東洋炭素JP:5310

時価総額
¥1553.5億
PER
20.7倍
等方性黒鉛材料を中心に、特殊黒鉛製品、一般カーボン製品、複合材その他製品の製造・販売を行い、産業機械、自動車、家電から原子力、宇宙航空、医療、エネルギー分野まで幅広く対応。

沿革

1947年7月

近藤カーボン工業株式会社を大阪市西淀川区(登記簿上は香川県三豊郡観音寺町(現 香川県観音寺市))において資本金198千円で設立

1948年9月

大阪市西淀川区に登記簿上の本店移転

1949年11月

社名を東洋炭素株式会社に変更

1956年5月

米国 ナショナルカーボン社と代理店契約を締結

1957年8月

西ドイツ リングスドルフカーボン社と日本総代理店契約を締結

1961年2月

香川県三豊郡柞田町(現 香川県観音寺市)に四国工場(1980年5月に東炭化工株式会社として分離)を設置

1962年4月

本社工場内に研究所(1989年6月に大阪研究センターへ昇格、1995年2月に大野原技術開発センターへ移設)を設置

1974年3月

香川県三豊郡大野原町(現 香川県観音寺市)に大野原工場(1994年3月 大野原技術開発センターに改組、2007年12月 東洋炭素生産技術センターに改称)を設置

1975年2月

本社工場を廃止し、大野原工場へ集約

1981年8月

香川県三豊郡大野原町(現 香川県観音寺市)に萩原工場を設置

1985年12月

香川県三豊郡詫間町(現 香川県三豊市)に詫間工場(1995年2月 詫間事業所に改組)を設置

1986年3月

米国 イリノイ州にTOYO TANSO AMERICA,INC.を設立

1987年4月

米国 オレゴン州にTTA,INC.を設立

1987年7月

TTA,INC.がTOYO TANSO AMERICA,INC.を合併

1987年9月

TTA,INC.をTTAMERICA,INC.に社名変更

1988年8月

フランス トラッピス市にGRAPHITES TECHNOLOGIE ET INDUSTRIE S.A.を設立

1991年4月

イタリア ミラノ市にGRAPHITES TECHNOLOGY APPLICATIONS S.R.L.を設立

1991年5月

米国 ペンシルベニア州にPENNGRAPH,INC.を設立

ドイツ リンデン市にGTD GRAPHIT TECHNOLOGIE GMBHを設立(2000年3月 ランゲンス市へ本店移転)

1991年11月

台湾台北市に株式取得により精工碳素股份有限公司を設置(2001年9月 桃園縣(現 桃園市)へ本店移転)

米国 オレゴン州(登記簿上はデェラウェア州)にTOYO TANSO USA, INC.を設立

1992年8月

TTAMERICA,INC.を清算

1994年8月

中国上海市に上海東洋炭素有限公司を設立

1997年1月

イタリア ミラノ市に全株式取得によりTOYO TANSO EUROPE S.P.A.を設置

1998年3月

TOYO TANSO EUROPE S.P.A.がGRAPHITES TECHNOLOGY APPLICATIONS S.R.L.を合併

1998年5月

TOYO TANSO USA, INC.がPENNGRAPH,INC.を合併

1999年4月

福島県いわき市にいわき工場を設置

1999年9月

大阪府豊中市に全株式取得により大和田カーボン工業株式会社を設置

2001年4月

詫間事業所に第二工場を設置

2001年6月

米国 オレゴン州(登記簿上は デェラウェア州)にADVANCED GRAPHITE,INC.を、ペンシルベニア州(登記簿上は デェラウェア州)にTOYO TANSO PA GRAPHITE,INC.を設立

TOYO TANSO USA, INC.のPENNGRAPH DIVISIONを分割し、TOYO TANSO PA GRAPHITE,INC.に営業譲渡

2003年9月

中国上海市に上海東洋炭素工業有限公司を設立

2004年5月

ADVANCED GRAPHITE,INC.およびTOYO TANSO PA GRAPHITE,INC.を清算

2005年4月

中国済寧市に嘉祥東洋炭素有限公司を設立

2006年3月

東京証券取引所市場第一部に株式を上場

2006年9月

韓国 ソウル市にTOYO TANSO KOREA CO.,LTD.を設立

2007年12月

大阪市北区梅田に本社を移転
旧本社事業所を近藤照久記念東洋炭素総合開発センターに改称

2008年2月

GRAPHITES TECHNOLOGIE ET INDUSTRIE S.A.をTOYO TANSO FRANCE S.A.に社名変更

2008年3月

タイ バンコク市にTOYO TANSO(THAILAND)CO.,LTD.を設立(2008年8月 バングプリー市へ本店移転)

