続的に行っています。フランチャイズ本部と加盟店をつなぐ業務支援システムや会員管理のデジタル化で業務負担を軽減し、データに基づくマーケティングで新規入会や物販の定着率を高める方針です。加えて原材料価格上昇への対応として新商品の研究開発を進めており、プロテインの主原料に依存しない代替品や付加価値商品を2027〜2028年に投入する計画を掲げています。これら技術・商品面の投資と人的投資を組み合わせることで、収益性(ROICやEBITDA)を高めることを目指しています。