リクルートホールディングスJP:6098

時価総額
¥11.59兆
PER
33.9倍
当社グループは、1960年に日本で大学新聞に企業の求人広告を掲載し、学生に求人情報を提供したことから始まりました。現在は、Indeed、Glassdoor、SUUMO、HotPepper Beauty、じゃらん、リクナビ、リクナビNEXTなどのオンラインプラットフォームを通じて、個人ユーザーと企業クライアントをマッチングさせるサービスを提供しています。また、人材派遣事業も展開しています。

沿革


組織の沿革

当社は1960年3月、東京都港区において大学新聞に各企業の求人広告を掲載することを目的として、現在の㈱リクルートホールディングスの前身である「大学新聞広告社」を創業しました。その後、大学新聞複数紙の広告を一手に取り扱う契約を締結し、1960年10月に法人組織、㈱大学広告を設立しました。1962年、「企業への招待」を創刊しました。1963年4月、㈱日本リクルートメントセンターに社名を変更しました。同年8月、㈱日本リクルートセンターとして当社を設立しました。(以降の組織の沿革については、年表をご参照ください)


事業領域の拡大

1960年に大学新聞専門の広告代理店として創業。その2年後、大学生への求人情報だけを集めた「企業への招待」を発行し、個人ユーザーと企業クライアントをつなぐビジネスモデル「リボンモデル」を確立しました。中途採用、人材紹介、人材派遣等人材関連事業を拡げるほか、進学、住宅、中古車、結婚等のライフイベント領域へ、そして旅行、飲食、美容等の日常消費領域へと事業を拡大し、近年では、SaaS(Software as a Service)を活用し、小売店や飲食店を含む中小企業クライアントに対する業務・経営支援サービスに事業領域を拡大しています。


情報のデジタル化

当社は、一般的にはまだ導入が珍しかった時代からコンピュータを導入し、情報のデジタル化を通じた業務の迅速化と効率化を実践し続けてきました。1980年代のスーパーコンピュータの研究等を経て、1990年代には紙メディア(情報誌)をインターネットへ、そしてモバイルへと転換しました。情報をより手軽且つスピーディに届けられるようにしただけでなく、革新的なオンライン予約管理システムを開発する等、個人ユーザーと企業クライアントに情報のデジタル化を通じた圧倒的な利便性を提供することを目指し、現在、クラウドを活用したSaaSソリューションの拡大を加速しています。


グローバリゼーション

2000年代からグローバル市場への事業展開を推進し始め、当初は結婚関連の事業を中国で展開したものの、数年で撤退。しかしこの経験が、以降のM&Aを通じた海外事業戦略に活かされ、米国The CSI Companies, Inc.の買収以降、人材派遣事業における買収を加速しました。買収した組織の生産性向上に取組みながら、欧州・豪州を含む世界各国に事業を拡大するとともに、2012年のIndeed, Inc.2018年のGlassdoor, Inc.の買収により、HRテクノロジー事業が新たに加わり、グループ全体の成長を牽引しています。また、サービス展開が60か国以上に拡大しました。

1960年3月


大学新聞広告社として創業

1962年


「企業への招待」を創刊

大学生への求人情報だけを集めた就職情報誌を創刊。個人ユーザーと企業クライアントを結ぶマッチングプラットフォームを提供するビジネスモデルを確立

1963年8月


㈱日本リクルートセンターとして当社を設立

1968年


IBM 1130を導入

コンピュータ「IBM 1130」を日本企業として初めて導入し、テスト事業等で活用。情報を取り扱う企業として、最新のIT環境を追求・整備

1971年


㈱リクルートコンピュータプリントを設立

情報誌等の印刷前工程のデジタル化にいち早く取組むための子会社を設立

1976年


住宅情報事業を開始

オイルショック時の不況対応として開始した住宅情報の事業で急成長

1980年


とらばーゆを創刊

日本で初めての、女性のための転職情報誌を創刊。日本で男女雇用機会均等法が施行されたのは5年後の1985年。女性の社会進出を後押し。後に「とらばーゆする」が流行語に

