フェニックスバイオJP:6190

時価総額
¥19.5億
PER
ヒト肝細胞キメラマウス「PXBマウス」を用いた医薬品開発受託試験サービス、DMPK/Tox試験、肝炎試験、PXB-cellsの販売を展開。

沿革

2002-03毛髪再生療法の事業化を目的として株式会社エピフェニックスを資本金1,000万円で東京都文京区に設立
2003-03商号を株式会社フェニックスバイオに変更
2003-05本店を広島県東広島市に移転
2003-07本社を広島大学インキュベーションセンター(現 広島大学産学連携センターインキュベーションオフィス)に移転
2003-10キメラマウス実験室を広島テクノプラザ(東広島市)に開設しPXBマウス事業を開始
2006-12株式会社ワイエス研究所の株式を100%取得し完全子会社化
2007-03本社を広島県東広島市鏡山三丁目4番1号に移転
株式会社ワイエス研究所を吸収合併し、宇都宮事業所の開設及び遺伝子改変動物事業を開始
2007-08本店を広島県東広島市鏡山三丁目4番1号に移転
2009-05米国ニューヨーク州にニューヨーク支店を開設
2010-08ニューヨーク支店を閉鎖し、完全子会社PhoenixBio USA Corporation(現 連結子会社)を米国ニューヨーク州に設立
2014-03遺伝子改変動物事業を会社分割により株式会社特殊免疫研究所へ承継
2016-01完全子会社CMHL Consortium LLC(現 連結子会社)を米国デラウェア州に設立
2016-03東京証券取引所マザーズに株式を上場
2017-11KMT Hepatech,Inc.(現 連結子会社)の株式取得
2022-04東京証券取引所の市場区分の見直しにより、マザーズ市場からグロース市場に移行

事業内容

フェニックスバイオは、医薬品開発の受託試験サービスを主業務としている企業で、特に「PXBマウス」と呼ばれるヒト肝細胞キメラマウスを用いたサービスを提供しています。このマウスは、マウスの肝臓の70%以上がヒトの肝細胞に置き換えられており、医薬品の前臨床過程での様々な試験に利用されています。

同社は、医薬品の安全性や有効性を確認するために必要な、ヒトでの代謝を予測することができる「PXBマウス」を用いた受託試験サービスを製薬会社に提供しています。また、このマウスはB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスなど、ヒトの肝細胞にしか感染しないウイルスの研究にも利用されており、抗ウイルス薬の開発にも寄与しています。

フェニックスバイオが提供する主なサービスには、DMPK/Tox試験(薬物動態関連試験、安全性試験)、肝炎試験(薬効評価)、そしてPXB-cellsの販売(PXBマウスから得られる新鮮ヒト肝細胞)があります。これらのサービスは、新薬候補のヒト臨床での開発が中止されるリスクを減らし、効率的な創薬研究を支援することを目的としています。

フェニックスバイオは、年間4,000匹以上のPXBマウスを生産し、安定した供給を背景に、創薬研究者が必要とするタイミングで実験を実施できるようサポートしています。このようにして、同社は医薬品開発の前臨床段階で重要な役割を果たしており、製薬業界における新薬開発の加速に貢献しています。

経営方針

フェニックスバイオは、21世紀の医療に貢献することを目指し、ヒト細胞の機能を利用した医療技術及び医薬品開発技術の実用化に注力しています。同社は、ヒト肝細胞キメラマウス「PXBマウス」を中心とした受託試験サービスを提供し、医薬品開発の前臨床段階での安全性や有効性の評価に貢献しています。

経営戦略として、フェニックスバイオは海外展開に力を入れており、特に北米市場での事業拡大を目指しています。2010年には完全子会社PhoenixBio USA Corporationを設立し、2017年にはKMT Hepatech, Inc.の株式を取得して北米での事業基盤を強化しました。これにより、PXBマウスの現地生産・受託サービス提供を拡大し、北米製薬企業やCROとの連携を深めています。

また、フェニックスバイオは市場開拓にも注力しており、新薬開発トレンドに合わせたPXBマウスの利用拡大を目指しています。コンソーシアムの活用やCROとの連携強化を通じて、PXBマウスの有用性を広く認知させることで、事業の成長を図っています。

供給体制の確立も重要な戦略であり、北米での生産体制の強化を進めています。特に、米国での研究開発拠点の確立と供給能力の向上が課題とされています。さらに、動物福祉に関する国際認証AAALACの取得を目指し、動物実験の倫理的な取り組みも強化しています。

これらの戦略を通じて、フェニックスバイオは医薬品開発の効率化と新薬開発の加速に貢献し、経営指標として掲げる売上高の拡大を目指しています。同社の取り組みは、医薬品開発の新たな可能性を広げるとともに、グローバルな医療貢献を目指す基盤を築いています。