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三機サービスJP:6044
事業内容
三機サービスは、空調機器や厨房機器、電気設備、給排水衛生設備など建物設備の保守・点検と緊急修理を主力とする企業です。同社は東京都や兵庫、上海にコールセンターを置き、専門のメンテナンス技術者と外部パートナー網で24時間365日対応のサービスを提供しています。
主要顧客は商業施設や飲食店、オフィスビル、病院など設備維持が重要な事業者が中心で、メーカーからの指定を受けた大型空調機の保守も請け負っています。同社は定期保守契約で安定した継続収入を確保し、設備更新工事や省エネ機器の販売・施工でプロジェクト収入を上積みする構造です。
事業は大きくメンテナンス、工事(更新・改修・新設)、省エネ対応、製造の四領域に分かれます。定期点検や保全メンテナンスで故障を抑えつつ、インバータ化やデマンド制御、LED照明やエネルギー監視システムの導入提案を行い、スチールサッシや高機能建具の製造にも取り組んでいます。
経営方針
同社は中期経営計画(2026–2028)を「成長加速期」と位置づけ、2030年の「安心・快適な空間のインフラを技術・データ・ITでプロデュースする会社」というビジョンの実現を目指しています。具体的な財務目標として、最終年度の2027年度に売上高326.5億円、営業利益22.0億円、営業利益率6.7%、ROE18.0%を目標に設定しており、定期保守契約による安定収入を基盤に、設備更新工事や省エネ機器の導入で収益を上積みする計画です。人的資本への投資を重視し、人材育成と事業拡大を両輪で進めることで成長の持続性を高めようとしています。
重点投資分野は「人」と「業務・技術基盤」で、差別化は現場力と対応力にあります。同社は東京都・兵庫・上海に置く24時間365日のコールセンターや、実機を備えた研修センターを活用してメンテナンス技術者の教育を強化し、社内で設備の設計から施工・保守まで担当できる多能工化を進めています。パートナー網の品質維持・拡大のため専属部署で新規開拓と教育を行い、サービスエンジニア同席型の営業を標準化して受注力と顧客満足度を高める具体策を打ち出しています。
新市場開拓では、トータルメンテナンスサービスの地域展開と、省エネ・環境ビジネスの領域拡大を掲げています。空調の省エネノウハウを軸に、インバータ導入やエネルギー監視装置、照明更新など空調以外の設備も含めた提案を他社とのアライアンスで拡充し、病院や商業施設、飲食チェーンなど多店舗運営企業をターゲットに事業規模を拡大します。海外については東南アジアを中心に国内で蓄積したノウハウを展開し、顧客基盤の獲得と新商材の開発で収益源を多様化する方針です。
技術革新では、業務効率化と顧客接点の強化を目的に基幹システムや顧客管理・案件管理の一元化に投資し、デジタル化(いわゆるDX)や人工知能を活用した作業支援で現場業務の省力化と提案精度向上を図ります。具体的には顧客データと商談進捗の統合、予実差異の見える化、遠隔監視による早期対応などを進め、これにより利益率改善と資本効率の向上、さらに配当を含む株主還元を継続していくことを目指しています。