ナガオカJP:6239

時価総額
¥95.3億
PER
8.5倍
水関連事業とエネルギー関連事業の有力企業。ケミレスやエアシス(VOC99%以上除去、運転エネルギー60%削減)、スクリーン・インターナルを展開。連結子会社3社と共同開発や親会社への一部製造委託の事業体制。国内・中国・ベトナムでの製造販売拠点。

事業内容

ナガオカは、水処理装置や取水用スクリーン、エネルギー分野向けのスクリーン内部機器などの設計・製造・施工・販売・保守を行う企業です。同社は無薬注の高速生物処理装置(ケミレス)や省エネルギー型の気散処理装置(エアシス)など、環境負荷を抑えた製品を主力としています。

同社の主要顧客は自治体や上下水道事業者、製油・石油化学プラントなどの産業事業者、建設会社などで、製品販売に加えてプラントの設計・施工および定期メンテナンスが収益の柱になっています。特にエネルギー関連のスクリーン・インターナルは認証や長期供給が重要で、安定した受注につながっています。

事業は水関連事業とエネルギー関連事業の二本柱で構成しており、水関連では取水用スクリーン、ケミレス、エアシス、海水取水向けのハイシスなどを展開しています。エネルギー関連では反応塔内の流れを整えるスクリーン・インターナルを製造し、高精度・高耐久を求めるプラント向けに供給しています。国内外の生産拠点と連携して製造から据付・保守まで一貫対応している点も同社の特長です。

経営方針

同社は中期経営計画「FLIGHT PLAN:TRANSFORM 2027」(2025年6月期〜2027年6月期)を軸に、事業構造の改革で持続的な成長を目指しています。最終年度である2027年6月期の数値目標として売上高16,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,600百万円を掲げており、2026年6月期は業績見直しにより売上高を10,000百万円、当期純利益を1,100百万円に設定しています。これらの達成に向けて、既存事業の強化と並行して次世代につながる戦略投資を行い、収益基盤の安定化と拡大を図ろうとしています。

重点投資分野は水関連事業とエネルギー関連事業の両輪であり、水関連では従来の地下水取水や水処理に留まらず、前工程・後工程やプラント運営・保守まで提案・受託範囲を広げることを重視しています。差別化要因としては、無薬注の高速生物処理装置「ケミレス」や省エネルギー型の「エアシス」、海水取水向けの「ハイシス」といった環境負荷の低い製品群と、精度・耐久性が求められるスクリーン・インターナルの長期供給力や認証を活かした安定受注があります。設計から製造・据付・保守まで一貫して対応するビジネスモデルにより、自治体やプラント事業者へのワンストップ提案を強化しています。

新市場開拓や事業拡大では、海外マーケットの再加速やM&Aを活用した事業規模の拡大を明確に打ち出しています。具体的には、上水道以外の下水道・排水処理分野への参入検討、海水取水や産業向け水処理領域への提案範囲拡大、そしてエネルギー分野では新設に依存しない既設プラントの設備更新需要の獲得を優先します。加えて、製造拠点の最適化やマーケットポートフォリオの見直しで地政学リスクやコスト課題に対応しつつ、M&Aで技術や営業チャネルを獲得して成長を加速させる方針です。

技術革新への取り組みとしては、次世代につながる三つの戦略投資(成長投資、事業投資、新規投資)を通じて製品・プロセスの研究開発を強化します。省エネ・環境配慮型プラント対応や、スクリーン・インターナルの高精度化・長寿命化、製造工程の効率化などを具体的な開発テーマとし、社内では人事制度の変革、若手登用や新卒・キャリア採用の推進、資格取得支援や技術継承施策を進めて技術人材を強化しています。こうした投資と人材施策により、製品力と供給力を高めて競争優位を築くことを同社は目指しています。