タカラバイオJP:4974

時価総額
¥946.5億
PER
-10.5倍
試薬、機器、受託、遺伝子医療の各事業を展開し、PCR技術や遺伝子治療薬、再生医療製品の製造・販売を手がける企業。

事業内容

タカラバイオは、試薬、機器、受託、遺伝子医療の各事業を展開しています。これらの事業は、バイオテクノロジーを活用し、大学や研究機関、企業などを主な顧客としています。製品やサービスは販売代理店を通じて提供され、技術セミナーの開催などで付加価値を高めています。

試薬・機器・受託事業では、PCRやクローニング、遺伝子導入などの技術を基盤に、DNA/RNA解析製品や幹細胞関連製品を提供しています。また、CDMO事業として、再生医療製品の製造受託や遺伝子解析サービスを展開しています。

試薬分野では、1979年に国産初の制限酵素を発売し、遺伝子工学研究用試薬の開発を進めています。ClontechやCellartisなどの製品群を加え、超微量核酸サンプル解析や空間トランスクリプトーム解析の製品も強化しています。

機器分野では、1988年にPCR法に必須のサーマルサイクラーの輸入販売を開始し、独自のPCR装置を開発しています。シングルセル解析分野の技術を持つ企業を買収し、製造・販売力を強化しています。

受託事業では、再生・細胞医療・遺伝子治療製品の製法開発から製造までを請け負うCDMO受託に注力しています。遺伝子解析・検査関連受託では、次世代シーケンス解析を用いた大規模ゲノム解析や遺伝子検査サービスを提供しています。

遺伝子医療分野では、遺伝子工学技術を応用し、バイオ創薬基盤技術の価値を最大化しています。遺伝子治療薬の開発や、mRNAワクチンの製造補助剤の開発・販売を行っています。また、臨床開発プロジェクトとして、遺伝子改変T細胞療法の開発を進めています。

タカラバイオは、宝ホールディングスの子会社として、バイオテクノロジー専業の事業を推進しています。グループ内では、試薬や機器の開発・製造・販売を行い、各地域での事業展開を進めています。

経営方針

タカラバイオは、革新的なバイオ技術の開発を通じて人々の健康に貢献することを企業理念としています。特に、遺伝子治療を中心としたバイオテクノロジーを活用し、試薬・機器事業とCDMO事業を通じて社会貢献と企業価値の向上を目指しています。

同社は「長期経営構想2025」を策定し、試薬・機器事業とCDMO事業を通じて新モダリティを創出し続ける創薬企業を目指しています。2023年には「中期経営計画2025」を発表し、具体的な実行計画を進めています。

成長戦略として、タカラバイオは事業領域の拡大と新技術の開発を掲げています。アカデミアから産業応用、臨床関連分野、創薬へと事業を広げ、研究用試薬やCDMO事業の新製品開発を進めています。

「中期経営計画2025」では、ライフサイエンス産業のグローバルプラットフォーマーとしての地位確立や、製造・マーケティング体制の整備、品質管理の強化を進めています。また、創薬基盤技術の価値最大化と新製品開発のスピードアップを図っています。

経営基盤強化策として、タカラバイオは成長領域への投資と株主還元を通じてROEの向上を目指しています。さらに、従業員とのつながりを深め、持続可能な社会の実現と企業の持続的成長を両立させることを目指しています。

タカラバイオは、連結営業利益やROEを定量目標とし、売上高や研究開発費をKPIとして事業成長を図っています。持続的成長を実現するため、スピード感を持って施策を実施しています。