日本精線JP:5659

時価総額
¥344.5億
PER
14.7倍
ステンレス鋼線や金属繊維(ナスロン)の製造販売を行い、ダイヤモンド工具の製造販売も手がける企業。

事業内容

日本精線は、親会社および5つの子会社で構成される企業グループで、主にステンレス鋼線と金属繊維(ナスロン)の製造販売を行っています。この事業は、伸線加工事業と金属繊維事業の2つのセグメントに分かれています。

伸線加工事業では、日本精線、THAI SEISEN CO., LTD.、大同不銹鋼(大連)有限公司がステンレス鋼線を製造販売しています。大同特殊鋼は、これらの企業に原材料を供給し、製品の一部は日本精線が仕入れ販売しています。日精テクノは、ステンレス鋼線の直線切断加工や磨引伸線加工を担当しています。

また、ダイヤモンド工具も日本精線とTHAI SEISEN CO., LTD.で製造販売されています。THAI SEISEN CO., LTD.の製品は主に日本精線が仕入れ、材料は日本精線が供給しています。

金属繊維(ナスロン)事業では、日本精線と耐素龍精密濾機(常熟)有限公司が製造販売を行っています。耐素龍精密濾機(常熟)有限公司の材料の一部は日本精線が供給し、製品の一部は日本精線が仕入れています。韓国ナスロンは、日本精線の韓国での販売活動を支援しています。

さらに、大同興業は日本精線グループのステンレス鋼線の主要販売先であり、原材料の購入先でもあります。これにより、日本精線は国内外での製造販売を強化し、多様な市場ニーズに応えています。

経営方針

日本精線は、ステンレス鋼線と金属繊維(ナスロン®)を主力製品とし、技術力と新分野への挑戦を通じて社会に貢献することを基本理念としています。特に、環境・エネルギーのクリーン化やデジタル化が進む中で、ステンレス分野の需要に応えるため、「Micro & Fine Technology」を掲げ、次世代素材と技術開発をリードしています。

同社は2024年4月から「中期経営計画(NSG26)」を開始し、サステナビリティ成長分野への高機能・独自製品の開発と拡販を通じて企業価値の向上を目指しています。2035年のビジョンを設定し、2030年までにCO2排出量を30%削減する目標を掲げ、ESG経営を推進しています。

NSG26の基本方針には、サステナビリティ成長分野に向けた高機能・独自製品の開発深化、生産基盤強化と生産性向上、水素回収技術の深化、ESG経営の4つが含まれています。これにより、競争力を高め、持続的成長を図ることを目指しています。

具体的には、極細線や超精密ガスフィルターの開発を進め、再生可能エネルギーや医療、IoT/AI、自動車CASEなどの分野での需要に応える製品を提供しています。また、カーボンニュートラルを目指し、エネルギー効率の向上やCO2フリー電力の使用拡大を進めています。

さらに、同社は人的資本の充実を図り、ダイバーシティ&インクルージョンや健康経営を推進しています。ガバナンスの強化やコンプライアンスの充実にも注力し、ステークホルダーとのコミュニケーションを強化しています。これにより、企業価値の向上と持続的成長を実現することを目指しています。