澁谷工業JP:6340

時価総額
¥923.3億
PER
9.8倍
パッケージングプラント・メカトロシステム・農業用設備の大手。ボトリング・製函・ラベリングや製薬設備、半導体製造装置、再生医療向けロボット自動細胞培養システムを展開。連結子会社18社でインドネシアに新会社を設立した事業体制。日本・アジア・米州・欧州で展開。

事業内容

澁谷工業は、飲料・食品・製薬などの生産ライン向け設備や、半導体や医療分野のメカトロ装置、農業向けの選果・選別機器などの設計・製造・販売を手掛けています。充填や蓋締め、ラベル貼りなどのボトリングシステムや、製函・包装・洗浄、医薬品製造や再生医療向けのクリーン設備も主力製品です。

同社は食品・飲料メーカーや製薬会社、半導体メーカー、医療機器メーカー、農業事業者などを主要顧客とし、機械本体の販売に加えて据付・調整や保守・部品供給といったサービスで収益を得ています。国内拠点に加え北米・中国・東南アジアの現地法人を通じて受注・納入を行い、海外売上も収益の重要な柱になっています。

同社の事業はパッケージングプラント事業、メカトロシステム事業、農業用設備事業の三本柱で構成されています。パッケージングでは充填・キャップ・ラベル関連や製薬設備、再生医療向けの細胞培養装置などを扱い、メカトロ領域では半導体製造装置や医療用レーザ、切断加工機や油圧プレスなどの製品群を揃えています。

経営方針

同社は2025年6月期から2027年6月期を対象とした中期経営計画の下、最終年度に売上高1,500億円、営業利益160億円、ROE10%以上の達成を目指しています。さらに長期目標として2030年6月期に売上高2,000億円を掲げており、数値目標を明確にした成長路線を描いています。これらの目標達成に向けて、既存事業の収益性向上と新規事業の育成を両輪で進めることを基本方針としています。

重点投資分野はパッケージング(無菌充填など)、メカトロ(医療装置・半導体装置)、農業用設備、再生医療システムなど多岐にわたります。特に飲料向けの無菌充填では国内シェアが高く(約80~90%と推定)、再生医療や半導体分野では特殊仕様機や高付加価値品で差別化を図っています。製品販売に加え据付・保守・部品供給といったサービスを強化し、顧客との長期的な関係で利益を生むビジネスモデルに投資しています。

新市場開拓では海外展開と新事業創出を重視しています。人工透析装置は海外比率が高く海外需要を取り込むため医療用工場の増設(若宮工場の増設)を実行しており、アジアや北米での販売拡大を狙っています。加えて新興国での飲料市場拡大や、農業向けにはAI画像処理を用いた選果システムの普及を通じて需要を取り込みます。必要に応じてM&Aも戦略的に活用し、グローバルに事業領域を広げる方針です。

技術革新については産学官連携や社内の開発力強化で新製品を創出することを重視しています。再生医療分野では大学やスタートアップと共同で量産に耐える装置づくりを進め、パッケージング分野では電子線ボトル滅菌方式など環境負荷を下げる技術で差別化を図っています。業務や製品開発のデジタル化(DX)やAI搭載の画像処理、搬送・ロボット技術を導入し、短納期・高品質の体制を整えることで顧客価値と持続可能性を同時に高めようとしています。