ベストワンドットコムJP:6577

時価総額
¥29.9億
PER
クルーズ中心のオンライン旅行業の有力企業。国内外98社と契約し約58,000コース、API連携9,063コースを2025年10月7日時点で展開。24時間対応のオンライン予約と専門スタッフによるサポート、京都駅前の9室宿泊施設を展開。日本を中心に海外展開。

事業内容

ベストワンドットコムはオンラインを中心に海外・国内のクルーズ乗船券やパッケージ旅行、フェリーやバスツアー、ホテルを含む国内旅行商品を販売する旅行会社です。同社は自社ウェブサイトで約58,000コースを掲載し、24時間のオンライン予約とメール・電話によるサポートで顧客対応を行っています。

主要な顧客は個人旅行者で、ハネムーンを検討する若年層から富裕層・シニア層まで幅広くカバーしています。同社は自社企画の募集型企画旅行や手配旅行の販売を中心に収益を上げ、子会社による高級クルーズ販売や京都の宿泊事業も収入源になっています。店舗を持たずウェブ販売に特化することで固定費を抑え、内製化した開発・マーケティングで収益性の向上を図っています。

事業はウェブサイト運営と宿泊の二本柱で、代表的な運営サイトにベストワンクルーズ、ハネムーン向けのフネムーン、子会社が運営するファイブスタークルーズがあります。同社は複数の船会社とシステム連携を行い(契約先は約98社)、そのうち約9,000コースをリアルタイムで反映させる仕組みを整えています。また、自社企画ツアーやチャーター催行、専門スタッフによる提案で他社との差別化を図っています。

経営方針

同社は売上高の拡大と適正な営業利益の確保を重要な経営指標として、国内外のクルーズ需要取り込みを成長の柱に据えています。世界のクルーズ旅行者数は約3,460万人(2024年)と大きく、日本の市場はまだ22.4万人(2024年)にとどまるため市場の拡大余地が大きいと判断しています。具体的には自社サイトに約58,000コースを掲載し、24時間のオンライン予約とメール・電話サポートで販売体制を整備することで、顧客接点を増やし売上向上を図ることを目指しています。

重点投資分野は商品ラインナップの拡充と顧客層別のサービス強化で、同社は複数の船会社との連携(約98社契約、うち約9,000コースをリアルタイム反映)を競争優位と位置付け、添乗員同行の自社企画やチャーター、総代理店として他社にない独自商品の提供で差別化を図っています。若年層や中堅層の獲得にも注力しており、実際に50歳代以下の顧客比率は56.4%(2025年7月期)と業界平均を上回っているため、ウェブを軸にした訴求を強化するとともに、シニア層には電話オペレーターでのきめ細かいフォローを充実させ、リピーター向け割引や特典で顧客の囲い込みを進めています。

新市場開拓や事業拡大では、国内旅行領域への横展開とインバウンド取り込みを鮮明にしています。バスツアー(2021年4月)、宿泊(2021年10月)、国内オリジナルツアー(2022年1月)、国内ダイナミックパッケージ(2022年7月)、格安航空券(2023年5月)といった新サイトを立ち上げ、ドメイン力強化のための広告投資やブランド化を進めるとともに、M&Aによる領域拡大も模索しています。海外からの来訪客向けには2018年に多言語サイトを立ち上げていますが、重点言語の選定と海外向けのマーケティング投資、語学や海外マーケティングに長けた人材採用で訪日クルーズ需要を取り込み、同社は国内外での事業拡大を目指しています。

技術革新への取り組みでは、オンライン予約システムの強化と業務効率化を優先投資領域としています。サーバー増強や見やすく使いやすいウェブ・アプリ設計に加え、船会社とのAPI連携によるリアルタイム在庫反映や、AIを活用した問い合わせ対応や業務自動化の導入でオペレーション負荷を低減します。エンジニア育成や現場での研修機会を増やし内製開発力を高めることで、同社は安定したオンライン販売基盤と顧客体験の向上を目指しています。