マルマエJP:6264

時価総額
¥252.7億
PER
14.4倍
精密部品・機能材料事業の有力企業。半導体・FPD向け真空部品や99.999%超高純度アルミ製スパッタターゲットを展開。高い対電圧性能や長期安定供給、消耗品需要を見込む製品開発と鍛造から表面処理までの一貫生産体制。日本トップクラスの低圧鋳造設備保有体制。

事業内容

マルマエは精密部品と機能材料を製造するメーカーで、主に半導体やフラットパネルディスプレイの製造装置に使う真空部品や高純度アルミ素材を手掛けています。同社はプラズマや真空環境で使われる部品の加工・表面処理や、素材の精製・供給までを行っています。これらの製品は高い耐久性と寸法精度が求められます。

主要な顧客は半導体装置メーカーやディスプレイ装置メーカー、電子機器メーカーや産業機械メーカーです。同社は装置向けの大型・高精度部品の受注売上と、プラズマで消耗する部品や高純度アルミの継続的な供給による消耗品売上で収益を構成しています。一度装置に採用すると長期的に取引が続き、収益の安定につながる点が強みです。

事業は「精密部品事業」と「機能材料事業」の二本柱です。精密部品事業では真空チャンバーや電極、検査装置や各種産業機器向けの大型金属部品を製造し、機能材料事業では超高純度アルミを用いたターゲット材料や電解コンデンサ用材、鋳造スラブやアルマイトなどの表面処理まで一貫生産しています。同社は低圧鋳造や鍛造・機械加工の設備を活かし、消耗品需要や小口販売も含めた幅広い製品ラインを展開しています。

経営方針

マルマエは「Fusion2028」と称する中期計画(2026年8月期〜2028年8月期)で、2025年4月に取得したKMアルミニウムとの統合を軸に、グループで市場成長を上回る成長を実現しようとしています。同社は投下資本利益率(ROIC)を重要指標と位置づけ、期間中にグループ全体でROIC15%を目標としています(直近実績は6.7%)。また、半導体設備投資の変動に左右されにくい収益基盤を作るため、消耗品の受注拡大と固定費抑制による安定成長を目指しています。

重点投資分野としては、半導体製造工程向けの高付加価値消耗品と機能材料の研究開発と生産能力強化に注力しています。同社はクライオエッチング用の低温対応素材や絶縁性の高いコーティングの開発を進める一方、エッチング装置やCVD装置で使われるESCや電極類といった高付加価値消耗品の生産技術を高め、受注を拡大することで他社との差別化を図っています。加工技術や表面処理、アルミの高純度化といった“ものづくり”の源流にこだわることが差別化の中核です。

新市場開拓と事業拡大は、グループ統合による技術シナジーの創出と顧客基盤の拡大で進められます。同社はKMアルミニウムとの協力で超高純度アルミや装置部材の品揃えを強化し、特定ユーザーへの依存を減らすために顧客の幅を広げる方針です。また、消耗品の小口販売や長期のアフターマーケット供給の拡大を通じて、設備投資サイクルに左右されない継続収入を確保する計画です。生産性向上や協力企業の育成も並行し、需要変動に耐える体制を整備しています。

技術革新への取り組みでは、研究開発投資の強化、設備点検と保全の充実、多能工化による人材育成を具体的施策として進めています。同社は現場の技術力を高めるために長期的な人材育成プランを実行し、デジタル化(DX)を通じた生産・管理の効率化で固定費抑制を図ります。これらの取り組みにより、同社は「部品加工のリーディングカンパニー」および「高付加価値アルミ加工会社」を目指しています。