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サムコJP:6387
沿革
1979年9月 |
半導体製造装置の製造及び販売を目的として株式会社サムコインターナショナル研究所を設立 |
1980年7月 |
国産初のプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置の開発、販売を開始 |
1984年7月 |
東京都品川区に東京出張所(現東日本営業部)を開設 |
1985年6月 |
京都市伏見区竹田田中宮町33番地(現藁屋町36番地)に本社を移転 |
1987年2月 |
米国カリフォルニア州にオプトフィルムス研究所を開設 |
1991年3月 |
京都市伏見区に研究開発センターを開設 |
1993年2月 |
茨城県土浦市につくば出張所(現つくば営業所)を開設 |
1993年9月 |
愛知県愛知郡長久手町に東海営業所(現東海支店、2020年1月に名古屋市へ移転)を開設 |
1995年7月 |
薄膜技術を使った特定フロン無公害化技術の基本技術を開発 |
1997年11月 |
キリンビール株式会社と共同で、プラスチックボトルにDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)膜を形成する技術を開発 |
1999年7月 |
サムコエンジニアリング株式会社より、サービス部門の営業を譲受け |
2001年5月 |
日本証券業協会に株式を店頭上場 公募増資により資本金を1,213,787千円に増資 |
2001年7月 |
台湾新竹市に台湾事務所を開設(2009年1月に閉鎖) |
2002年7月 |
生産技術研究棟(京都市伏見区)の改修工事完了 |
2003年12月 |
(独)ロバート・ボッシュ社よりシリコンの高速ディープエッチング技術を導入 |
2004年11月 |
中国上海市に上海事務所を開設 |
2004年12月 |
株式会社サムコインターナショナル研究所からサムコ 株式会社へ社名を変更 |
2004年12月 |
株式売買単位を1,000株から100株に変更 |
2004年12月 |
日本証券業協会への店頭登録を取消し、ジャスダック証券取引所に株式を上場 |
2005年9月 |
英国ケンブリッジ大学との共同開発「強誘電体ナノチューブの量産技術」を英企業に技術供与 |
2006年3月 |
製品サービスセンターを新設 |
2006年9月 |
中国清華大学とナノ加工技術の共同研究で調印 |
2008年3月 |
京都市伏見区に第二研究開発棟を開設 |
2008年10月 |
台湾に保守サービスのための現地法人「莎姆克股份有限公司」を設立 |
2009年1月 |
「莎姆克股份有限公司」が営業を開始 |
2010年4月 |
ジャスダック証券取引所と大阪証券取引所の合併に伴い、大阪証券取引所JASDAQ市場(2013年7月より東京証券取引所JASDAQ(スタンダード))に上場 |
2010年8月 |
米国ノースカロライナ州に米国東部事務所を開設(2014年5月にニューヨーク州へ移転、2017年1月にニュージャージー州へ移転) |
2010年9月 |
中国北京市に北京事務所を開設 |
2013年7月 |
東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)から市場第二部へ市場変更 |
2013年10月 |
SiCパワーデバイス向け本格量産用ドライエッチング装置RIE-600ⅰPCの開発、販売を開始 |
2013年11月 |
MEMS向け本格量産用ドライエッチング装置RIE-800ⅰPBCの開発、販売を開始 |
2014年1月 |
東京証券取引所市場第二部から同第一部銘柄に指定 |
2014年5月 |
リヒテンシュタイン公国UCP Processing Ltd.を子会社化(samco-ucp AGに社名変更) |
2015年9月 |
公募増資により資本金を1,663,687千円に増資 |
2015年12月 |
スウェーデンEpiluvac ABとSiCエピタキシャル成膜装置の販売代理店契約を締結 電子デバイス向け原子層堆積装置AL-1の開発、販売を開始 |
2016年6月 |
第二生産技術棟(京都市伏見区)が完成 |
2016年8月 |
マレーシアにマレーシア事務所を開設 |
2016年9月 |
Aqua Plasmaを用いたプラズマ洗浄装置AQ-2000の開発、販売を開始 |
2018年12月 |
ドライエッチング装置RIE-200iPNの開発、販売を開始 |
2020年7月 |
第二生産技術棟内にCVD装置のデモルームを開設 |
2021年1月 |
新型コロナウイルス不活化技術を完成 |
2021年12月 |
電子デバイス製造向けクラスターツールシステム「クラスターHTM」の販売を開始 |
2022年3月 |
第二研究開発棟内にナノ薄膜開発センターを立ち上げ |
2022年4月 |
東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所市場第一部からプライム市場へ移行 |
事業内容
サムコは、半導体や電子部品の製造装置を手がけるメーカーです。同社の製品ラインナップには、薄膜を形成するCVD装置、薄膜を微細加工するエッチング装置、基板表面をクリーニングする洗浄装置などが含まれます。これらの装置は、半導体膜、絶縁膜、金属膜の形成や、微細加工、洗浄に広く利用されています。
サムコが開発したLS-CVD装置は、安全性に優れた液体原料を使用して低温で均一性の高い薄膜を高速で形成することが可能です。また、2015年に販売を開始した原子層堆積装置(ALD)は、高い膜厚制御性と良好な段差被覆性を実現します。エッチング装置では、サムコ独自のトルネードICP技術を用いて高速で高精度の微細加工が可能です。洗浄装置においては、2016年に販売を開始したAqua Plasma洗浄装置が、金属酸化膜の還元や有機汚れの洗浄など、安全かつ環境に優しい表面処理を提供します。
サムコの事業は、オプトエレクトロニクス、電子部品、シリコン、実装・表面処理、表示デバイスなどの分野に広がっています。これらの分野では、LEDやマイクロLED、パワーデバイス、高周波デバイス、各種センサー、MEMS、SAWデバイス、量子デバイス、三次元LSI、三次元パッケージ、ウェハー欠陥解析、ICパッケージングの洗浄や表面処理など、幅広い用途に対応しています。
製造に関しては、自社設計に基づき協力会社に製造を委託し、製品出荷前に独自のプログラムソフトを入力して仕様検査・出荷検査を行っています。販売は営業所を通じて行われ、海外では一部を現地販売代理店に委託しています。台湾を中心とする保守サービス業務は、現地法人に委託されています。
経営方針
サムコは、薄膜技術を駆使した半導体や電子部品の製造装置を提供する企業として、独創的な技術開発と市場ニーズへの迅速な対応を経営の柱としています。同社は、社員の創造性を重視し、直販体制を通じてユーザーニーズに応える製品を提供することで、高い付加価値の創出を目指しています。また、事業を通じて社会に貢献し、利害関係者と共に成長することを経営理念に掲げています。
中期経営計画では、装置製造原価率を50%未満に抑えつつ、売上高営業利益率20%以上を目標に掲げています。これを達成するため、研究開発機市場と生産機市場の両方に対応した製品の拡販に努めるとともに、海外売上高比率を50%以上に引き上げる方針です。
経営環境の変化に対応するため、サムコは薄膜技術のさらなる研鑽と、その技術を生産機市場で活かすことで事業規模の拡大を図っています。また、薄膜技術を医療、バイオ、環境などのライフサイエンス及びエネルギー分野に応用し、新規事業や新分野への展開を目指しています。
具体的な成長戦略として、クラスターツールシステムの拡販、海外販売の拡大、生産体制の拡充、成膜装置販売の強化、新規事業の立ち上げ、人材育成・活用、社内環境対策への取り組み強化など、7つの課題に取り組んでいます。これらの戦略を通じて、サムコは持続可能な成長と収益力の向上、企業価値の向上を目指しています。