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yutoriJP:5892
事業内容
yutoriは衣料品とコスメの企画・販売を主業とする企業です。同社は主にZ世代を中心に向けたストリート系を起点とする複数のファッションブランドと、ミニサイズのコスメブランドを展開し、自社ECや実店舗で直接販売しています。
主要な顧客は10〜30代の若年層で、収益の中心は自社ブランド商品の販売です。同社はプラットフォーム型の自社EC「YZ Store」を軸に、ZOZOTOWNでの出品やポップアップ、小型店での直販を組み合わせ、会員制度やSNSマーケティングで購入頻度を高める収益モデルを構築しています。
事業は単一のアパレル事業セグメントですが、ブランド運営はヤングカルチャー、韓国、ニュアンス、デザイナー、コスメ、Her lip toの6事業部に分かれて多様な顧客ニーズに応えています。同社はブランドごとに採算を管理する「Yリーグ」など自律分散型の運営と、SNSやインフルエンサーを活用した素早い商品企画で成長を図っています。
経営方針
同社は企業価値の継続的拡大を最重要課題と位置づけ、売上高、売上総利益、調整後EBITDA(営業利益に減価償却などを加えた指標)および営業利益の向上を目標に掲げています。経営戦略は既存ブランドの深耕とZ世代向けの新ブランド創出、Y世代などZ世代以外を狙ったブランドの開発、そして商材の多様化の三本柱で構成されており、オーガニック成長に加えてM&Aを活用して事業規模と領域を拡大することを目指しています。
重点投資分野はブランドポートフォリオの拡大と自社販売チャネルの強化です。具体的には自社ECプラットフォーム「YZ Store」を軸に、ZOZOTOWN出品やSNSを活用した会員施策で購入頻度を高める施策を継続しており、第7期ではEC経由売上が全体の54%を占めています。ブランド運営では各ブランドの採算管理や撤退基準の明確化、クリエイティブ人材の配置によるSNS発信力強化で差別化を図っています。
新市場開拓・事業拡大は国内外両面で進められています。国内のアパレル市場規模は約8兆3,564億円、そのうち10〜30代市場は約2兆4,773億円、化粧品市場は約2兆4,780億円で若年層の市場ポテンシャルが大きく、同社はまず国内でアパレルとコスメを軸に顧客層と商材を拡大しつつ、将来的に海外展開も目指しています。実店舗はポップアップで需要を検証したうえで小型店中心に展開し、2025年3月時点で46店舗を運営。加えて、株式会社heart relationや株式会社えをかくの株式取得、コスメブランド「minum」の事業譲受など、シナジーのある企業買収も継続的に検討・実行しています。
技術革新ではシステムと物流の強化を優先課題と定めています。顧客増加に耐えうる在庫・入出庫管理の改善、物流コスト最適化のための倉庫運用や自動化、ECサイトの安定化・利便性向上を図るシステム改修を進め、データを用いたトレンド分析で商品企画の精度を高めます。またSNSの分析結果を商品設計に反映する仕組みや、社内でのノウハウ共有によりヒット商品の再現性を高める取り組みを推進しており、同社はこれらで収益性と成長の両立を目指しています。