フェニックスバイオJP:6190

時価総額
¥19.8億
PER
18倍
PXBマウス事業を展開し、ヒト肝細胞キメラマウスを用いた医薬品開発の受託試験サービスやPXB-cellsの販売を行う。

事業内容

フェニックスバイオは、主にPXBマウス事業を展開している企業です。この事業は、ヒト肝細胞を持つキメラマウスであるPXBマウスを用いた医薬品開発の受託試験サービスを提供しています。フェニックスバイオは、連結子会社3社と共にこの事業を運営しており、単一の事業セグメントとして活動しています。

PXBマウスは、マウスの肝臓の70%以上がヒト肝細胞に置き換えられた特殊なマウスです。この技術を活用し、フェニックスバイオは医薬品の前臨床試験において、ヒトの代謝を予測するための試験サービスを提供しています。特に、薬物の安全性や有効性を確認するために、製薬会社に対して医薬候補物質の投与試験を行っています。

また、PXBマウスは、B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスなど、ヒトの肝細胞にしか感染しないウイルスの研究にも利用されています。これにより、抗ウイルス薬の開発においても重要な役割を果たしています。フェニックスバイオは、これらの試験を通じて、製薬企業や研究機関に貢献しています。

フェニックスバイオの主なサービスには、DMPK/Tox試験や肝炎試験、PXB-cellsの販売があります。DMPK/Tox試験では、薬物の体内動態や毒性を評価し、肝臓での薬物代謝や肝毒性反応を予測します。肝炎試験では、PXBマウスを用いて新薬候補化合物の有効性を評価し、特に抗肝炎薬の開発に寄与しています。

さらに、フェニックスバイオは、PXBマウスから得られる新鮮なヒト肝細胞であるPXB-cellsを販売しています。これにより、創薬研究者は、肝細胞本来の機能を保持した状態で実験を行うことが可能となり、研究の効率化に貢献しています。PXB-cellsは、安定した供給が可能であり、研究者のニーズに応じた実験が行えます。

経営方針

フェニックスバイオは、21世紀の医療に貢献することを目指し、独自の細胞技術を活用して新たな医療技術の実用化を推進しています。特に、ヒト細胞の機能を維持しつつ大量に増殖させる技術を開発し、これを基にしたPXBマウス事業を展開しています。

同社は、PXBマウスを用いた医薬品開発の受託試験サービスを提供し、特に北米市場での事業拡大に注力しています。2010年にPhoenixBio USA Corporationを設立し、北米の製薬企業やCROとの提携を強化することで、海外展開を進めています。

近年、医薬品開発において新しい形態の新薬が注目されており、フェニックスバイオのPXBマウスは、ヒト特異的なタンパク質や核酸の評価に有用なツールとして認識されています。同社は、国内外の大学や製薬企業との共同研究を通じて、製品の認知度向上を図っています。

フェニックスバイオは、PXBマウスの需要増加に対応するため、外部への飼育委託を通じた増産計画を進めています。また、動物福祉の観点から、国際的な動物管理基準に準拠した設備と飼育方法を整備し、AAALAC Internationalの認証取得を目指しています。

さらに、同社はin vitro試験の重要性に着目し、PXB-cellsなどの関連製品を市場投入しています。Microphysiological System(MPS)などの新技術に対する研究開発を強化し、米国市場のトレンドを見極めた製品開発を進めています。

フェニックスバイオは、次世代医薬品の評価ツールとしてのPXBマウスとPXB-cellsの有用性を示すデータ取得を重視し、共同研究や業務提携を通じて新しい市場の開拓を目指しています。特に、安全性分野での売上高を重要な経営指標とし、事業拡大を図っています。