2010年2月

詫間事業所に第三工場を設置

2010年8月

シンガポールにTOYO TANSO SINGAPORE PTE. LTD.を設立

2011年3月

インド ベンガルール市にTOYO TANSO INDIA PRIVATE LIMITEDを設立

2013年4月

トルコ イスタンブール市にTOYO TANSO GRAPHITE AND CARBON PRODUCTS INDUSTRY AND COMMERCIAL A.Sを設立

2013年11月

大阪市西淀川区に本社を移転

2014年9月

中国平湖市に東洋炭素(浙江)有限公司を設立

2015年5月

インドネシア 西ジャワ州にPT. TOYO TANSO INDONESIAを設立

2015年12月

メキシコ グアナファト州にTOYO TANSO MEXICO S.A. DE C.V.を設立

2017年6月

当社が所有する嘉祥東洋炭素有限公司の持分全部を嘉祥県正大炭素製品有限公司に譲渡(嘉祥東洋炭素有限公司は連結子会社から除外)

2018年12月

TOYO TANSO GRAPHITE AND CARBON PRODUCTS INDUSTRY AND COMMERCIAL A.Sを清算

2019年6月

中国成都市に成都東洋炭素工業有限公司を設立

2020年6月

ATNグラファイト・テクノロジー株式会社に資本参加

2020年8月

TOYO TANSO INDIA PRIVATE LIMITEDを清算

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所市場第一部からプライム市場に移行

事業内容

東洋炭素は、等方性黒鉛材料を中心に、カーボン製品の製造、加工、販売を行っている企業です。同社グループは、国内外に広がる製造拠点と販売網を有し、多品種少量生産に対応しています。1974年には、等方性黒鉛材料の量産化に成功し、その用途を拡大してきました。同社の製品は、産業機械、自動車、家電から、原子力、宇宙航空、医療、エネルギーなどの先端分野に至るまで幅広い分野で使用されています。

特に、エレクトロニクス分野では、単結晶シリコン製造用のるつぼやヒーター、化合物半導体製造用のMOCVD装置用サセプター、太陽電池製造用の部材などがあります。一般産業分野では、連続鋳造用ダイス、放電加工電極、各種工業炉用ヒーター・構造材などを提供しています。また、原子力・宇宙航空・医療用途にも製品を供給しており、高温ガス炉用炉心材やロケット用部品、CTスキャン用部品などが挙げられます。

一般カーボン製品においては、機械用カーボン分野でのポンプ・コンプレッサー用軸受やシール材、電気用カーボン分野での小型モーター用カーボンブラシや大型モーターブラシなどがあります。さらに、複合材その他製品として、SiCコーティング黒鉛製品やC/Cコンポジット製品、黒鉛シート製品などを製造販売しています。

東洋炭素は、カーボン素材の分析データと顧客ニーズを基に基礎研究および応用研究に取り組み、製品の開発を進めています。これにより、同社製品の用途はさらに拡大しており、顧客の多様なニーズに迅速に対応しています。

経営方針

東洋炭素は、カーボン製品の製造、加工、販売を手掛ける企業であり、その成長戦略は、独自の技術力とグローバルな展開を核としています。同社は、「C(カーボン)の可能性を追求し世界に貢献する」という経営理念のもと、革新的な製品とサービスを提供し、社会に貢献することを目指しています。中長期的な経営戦略として、高成長・高付加価値事業の拡大、生産技術の革新、競争力の強化、そして海外展開の強化を掲げています。

同社は、不透明かつ不安定な経営環境の中で、デジタル社会や循環型社会への移行をチャンスと捉え、エレクトロニクス分野や自動車産業などで新たなニーズの出現や技術革新に対応することで、事業機会の創出を目指しています。また、事業ポートフォリオの構築と強固なガバナンス体制の確立を通じて、変化する市場ニーズに迅速に対応し、グローバル市場での成長を加速させることを目標としています。

具体的な経営指標としては、2027年に売上高665億円、営業利益135億円を達成し、全社でのROEは10%以上を目指しています。これを実現するために、東洋炭素は、生産性向上によるコスト競争力の向上、技術革新に対応した新製品および高付加価値製品の開発・増強に取り組み、顧客ニーズに真摯に向き合いながら、事業機会を着実に取り込む方針です。

このように、東洋炭素は、独自の技術力とグローバルな視点を活かし、持続可能な成長を目指しています。同社の戦略は、カーボン素材の可能性を最大限に引き出し、社会に貢献することにより、企業価値および社会的価値の拡大を図ることにあります。