北川精機JP:6327

時価総額
¥72.9億
PER
16倍
産業機械の製造・販売の有力企業。プリント基板プレス装置や新素材プレス、ラミネータ、FA搬送機械、油圧機器を展開。報告セグメントは産業機械事業のみで連結子会社2社、非連結子会社1社で構成。中国に連結子会社を置き得意先に販売。

事業内容

北川精機は産業機械の製造・販売を主力とする企業です。主力製品はプリント基板向けのプレス装置や新素材向けプレス装置、ラミネータ装置、そして自動化や搬送向けの機械類で構成しています。

同社は国内の製造業を中心にこれらの機械を販売しており、売上の大半は産業機械事業に由来しています。中国市場へは連結子会社の上海現地法人を通じて販売し、別の連結子会社であるホクセイ工業株式会社は油圧機器を製造して得意先に直接販売しています。

同社の報告セグメントは「産業機械事業」のみで、その他の事業は重要性が低いと位置づけています。事業内ではプリント基板プレス、材料用プレス、ラミネータ、自動化・搬送機械が主要な製品ラインで、油圧機器はグループの補完的な製品群となっています。

経営方針

同社は中期経営計画「KITAGAWA 2030」を掲げ、2025年6月期から2030年6月期を計画期間としています。最終年度の目標として売上高100億円、営業利益15億円、営業利益率15%以上、自己資本利益率(ROE)12%以上を目指しています。計画は前半の2025〜2027年を準備期間(Phase1)、後半の2028〜2030年を実現期間(Phase2)と位置づけ、Phase1で基盤強化と成長投資を進めてPhase2で成果を刈り取る戦略をとっています。株主還元では配当性向25%以上を目標にしています。

重点投資分野としては、これまでの「熱・圧力・真空制御技術」を核にした産業機械の研究開発と生産体制の拡充を挙げています。主力製品はプリント基板向けや新素材向けのプレス装置、ラミネータ、自動化・搬送機械であり、これらに設計2拠点(広島・長崎)での技術開発力強化や製品の標準化、アフターサービス強化を組み合わせて差別化を図ります。製造面では自社生産能力の拡大とともに製品の種類・サイズに応じた外注先の確保・拡充、設計・製造工程のデジタル化・自動化を進め、品質と収益性の両立を目指しています。

新市場開拓では成長分野への早期参入と新製品の早期収益化を重視しています。具体的には、FRP(繊維強化プラスチック)やグリーントランスフォーメーション(GX)関連などの周辺分野へ既存技術を展開し、他社との協業を通じて販路と用途を広げる計画です。海外では連結子会社の上海法人を通じた中国市場展開を継続し、国内外の顧客・市場動向に即した販売戦略を再構築していきます。受注拡大に応じた生産能力投資をPhase1で進める点も明確にしています。

技術革新への取り組みとしては、コア技術と先端技術の融合による独創的で高性能な製品開発を掲げています。設計・製造のデジタル化による開発期間短縮や自動化による生産性向上を進めるほか、技能継承や従業員エンゲージメント向上、安全衛生管理の徹底といった人的投資も並行して実行します。これらにより製品・サービスの品質を高め、顧客満足度の向上と中長期的な収益拡大を図っていきます。