1984年4月


社名を ㈱リクルートに変更

1984年


カーセンサーを創刊

中古車売買の専門情報誌を創刊。当時の新入社員研修プログラムで提案されたアイデアから生まれた事業

1985年


インフォメーションネットワークサービスを開始

リモートコンピューティングサービスを開始し、同年の日本における通信事業の民営化を背景とした情報サービス関連事業に取組むための基盤を強化。多くのエンジニアの採用を開始

1985年


Recruit U.S.A Inc.を設立

米国に事業展開する日本企業の採用支援等の事業を開始

1987年


スーパーコンピュータ研究所を設立

スーパーコンピュータの研究と利用促進を目的とした研究所を設立。情報サービス事業のあり方を模索しながら、来るべき情報化社会に向けた知見を深化

1990年


じゃらんを創刊

旅行や遊びに関する多彩な情報を集約し、予約できる情報誌を創刊

1993年


ゼクシィを創刊

新規事業提案制度「Ring」から生まれた結婚関連情報誌を創刊

1995年


Mix Juice(現 ISIZE)をリリース

インターネットの実証実験として、インターネットメディアを発行

1996年


就職情報をオンラインで提供開始

RB on the NET(現 リクナビ)、Digital B-ing(現 リクナビNEXT)等のオンライン就職情報サイトを開始

2000年


ホットペッパー(現 HotPepperグルメ)を創刊

グルメ等日常生活に密着した生活情報誌を創刊。結婚・住宅・中古車等ライフイベントからライフスタイル(日常消費)関連情報を取り扱うメディアへと事業展開を拡大

2000年


ISIZEトラベル(現 じゃらんnet)をリリース

宿泊施設のオンライン予約サービスを開始

2004年


中国での事業展開と撤退

結婚関連情報誌ゼクシィ等を中国で展開。数年で撤退を余儀なくされるが、この経験を踏まえ、以降のM&Aを通じた海外事業戦略を進化させる

2007年


HotPepper Beautyをリリース

オンライン予約サービスを開発。サロン予約の常識を変えた革新的サービスとして成長

2008年1月


グラントウキョウサウスタワー(東京都千代田区丸の内1丁目9番2号)へ本社機能を移転

2010年7月



The CSI Companies, Inc.買収

米国の人材派遣会社を買収。ユニット経営を導入・実践。M&Aによる人材派遣事業のグローバル展開を開始

2011年


受験サプリ(現 スタディサプリ)をリリース

大学受験勉強を支援するオンライン学習サービスを開始。良質な学習コンテンツをウェブベース且つ低価格で提供するモデルを展開。後に語学・資格取得等多様な学びの機会創出へと拡大

2011年



Staffmark Group, LLC買収(10月) 、Advantage Resourcing Europe B.V.(現 RGF Staffing UK Limited)買収(12月)

海外派遣会社の買収を通じて米国・欧州に多数の事業拠点を獲得

2012年


SALON BOARDをリリース

ビューティーサロン向けのクラウド型オンライン予約管理システムを開発。店舗での紙ベースだった予約台帳をデジタル化し、サロン業界のさらなる生産性とサービスの向上に寄与することを目指して展開

2012年10月


当社を持株会社として以下のとおり会社分割を実施

これに伴い、当社の社名を㈱リクルートホールディングスに変更

新設分割により以下の会社を設立

 ㈱リクルート住まいカンパニー

 ㈱リクルートマーケティングパートナーズ

 ㈱リクルートライフスタイル

 ㈱リクルートテクノロジーズ

㈱リクルートオフィスサポートと共同新設分割により以下の会社を設立

 ㈱リクルートアドミニストレーション(現㈱リクルート)

吸収分割により、当社の100%子会社である以下の会社に一部事業等を承継

 ㈱リクルートキャリア(旧 ㈱リクルートエージェント)

