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共英製鋼JP:5440
事業内容
共英製鋼は、国内鉄鋼事業、海外鉄鋼事業、環境リサイクル事業を主な事業セグメントとしています。これらの事業は、同社とその関連会社によって運営されています。
国内鉄鋼事業では、電気炉を使用して鉄スクラップを溶融し、土木・建設用鋼材を製造・販売しています。主要製品には異形棒鋼、構造用棒鋼、平鋼、山形鋼、I形鋼、ネジ節鉄筋(タフネジバー)、ビレットなどがあります。また、鉄鋼製品の仕入販売や運搬事業も行っています。
海外鉄鋼事業では、鉄スクラップを溶融・精錬した半製品や外部から購入した半製品を圧延成形し、土木・建設・鉱石粉砕用鋼材を製造・販売しています。主要製品には異形棒鋼、ネジ節鉄筋、線材、鉱石粉砕用丸鋼、ビレットなどがあります。
環境リサイクル事業では、医療廃棄物や産業廃棄物の中間および最終処理を行っています。特に、医療廃棄物の処理では「メスキュードシステム」を用いて無害化溶融処理を行っています。また、再生砕石事業も展開しています。
その他の事業として、港湾事業、鋳物事業、保険代理店業などを手がけています。これらの事業は、関連子会社を通じて運営されています。
経営方針
共英製鋼は、鉄鋼事業を中心に資源循環型事業を展開し、社会と共生しながら日本経済と地域社会の発展に貢献することを目指しています。安全とコンプライアンスを重視し、進取と変革を推進する企業風土を育むことを行動指針としています。
同社は2024年4月に「NeXuSⅡ 2026」という中期経営計画を策定しました。この計画は「つながり・連携」を意味する「nexus」をテーマに、グループ内外の連携強化と次世代への価値向上を目指しています。これにより、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。
成長戦略として、共英製鋼は国内外の鉄鋼事業の強化を図っています。特に、北米事業への投資を強化し、ベトナム事業の再構築を進めています。国内では、関東スチールの吸収合併により、4事業所体制での連携強化を図り、安定した収益基盤を構築します。
環境リサイクル事業では、鉄づくりと廃棄物処理を一体化した強みを活かし、難処理廃棄物の取扱いを強化します。また、サーキュラーエコノミーの推進を通じて、資源循環型社会の実現に貢献します。これにより、持続可能な成長を目指しています。
共英製鋼は、無形資産への投資を強化し、企業価値の向上を図ります。人的資本やブランド価値の向上を通じて、従業員のエンゲージメントを高め、企業理念への共感を促進します。これにより、長期的な成長を支える基盤を強化します。
ESG経営を推進し、2050年のカーボンニュートラルを目指しています。2030年度までに国内生産拠点のCO₂排出量を2013年度比で50%削減する計画です。環境、社会、企業統治の各分野での取り組みを通じて、持続可能な企業を目指します。
共英製鋼は、2026年度までに連結売上高3,800億円、連結経常利益250億円を目指しています。また、ROE8.0%以上、自己資本比率50%以上を目標に掲げています。これにより、安定した収益基盤を確立し、株主還元を強化します。
同社は、資本コストと株価を意識した経営を実現するため、海外鉄鋼事業の再構築を最優先課題としています。ROE8.0%以上の達成を目指し、配当性向を30~35%に引き上げることで、株主還元を強化し、PBRの改善を図ります。