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メディアリンクスJP:6659
事業内容
メディアリンクスは、主に放送用ネットワークのインフラを形成するための機器やシステムを開発・販売するファブレスメーカーです。具体的には、テレビ放送で使用される高品位映像素材をIPで結ぶネットワークを実現するための機器やシステムを提供しています。これにより、放送事業者の拠点間や部署間での映像伝送を可能にしています。
同社は、機器単独の販売だけでなく、ソフトウェア、設置工事、保守サービスを組み合わせたシステム構築事業も展開しています。主な顧客は通信事業者やテレビ放送局であり、通信事業者はメディアリンクスの機器やシステムを用いて映像伝送サービスを提供しています。製品開発では、最終顧客が受けるサービスを考慮して仕様を決定しています。
メディアリンクスの製品は、放送用映像伝送に特化した機能を持ち、絶対の信頼性と安定性が求められる放送インフラ機器として高い評価を受けています。IP通信技術を基に、放送事業で必要とされる厳しい要件をクリアする性能を実現しており、世界的なスポーツイベントや主要な放送用基幹インフラに採用されています。
製品開発は、設計開発部門とマーケティング部門の連携で行われ、市場ニーズや外部環境の変化を考慮しながらロードマップを描いています。放送と通信の技術を融合させた製品の実現や高機能化を目指し、新規技術の獲得にも注力しています。新製品の開発期間は一般的に2~3年かかります。
メディアリンクスはファブレス形態を採用し、製造設備を自社で持たず外部に委託しています。製造委託先は複数の企業と提携し、一貫生産と検査体制を整えています。これにより、1台から数千台までの幅広い生産に対応可能です。
品質管理体制はISO9001に基づき、設計品質を維持しています。製品の品質は自社基準を定め、どの工場で生産されたものでも一定の品質を保持できるよう管理しています。製造委託先はISO14001を取得している工場を選定基準としています。
販売および保守サポート体制は、メディアリンクスとその子会社であるMEDIA LINKS, INC.(米国)およびML AU PTY LTD(オーストラリア)が担当しています。各地域の販売部門は市場ニーズを迅速にキャッチし、設計開発部門にフィードバックを行い、新製品開発のレスポンスを高速化しています。
経営方針
メディアリンクスは、技術革新のリーダーとして、IP技術を活用した高信頼性のメディアサービスを提供し、世界中の顧客の生活基盤を支えることを基本方針としています。IPによる映像伝送を基本市場とし、グローバルなマーケティングや営業、開発、生産、管理の機能を一本化し、迅速な意思決定を通じて社会に貢献することを目指しています。
同社は、IP化が進む放送用ネットワーク市場において、国内外の主要通信事業者や放送局向けにIP化を推進してきました。今後は、導入から10年以上経過した設備の更新需要に対応する新製品を提供し、日本や米国での新規顧客開拓、ヨーロッパや中南米での市場拡大を図ります。これにより、ビジネスの成長を目指しています。
メディアリンクスは、特定顧客への依存度を低減し、営業力の強化や販売代理店との協業を通じて新規顧客を獲得することを課題としています。また、既存顧客への拡販や新規顧客の獲得を進め、特に北米での営業力を強化し、販売地域を拡大することを目指しています。
同社は、ソフトウェア開発力の強化を図り、ハードウェアからソフトウェアへの機能移行を進めています。これにより、顧客の初期投資負担を軽減し、統合ソリューションを提供します。また、グローバルな販売チャネル網の構築を進め、各国の販売代理店との協力を強化しています。
競争力のある新製品開発への投資を継続し、技術力を維持するために研究開発を推進しています。さらに、保守・サポート体制を充実させ、システムインテグレーションや技術支援を通じて収益機会を拡大しています。これにより、顧客との接点を広げ、安定的な収益源を確保します。
組織・人事面では、責任と権限の明確化や適切な権限委譲を推進し、業務のスピード化を図ります。特に、グローバル展開に際しては、英語の習得を促進し、情報共有と連携の基盤を整えています。これにより、効率的な組織運営を実現します。
生産体制の強化では、ファブレス型の柔軟性を活かし、多様なニーズに対応できる体制を整備しています。地政学リスクや為替変動に対応するため、グローバル規模での生産体制を強化し、部品調達力やコスト競争力を向上させています。
品質管理体制の強化も重要な課題です。放送インフラ機器としての高い品質を維持するため、設計から出荷後までのトータルな品質管理を徹底しています。これにより、顧客に信頼される製品を提供し続けます。