 ㈱リクルートジョブズ(旧 ㈱リクルートHRマーケティング)

㈱リクルートコミュニケーションズ(旧 ㈱リクルートメディアコミュニケーションズ)

2012年10月



Indeed, Inc.買収

オンライン求人情報専門検索サイトを運営するIndeedは2004年米国で創業。この買収を通じて人材関連事業をデジタル技術で変革するHRテクノロジー事業に本格参入

2013年


Airレジをリリース

飲食・小売・サービス等の幅広い業種で必須のレジ業務がスマートフォンやタブレットで行えるSaaSソリューションのPOSレジアプリをリリース。中小企業を取り巻く業務負荷を軽減し、クライアントが思い描く理想の店舗づくりを支援

2014年10月


東京証券取引所市場第一部に株式を上場

2015年


Airペイをリリース

中・小規模クライアント向けの決済サービスを開始し、業務支援サービスを拡張。現在、クレジットカード・電子マネー・QRコード(*)・ポイント等多様化する決済手段に対応するお店の決済サービスとして進化

*QRコードは㈱デンソーウェーブの登録商標です。

2015年


Recruit Institute of Technology(現 Megagon Labs)を設立

社外の研究機関とともに、AI(人工知能)や機械学習等の革新的な技術の研究開発に取組む研究所を設立

2015年



Peoplebank Australia Ltd(1月)、Chandler Macleod Group Limited(4月)買収

豪州の人材派遣会社2社を買収。豪州において、トップクラスの市場シェアと強固な事業基盤を獲得

2016年


Indeed Hireをリリース

既存のオンライン広告ビジネスを超えた新規事業を開始

2016年6月



USG People Holdings B.V.(現 RGF Staffing B.V.)買収

欧州の大手人材派遣会社USG Peopleを買収。人材派遣事業の市場浸透率が高いオランダ、フランス、ドイツ、ベルギー等欧州諸国の市場において事業基盤を強化

2018年4月


会社分割及び組織再編を実施。SBU配下の子会社及び事業を統括する会社として、SBU統括会社を設置

SBU統括会社として以下の会社を設置

 HRテクノロジーSBU : RGF OHR USA, Inc.

マッチング&ソリューションSBU : ㈱リクルート
(旧 ㈱リクルートアドミニストレーション)

 人材派遣SBU :Recruit Global Staffing B.V.(現 RGF Staffing B.V.)

2018年


Airシフトをリリース

シフトの作成・管理等ができるサービスをリリース。飲食・小売・サービス等深刻な人手不足を抱える幅広い業種での活用が拡大

2018年6月



Glassdoor, Inc. 買収

オンライン求人広告及び企業情報サイトを運営するGlassdoorは、2007年に米国で創業。求人情報とユーザー投稿による企業レビュー等独自のデータベースを展開し、求職活動における情報の透明性を高めた。この買収を通じてHRテクノロジー事業の展開を強化

2018年



Indeed Assessmentsをリリース

採用プロセスのさらなる効率化に資する新規事業展開を加速

2020年



Indeed Interviewをリリース

面接と採用に特化したオンライン面接プラットフォーム。コロナ禍でも安全に求職・採用活動を進めたい個人ユーザーと企業クライアントのニーズに迅速に対応

2021年



Indeed Hiring Platformをリリース

Indeed上で採用プロセスを完結できる新たなソリューション。客観的な条件に合致した求職者が自動的に面接に進む等さらなる効率化を実現

2021年4月


マッチング&ソリューション事業において以下のとおり吸収合併を実施

SBU統括会社である㈱リクルートに中核事業会社・機能会社7社を統合

 ㈱リクルート住まいカンパニー

 ㈱リクルートライフスタイル

 ㈱リクルートマーケティングパートナーズ

 ㈱リクルートキャリア

 ㈱リクルートジョブズ

 ㈱リクルートコミュニケーションズ

 ㈱リクルートテクノロジーズ

2021年


COIN+搭載のエアウォレットをリリース

決済ブランド「COIN+」を搭載して、日常生活で使用するお金をシームレスに管理・送金できるデジタル口座管理・決済アプリ。チャージ・支払い・送金・出金を無料で、簡単に利用できるサービスを提供

