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ARアドバンストテクノロジJP:5578
事業内容
ARアドバンストテクノロジは、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するITサービスを主な事業としています。同社はAIを軸としたDXコンサルティングとクラウドインテグレーションを主力に、要件定義から設計・構築・保守・運用まで一貫して提供しています。加えて、DX人材の供給など関連サービスもワンストップで展開しています。
主要顧客は製造、流通、サービス、インターネット事業、コンタクトセンター、金融、官公庁など幅広い業種にわたります。同社はコンサルティングやインテグレーションの受託収入に加え、自社製品や他社製品のライセンス販売、グループ会社による人材サービスから収益を得ており、クロスセルやアップセルで顧客のライフタイムバリューを高める収益構造を取っています。
事業は単一のDXソリューションセグメントに集約され、AI駆動開発やBTCアプローチ(Business/Technology/Creativeの統合)、ワンストップのハイブリッド営業を特徴としています。自社プロダクトとしてLOOGUE(AIマルチエンジン)、ZiDOMA(データ統合管理)、Mieta(クラウドコンタクトセンター分析)を持ち、AWSやMicrosoft Azureを軸にしたマルチクラウドの技術力とグループの人材プラットフォームや広範なパートナー網を活かして導入支援を行っています。
経営方針
同社は継続的な売上高成長と収益性の向上を経営目標に掲げており、売上高成長率を主要な評価指標としています。背景には国内ITサービス市場の拡大(2024年で約7兆205億円、2029年に約9兆6,225億円を見込む)やクラウド・AI市場の急成長があり、同社はこれらの追い風を取り込むことで上流工程や自社プロダクト比率の引き上げを図り、より高い利益率を実現することを目指しています。具体的には、受託開発中心の収益構造から、コンサルティングやライセンス販売、DX人材サービスによるワンストップ提供へとシフトし、安定した売上拡大を狙っています。
同社は投資の重点分野としてクラウド技術とデータ・AI活用を挙げ、業務知見・技術力・利用者設計を三位一体で提供する「BTCアプローチ」によって差別化を図っています。技術面ではAWSやMicrosoft Azureを主軸としたマルチクラウド対応、サービス面では業種特化のブランド「cnaris(クラウド領域)」と「dataris(データ・AI領域)」を育成しており、LOOGUEやZiDOMAなどの自社プロダクトを組み合わせることで再現性の高い技術テンプレートを整備しています。パートナー網は250社超を維持し、グループ内の子会社(DX人材を担う会社)を通じた人材プールでプロジェクトの供給力を補強しています。
同社は新市場開拓と事業拡大に向け、ワンストップの営業サイクルでクロスセル・アップセルを強化し、顧客のライフタイムバリューを高める戦略をとっています。官公庁や金融、製造、流通といった成長性の高い分野での大型案件や既存システムのモダナイゼーション需要を取り込みつつ、M&Aや業務提携を積極推進して技術やノウハウ、人材の獲得を図る計画です。M&A実行後は統合プロセス(PMI)を重視し、シナジー創出とガバナンス強化に取り組んでいます。
技術革新への取り組みとしては、研究開発投資を継続的に行い、AI駆動開発の有償案件化を進めることで高付加価値案件を増やすことを目指しています。具体策としては、AIやデータ活用のPoCから実運用への移行支援、技術テンプレート化や自動化による生産性向上、社内に育成・研修部署を置いた資格取得支援など人材強化施策を同時に進めています。これにより、技術面の差別化と案件の再現性を高め、継続的な事業成長を実現しようとしています。