リンカーズJP:5131

時価総額
¥21.8億
PER
-6.1倍
ものづくり企業向けマッチングプラットフォームの有力企業。AIマッチング主体の自社サービス「Linkers Sourcing」「Linkers Marketing」「LFB」を展開。成約率約53.1%(2022年8月〜2024年7月)の実績。日本全国展開。

事業内容

リンカーズは、ものづくり企業の技術ニーズと技術シーズを結びつけるマッチングを中核に、マッチングプラットフォームの運営やSaaS、リサーチ・イベント支援などのサービスを展開しています。同社は技術探索の「Linkers Sourcing」や用途開拓の「Linkers Marketing」を中心に、金融機関や事業会社向けのマッチングシステム(LFB)やリサーチサービスを組み合わせてイノベーション創出を目指しています。

主な顧客は大手製造業をはじめとする発注企業、全国の中堅中小のものづくり企業、地域金融機関や事業会社など多様です。同社の収益は、マッチング案件に対する基本利用料や面談・成約の成果報酬、SaaSの導入支援料と月額利用料、リサーチやイベントの契約ベースの報酬など複数の柱で構成されています。

事業は大きくビジネスマッチング事業とリサーチ事業に分かれており、前者では自社運営のマッチングサービスとLFBというSaaS型システムで案件発掘から進捗管理まで支援しています。後者では「Linkers Research」やAIとリサーチャーを組み合わせた「Linkers Trend Map」、イベント型の「TechMesse Academy」などで技術インサイトや調査レポートを提供し、マッチング領域と連携してワンストップで顧客の課題解決を図っています。

経営方針

同社は「マッチングで世界を変える」というミッションの下、マッチングプラットフォームをSaaS型で産業横断的に拡大し、商流構築までをサービスに取り込むことで中長期的な売上高・営業利益・経常利益の成長を目指しています。国内の研究投資規模は2023年度で約22兆497億円に達しており、そのうち製造業が約13兆8,527億円を占めるなど技術探索ニーズは大きく、同社はこうした市場機会を先行指標(探索案件数や導入機関数)をもとに取り込み、スポット型の支援からサブスク型の収益へと移行して収益の安定化を図ることを目指しています。

重点投資分野は技術探索・用途開拓・商流支援を一気通貫で提供する領域で、具体的には「Linkers Sourcing」「Linkers Marketing」「Linkers Research」「Linkers for BANK(LFB)」に資源を集中しています。同社は中堅・中小のものづくり企業ネットワークや産業コーディネーターによる目利き能力を強みとし、技術面の適合性と商流面の実現可能性を同時に担保することで高精度のマッチングを提供する差別化を図っています。収益面では基本利用料、面談・成約の成果報酬、SaaSの導入支援料と月額利用料、リサーチやイベントの契約報酬といった複数の柱からの収益化を進めています。

新市場開拓と事業拡大では、地域金融機関向けのLFB導入機関数の拡大とオプション機能・サポートの拡充を通じて、金融機関経由での広域連携とマッチング機会の創出を狙っています。同社は製造業以外の業種にもIoTやオープンイノベーションの進展に伴う連携需要が広がると見ており、業種間の垣根を越えたマッチングや地域をまたいだ商流創出に取り組むことでユーザー基盤を拡大し、展示会・セミナー等による顧客開拓と費用対効果を見極めたブランディングを強化していくことを目指しています。

技術革新への取り組みとしては、社内でのシステム内製化を進めつつ生成AIを活用した「Linkers Trend Map」による論文・特許の大規模分析や、AIと調査員を組み合わせたリサーチ機能でマッチング精度を高めることを重視しています。システムの安定性・情報セキュリティの強化、優秀なエンジニアの採用・育成による技術基盤の充実を図り、独自データとネットワークを組み合わせたSaaSの拡大で継続的に情報蓄積を進め、マッチング速度と精度の向上による顧客価値の最大化を目指しています。