BirdmanJP:7063

時価総額
¥29.2億
PER
ブランド構築やエンタメ領域のマーケティング・トランスフォーメーション事業の有力企業。メタバース型プラットフォームやアーティストマネジメント、イベント制作・デジタルコンテンツを展開。連結子会社1社、持分法適用関連会社1社を有する。日本・中国を中心にアジアで展開。

事業内容

株式会社Birdmanは、企業や商品・サービスのブランド価値を高めるマーケティング事業と、クリエイティブやデジタル技術を用いたエンターテインメント事業を中核に展開しています。同社はデジタルを軸にした戦略立案や広告・広報、店頭プロモーションなどのMX事業と、アーティストマネジメントやライブ・コンテンツ制作を行うEX事業を主力サービスとしています。

顧客は消費財や小売、メーカー、海外展開を目指す企業などの法人が中心で、ブランド認知の向上や販促支援を求める企業と相性が良いです。同社の収益はコンサルティングやキャンペーンの企画実施料、イベント運営やグッズ販売、デジタルコンテンツの販売といった複数のサービスによる手数料や販売収入で成り立っています。

事業は大きくMX事業とEX事業に分かれており、MX事業では戦略立案、広告・PR、店頭施策、クリエイティブ制作、メタバース型のプラットフォームや越境ブランディングなどを手がけています。EX事業ではアーティストのマネジメント・プロデュース、コンサートやイベントの企画制作、ファンクラブ運営、デジタルコンテンツ制作・配信やマーチャンダイジングを行い、同社で多くのサービスを内製化してワンストップで提供しています。

経営方針

同社は「日本を代表するプロデュースカンパニー」を目指しており、MX事業(企業向けのマーケティング支援)とEX事業(エンタメ関連事業)の二本柱で成長を図っています。成長の到達目標としては明確な売上目標値は示されていないものの、経営の重点指標として「(売上高-外注費)/売上高」で算定される利益率の改善を掲げており、売上拡大と案件単位の利益率向上によって企業価値を高める戦略を取っています。業界環境としては、2024年の日本の総広告費が約7.6兆円、インターネット広告が約3.6兆円と拡大基調にあり、ライブ市場は6,121億円、動員は約5,938万人と過去最大水準にある点を成長機会と捉えています。一方で過去に債務超過に陥ったことから、上場維持に向けて第三者割当や新株予約権の発行(2025年1月6日付の第8回新株予約権など)による資金調達を進め、財務基盤の立て直しにも取り組んでいます。

重点投資分野はデジタル施策とクリエイティブ力の強化で、既存の広告・PRや店頭プロモーションに加え、DX(業務や顧客体験のデジタル化)やWeb3(ブロックチェーンを活用した新しい顧客接点)などの領域へ投資を拡大します。差別化の核は、同社が持つクリエイティブ制作力とデジタル技術を組み合わせてワンストップで案件を完遂できる点にあり、アーティストやイベントとのタイアップを活かした独自の提案でクライアントのブランド価値向上を狙います。具体策としては、施策の内製化による外注費削減、クリエイターの稼働管理強化による人件費最適化、ツアーやイベントの収益性改善を通じて指標の向上を図る方針です。

新市場開拓と事業拡大では、EX事業を軸にファン基盤の拡大と収益の多角化を進めます。具体的には、国内外の新規アーティスト獲得、ファンクラブやデジタルコンテンツの継続収入の強化、グッズ販売やライブ収入の改善を通じて安定的な収入源を増やす計画です。また、他のエンタメ企業とのアライアンスによる新規事業創出や、企業向けにはエンタメ要素を組み込んだマーケティング提案で新たな顧客を開拓していきます。プロジェクト単位で業績の変動が大きい構造を踏まえ、継続収入の比率を上げて年度間の業績変動を平準化することも明確な狙いです。

技術革新への取り組みでは、デジタルコンテンツの企画・制作・配信やメタバース型のプラットフォーム構築など、コンテンツ流通の高度化に注力しています。5Gや動画メディアの普及を背景に、より多い情報量を迅速に届ける仕組みを整え、データに基づく広告効果の可視化や顧客行動の分析を通じてキャンペーンの費用対効果を高めます。加えて、Web3やブロックチェーンの活用は限定的ながら新たなファン接点や収益化手段として検証を進め、技術とクリエイティブを融合させた新しいエンタメ体験の実装を目指しています。