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技研製作所JP:6289
事業内容
技研製作所は、無振動・無騒音で環境負荷を抑える圧入工法に基づく機械と新工法の開発・提供を行っています。主力製品は油圧式の杭圧入・引抜機(サイレントパイラー)と周辺機械で、機械の販売・レンタルや保守サービスを通じて現場で使われています。
同社の主要顧客は建設会社や公共・民間のインフラ事業者で、機械の販売・レンタル・保守に加え自社グループでの施工受注が収益の柱になっています。欧州・アジア・米国の海外拠点でも販売・サービスを行い、国内外の案件で安定した収益源を確保しています。
同社は事業を主に建設機械事業と圧入工事事業に分けています。建設機械事業ではサイレントパイラーの開発・製造・販売・レンタル・保守を行い、圧入工事事業では圧入技術を活かした基礎工事や機械式駐車場・駐輪場(エコパーク、エコサイクル)の受注・施工を行っています。加えて、計測やコンサルティングを担う子会社が現場データを本体にフィードバックし、製品・工法の改良につなげる体制を整えています。
経営方針
同社は中期経営計画2027を通じて「開発型企業」としての成長を加速させ、連結売上高で最終年(2027年8月期)に300億円から330億円、海外売上高を75億円以上、連結営業利益を32億円以上、自己資本利益率(ROE)6.0%以上を目指しています。製品・工法の市場投入スピードを高めることを基本方針に、国内外での工法普及と事業拡大を並行して進め、安定した収益基盤の確立を図ることを同社は目指しています。
同社は重点投資分野として、圧入工法に関わる機械と周辺サービスへの投資を掲げています。主力製品であるサイレントパイラー(無振動・無騒音の杭圧入機)を中心に、販売・レンタル・保守に加え自社での施工受注を組み合わせた収益モデルを強化することが差別化の柱です。また、現地パートナーへの技術提供やユーザー向け総合支援サービス「GTOSS」によるトータルサポートを展開し、圧入技術は既に40か国以上で採用されている実績を活用して競合と差をつけることを同社は目指しています。
同社は新市場開拓に際してアジアを成長の重点地域と位置づけ、シンガポールを起点にジャイロプレス工法や硬質地盤向け工法の普及を加速するとともに、インドやタイへの成長投資を強化します。欧州ではオランダの運河護岸改修や「デルタプログラム」など大規模案件で実績を積み、北米ではGTOSSメンバーと協働して工法普及を図る計画です。加えて、機械式の駐車場・駐輪場事業や、移設・再利用が可能な杭を活用した「機能構造物」など領域横断の事業展開で受注機会を拡大することを同社は目指しています。
同社は技術革新にも積極的に取り組んでおり、現場の生産性向上を狙った「PPTシステム」(地盤情報を推定して圧入条件を自動最適化する仕組み)や、現場省力化のための「G‑Lab」シリーズ(2025年6月提供開始)などを導入しています。今後はデジタル化や人工知能(AI)を活用して圧入工事の全自動化・遠隔操作・自律施工を実現し、人手不足の解消と効率化を進めると同時に、社員の技能向上やデータに基づく経営管理の強化を通じて持続的な技術革新を推進することを同社は目指しています。