酉島製作所JP:6363

時価総額
¥552.2億
PER
13.9倍
各種ポンプやポンププラント、環境装置、小水力発電設備の製造・販売、据付工事・サービス、電気供給業務を展開。

事業内容

酉島製作所は、ポンプ事業と環境・新エネルギー事業の2つの主要な事業セグメントを持っています。ポンプ事業では、ポンプやポンププラント、メカニカルシール、その他ポンプ関連機器の製造・販売、据付工事・サービスを提供しています。国内では、酉島製作所、九州トリシマ、新東邦などがこの事業を担っています。

海外では、酉島ポンプ香港有限公司やPT.TORISHIMA GUNA INDONESIAなど、多くの海外拠点がポンプ事業を展開しています。これらの拠点は、地域ごとのニーズに応じた製品とサービスを提供し、グローバルな市場での競争力を高めています。

環境・新エネルギー事業では、環境装置の製造・販売や廃棄物の再利用品の企画・製造・販売を行っています。また、小水力発電設備の販売や据付工事、電気の供給事業も手がけています。国内では、酉島製作所がこの事業を主導し、関連会社として肥前風力エネルギー開発が関与しています。

経営方針

酉島製作所は、2050年のカーボンニュートラル社会の実現を目指し、「2050長期ビジョン及び2024中期経営計画 -Beyond110-」を掲げています。この計画は、HOP、STEP、JUMPの3段階に分かれており、現在はSTEP期間に移行しています。各ステージでの取り組みを通じて、持続可能な社会の発展に貢献し、企業価値の向上を図っています。

同社は、脱炭素社会の実現に向けたエネルギー課題に取り組んでいます。ポンプの高効率化を追求し、消費電力とCO2排出量の削減を目指しています。2024年度には「スーパーエコポンプ(SEP)」を開発し、省エネ大賞を受賞しました。また、液化アンモニアや液化水素を扱うポンプの開発も進め、CO2分離回収プロセスにおけるポンプ市場にも参入しています。

安全・安心な社会の構築にも注力しています。大型・高圧ポンプを通じて、水と電気のインフラを支え、海水淡水化プラント向けポンプで高い競争力を持っています。気候変動対策向けポンプも開発し、減災・防災に貢献しています。これらの技術は、国土交通省のプロジェクトにも採択され、高評価を得ています。

データ・AIを活用した新しいモノづくりとサービスの構築も進めています。少子高齢化による人手不足に対応するため、回転機械モニタリングシステム「TR-COM」を販売し、スマート保安技術として認定されました。防爆仕様の開発も進め、累計販売個数は2万個を突破しています。

酉島製作所は、2029年度に向けて「売上高1,000億円規模、営業利益率10%以上、ROE10%以上」を目標に掲げています。製品・サービスの高度化やグローバル市場での事業基盤強化を進め、持続可能な企業価値の向上を目指しています。外部環境の不確実性にも対応しつつ、2025年度の連結業績を見込んでいます。

2025年度の重要課題として、営業利益率の改善を目指し、「つくる力」の強化に注力しています。設計工程での対応力強化や生産能力増強を進め、フロントローディングの考え方を導入しています。また、サービス事業の強化も図り、中東地域を重点地域とし、サービス体制の拡充を進めています。これにより、利益率の高いアフターサービスの受注拡大を目指しています。