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アクモスJP:6888
事業内容
アクモスは情報技術を中核とする事業持株会社で、連結子会社とともにシステム開発やインフラ構築、運用・保守、クラウド関連サービスなどを手がけています。同社は消防・防災向けソリューションや病院向けの情報システム維持管理を主力とし、業務の効率化を支援しています。
主要顧客は地方自治体や医療機関、それに企業の情報システム部門が中心で、公的な防災案件や病院の運用委託が収益の柱になっています。同社の収益構造は、受託開発などのプロジェクト収入と、保守・クラウド運用や業務代行による継続的な委託収入が両輪になっています。
事業は三つのセグメントで構成し、受託開発や地図情報を用いた防災ソリューションを扱う情報技術事業、ネットワークや基盤の構築とクラウド関連を担うインフラ事業、機器の第三者保守や病院向け運用支援、調査・業務代行を行うサービス事業に分かれています。同社はこれらを組み合わせて導入から運用まで一貫対応することで、安定した収益基盤を築いています。
経営方針
同社は中期経営計画を2028年6月期まで延長し、グループ売上高100億円(=10,000百万円)を最終年度目標に掲げています。今後3年間の平均成長率を約15%と想定し、ROE15%以上や時価総額100億円を目指すと明言しています。直近の実績は2025年6月期で売上6,421百万円、これを2026年に7,000百万円、2027年に8,000百万円、2028年に10,000百万円へ引き上げる計画であり、営業利益は583百万円から最終的に1,000百万円を目標としています。
重点投資分野として同社は「消防・防災事業の全国展開」と「ネットワーク事業の首都圏・他地域での拡大」を掲げています。高付加価値化を図るため、自治体向けのパッケージサービス開発や、消防・防災領域での新製品・サービス開発にグループ内外で連携して投資を進めます。人財面では中期で経験者採用を含め200名以上の増員を計画しており、初年度は新卒51名・経験者11名の計62名を採用しましたが、人件費は前期比10.8%増となったため収益寄与のタイミングを見直すなど採用と育成の両輪で差別化を図っています。
事業拡大の具体策としては、首都圏のBtoB系IT企業を中心にM&A(企業買収)で今後3年間に2社の子会社化を目標に案件発掘を進めます。営業面では消防防災の全国販路を担う専門営業の増員やネットワーク事業の営業体制強化を通じて受注基盤を広げ、主要顧客との関係深化やアライアンス、ウェブマーケティングを活用して新規顧客獲得を図ります。受託開発と継続的な保守・運用収入の両輪により安定したトップライン成長を目指す方針です。
技術革新の取り組みでは、AI(人工知能)対応能力のある人材育成とともに、クラウド製品の拡充やリファービッシュ機器を活用したコスト効率の高いサービス提供を進めます。とくに消防・防災や自治体向けのソリューションで地図情報や運用支援を高度化する研究開発に投資し、導入から運用まで一貫したサービスで顧客のデジタル化を支援することで高付加価値化を実現し、得られた利益を成長投資や株主・社員還元につなげる循環を目指しています。