2021年


Airワーク 採用管理(ATS)をリリース

全機能無料、採用HPの無料作成、Indeedへの転載、応募者管理ができる採用管理システムを提供

2021年


2031年3月期に向けたESG(環境・社会・ガバナンス)の目標を設定

企業活動全体を通じて社会や地球環境にポジティブなインパクトを与え、すべてのステークホルダーと共存共栄することを目指し、「サステナビリティへのコミットメント」を発表

2022年


Airキャッシュをリリース

企業クライアント向けの売上収益早期現金化サービスの提供

2022年


Airインボイスをリリース

スマホひとつで支払いもできる請求書管理サービスの提供

2022年4月


東京証券取引所の市場区分の見直しにより東京証券取引所市場第一部からプライム市場へ移行

2022年7月


グラントウキョウサウスタワー(東京都千代田区丸の内1丁目9番2号)へ本店所在地を変更

事業内容

リクルートホールディングスは、1960年に日本の大学新聞に企業の求人広告を掲載したことから始まった企業です。現在は、テクノロジーとデータを活用し、個人ユーザーと企業クライアントをマッチングさせるプラットフォームを運営しています。

同社は、HRテクノロジー、マッチング&ソリューション、人材派遣の3つの事業セグメントで構成されています。

HRテクノロジー事業では、Indeed、Glassdoorなどのオンライン求人マッチングプラットフォームを運営し、求職者の求人検索や企業情報の閲覧、採用プロセスの支援などを行っています。Indeedは世界最大の求人サイトで、月間3億3,000万人以上のユーザーが利用しています。Glassdoorは企業レビューを組み合わせたプラットフォームで、月間5,500万人以上の求職者に利用されています。

マッチング&ソリューション事業では、日本国内において、住宅、美容、旅行、結婚、飲食などの各分野でマッチングプラットフォームやSaaSを提供し、企業クライアントの集客や業務効率化を支援しています。また、就職活動や転職活動を支援するプラットフォームも運営しています。

人材派遣事業では、日本国内のほか、欧州、米国、豪州でも事務職、製造業務、専門職などの人材派遣サービスを提供しています。

リクルートホールディングスは、これらの事業を通じて、個人ユーザーの最適な選択肢の提供と企業クライアントの生産性・収益性の向上を目指しています。また、データセキュリティやプライバシー保護にも注力しています。

経営方針

リクルートホールディングスは、テクノロジーとデータを活用したマッチングプラットフォームを中心に事業を展開しています。

同社の主な成長戦略は以下の通りです。

1. 「Simplify Hiring」 - 人材マッチング市場における採用プロセスの効率化

- HRテクノロジー事業のIndeedやGlassdoorを通じて、求職者と企業クライアントのマッチングを高速化・自動化

- データやAI/機械学習を活用し、採用プロセスの改善と最適化を推進

2. 「Help Businesses Work Smarter」 - 日本国内企業クライアントの生産性・業績向上

- マッチングプラットフォームとSaaSを組み合わせたエコシステムの構築

- 企業クライアントの事業運営に関わる様々な業務をプラットフォーム上で完結させ、ライフタイムバリューの向上を目指す

3. 「Prosper Together」 - ステークホルダーとの共栄を通じた持続的な成長

- 環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)の各分野で具体的な目標を設定し、取り組みを加速

- 経営陣の報酬にESG目標の達成度を連動させるなど、企業価値向上に向けた取り組みを推進

これらの戦略を通じて、同社はグローバルな人材マッチング市場での地位強化と、日本国内での企業クライアントの生産性向上に注力しています。また、ESG経営の推進により、持続可能な成長を目指しています。