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東洋ドライルーブJP:4976
事業内容
東洋ドライルーブ株式会社は、ドライルーブ製品の開発・製造・販売と、それらを自動車機器や電気・電子機器の駆動部にコーティングする加工および加工法の技術指導を主たる事業としています。
同社は独自の配合・分散技術を用いて、薄い被膜で潤滑性や低摩擦性、非粘着性などの機能を付与する製品を手掛けています。
主要な顧客は自動車機器メーカーや光学機器、電気・電子機器、OA機器メーカーで、製品販売と部品へのコーティング加工、技術指導の三本柱で収益を上げています。
国内は本社と複数の子会社・関連会社で加工を行い、海外(中国・タイ・ベトナム)にも拠点を展開しており、特に自動車向けのコーティング需要が近年増えています。
事業は大きく製品の開発・製造・販売、製品のコーティング加工、コーティング技術の指導に分かれています。
製品ラインは二硫化モリブデン、フッ素樹脂、グラファイトなどを主成分とし、それぞれワイパーや駆動系部品、光学機器や電子機器の可動部など用途に応じて使い分けています。
経営方針
同社は持続的な成長と安定的な事業収益の確保を目指しています。売上総利益率や営業利益率、経常利益率といった収益指標を常に意識しつつ、研究開発や生産体制の強化のために先行投資を行い、営業活動によるキャッシュ・フローの増強を図る方針です。財務面では健全な体質の維持を重視しており、設備投資と収益性の両立で中長期的な株主価値の向上を目指しています。
重点投資分野は研究開発と生産の自動化・省力化であり、同社は独自の配合設計技術と分散技術という二つのコア技術を差別化の源泉としています。具体的には、発熱被膜(特許取得)や速乾性潤滑被膜「LUBICK」シリーズなどの新製品開発に継続投資するとともに、AIやカメラを搭載したロボット、画像認識センサー、無人搬送車(AGV)などを導入して品質向上と1人あたり生産性の向上を進めています。これにより薄膜によるエネルギー損失低減や部品寿命延伸といった機能面での優位性を確保しています。
新市場の開拓では自動車分野の電動化の流れ(ハイブリッド、プラグイン、電気自動車、燃料電池車など)を主要な成長機会と位置づけ、電気・電子、光学機器向けの需要も取り込む計画です。海外展開については中国・タイ・ベトナムを含む拠点を活用し、海外子会社と連携してアジア・アセアン市場の深耕を図っています。グループ体制としては国内外の子会社6社および持分法適用の中国関連会社2社を通じ、2019年4月の長野ドライルーブ、2020年6月の大分ドライルーブ、2023年1月の真永の子会社化といった具体的な組織強化も行っています。
技術革新への取り組みは同社戦略の中核であり、摩擦・熱・電気のエネルギー制御を軸に製品ラインを広げています。熱制御被膜や電気制御被膜、撥水・耐薬・光学用途など計8分類の製品開発を進め、製造工程での環境負荷低減や被膜の耐久性向上による製品寿命延長で持続可能性に貢献することも明確な目標です。研究開発体制と生産設備への投資を通じて市場の要求に即した機能を速やかに実装し、他社との差別化を図っていきます。