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クリングルファーマJP:4884
沿革
2001年12月 |
医薬品、遺伝子治療に関する研究開発を事業目的として、大阪市北区にクリングルファーマ株式会社(資本金10,000千円)を設立 |
2002年8月 |
本社を大阪市北区から大阪市中央区に移転 |
2004年7月 |
本社を大阪市中央区から大阪府豊中市に移転 |
2004年10月 |
大阪府茨木市に研究所を開設 |
2005年5月 |
中村敏一氏(大阪大学名誉教授)より、HGFタンパク質の開発実施権の許諾を得て、新規パイプラインとして開発を開始。(開発コード:KP-100) |
2007年6月 |
GMP準拠によるKP-100原薬を量産する製造方法を確立 |
2007年7月 |
HGFに関する基礎研究を目的として大阪大学にクリングルファーマ再生創薬研究部門を開設(2012年3月に閉鎖) |
2007年11月 |
HGFからなる動物用医薬品の早期実用化を目的として、日本全薬工業株式会社と共同研究契約及びライセンス契約を締結 |
2008年10月 |
米国において、腎不全患者を対象とするKP-100の第Ⅰa相試験を開始 |
2009年7月 |
米国における、腎不全患者を対象とするKP-100の第Ⅰa相試験を終了 |
2010年9月 |
米国において、慢性腎不全患者を対象とするKP-100の第Ⅰb相試験を開始 |
2011年12月 |
日本において、筋萎縮性側索硬化症(以下、ALSという)患者を対象とした第Ⅰ相試験を開始 |
2012年4月 |
米国における、腎不全患者を対象とするKP-100の第Ⅰb相試験を終了 |
2012年6月 |
本社を大阪府豊中市から大阪府茨木市に移転 |
2014年6月 |
日本において、脊髄損傷急性期患者を対象としたKP-100ITの第Ⅰ/Ⅱ相試験を開始 |
2014年11月 |
日本において、声帯瘢痕患者を対象としたKP-100LIの第Ⅰ/Ⅱ相試験(医師主導)を開始 |
2015年3月 |
日本における、ALS患者を対象としたKP-100ITの第Ⅰ相試験を終了 |
2016年5月 |
日本において、ALS患者を対象としたKP-100ITの第Ⅱ相試験(医師主導)を開始 |
2016年11月 |
日本における、声帯瘢痕患者を対象としたKP-100LIの第Ⅰ/Ⅱ相試験(医師主導)を終了 |
2018年6月 |
当社が製造した組換えヒトHGFタンパク質を株式会社リプロセルより研究用試薬として販売開始 |
2018年10月 |
日本における、脊髄損傷急性期患者を対象としたKP-100ITの第Ⅰ/Ⅱ相試験を終了 |
2019年9月 |
厚生労働省が脊髄損傷急性期を対象とするKP-100ITを希少疾病用医薬品として指定 |
2020年3月 |
東邦ホールディングス株式会社との資本業務提携を通じて、脊髄損傷急性期を対象とするKP-100IT医薬品の卸売流通体制を構築 |
2020年4月 |
米国クラリス・バイオセラピューティクス社とライセンス及び供給契約を締結 |
2020年7月 |
日本において、脊髄損傷急性期患者を対象としたKP-100ITの第Ⅲ相試験を開始 |
2020年8月 |
丸石製薬株式会社との資本業務提携を通じて、脊髄損傷急性期を対象とするKP-100IT医薬品の販売体制を構築 |
2020年12月 |
東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場 |
2021年2月 |
慶應義塾大学医学部との脊髄損傷に対するHGF(肝細胞増殖因子)治療を応用した複合的研究に関する共同研究契約締結 |
2021年8月 |
米国クラリス・バイオセラピューティクス社による神経栄養性角膜炎を対象とする第Ⅰ/Ⅱ相試験の開始 |
2021年9月 |
組換えヒトHGFタンパク質(KP-100)の国際一般名称が「Oremepermin Alfa」(オレメペルミン アルファ)に決定 |
2021年12月 |
ALSを対象とする第Ⅱ相試験(医師主導治験)の最終観察日の終了 |
2022年3月 |
慶應義塾大学医学部岡野栄之教授が科学アドバイザーに就任 |
2022年3月 |
慶應義塾大学医学部と慢性期脊髄損傷に対する治療に関する特許を共同出願 |
2022年4月 |
東京証券取引所グロースに市場区分を変更 |
2022年9月 |
慶應義塾大学医学部と脊髄損傷に対するHGFとiPS細胞併用治療に関する特許を共同出願 |
2022年11月 |
組換えヒトHGFタンパク質の新たな製造方法に関する特許を出願 |
2022年11月 |
日本において、声帯瘢痕患者を対象としたKP-100LIの第Ⅲ相試験(医師主導)を開始 |
2023年4月 |
日本における、脊髄損傷急性期患者を対象としたKP-100ITの第Ⅲ相試験の患者組入れを完了 |
2023年9月 |
米国において、組換えヒトHGFタンパク質製造の効率・拡大化に向けてクラリス・バイオセラピューティクス社との協業開始 |
事業内容
クリングルファーマは、難治性疾患に対する治療薬の研究開発に特化したバイオベンチャー企業です。同社は、特に「症例数が少なく、原因不明で、治療法が確立しておらず、生活面への長期にわたる支障がある疾患」に焦点を当てています。設立以来、中村敏一氏によって発見されたHGF(肝細胞増殖因子)タンパク質を開発パイプラインとして導入し、組換えDNA技術を応用したタンパク質の製造法の確立や非臨床試験を実施してきました。その結果、組換えヒトHGFタンパク質の医薬品としての安全性を確認し、脊髄損傷急性期を対象とする臨床試験において有効性を示唆する結果を得ることができました。
同社は、自社での医薬品製造販売承認申請を基本方針とし、脊髄損傷急性期、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、声帯瘢痕、急性腎障害などの治療薬開発に取り組んでいます。また、クラリス・バイオセラピューティクス社への原薬供給も行っており、ハイブリッド型の事業モデルを志向しています。
クリングルファーマは、新薬開発プロセスに従い、基礎研究から臨床試験、承認申請に至るまでの一連のプロセスを実施しています。特に、難治性疾患に対する治療薬の開発においては、大学との共同研究を通じて専門的な知識を活用し、成功確率を高める基礎研究を進めています。また、非臨床試験や製造については、専門技術を活用し、迅速に進めています。さらに、臨床試験の一部業務については、開発業務受託機関に委託して品質・開発速度を確保しています。
クリングルファーマは、難治性疾患に対する治療薬の開発を通じて、社会に貢献することを使命としています。
経営方針
クリングルファーマは、難治性疾患治療薬の研究開発に特化したバイオベンチャー企業として、特に希少疾患を対象に事業を展開しています。同社は、組換えヒトHGFタンパク質の研究開発を通じて創薬イノベーションを起こし、難病に苦しむ患者に対して画期的な治療手段を提供することを企業理念としています。自社での医薬品製造販売承認申請を基本方針とし、脊髄損傷急性期、ALS、声帯瘢痕、急性腎障害などの治療薬開発に取り組んでいます。
製薬業界の経営環境は、高齢化に伴う医療費の増大や薬価改定期間の短縮などにより、新薬開発のためのコスト増大が進んでいます。これに対応するため、クリングルファーマは、特定の患者群に効果的な治療が行える医薬品の開発に移行し、経営資源を特定分野に集中しています。また、国内外での製薬企業の合従連衡が進み、自社創薬開発において重点領域の絞込みが行われている現状に対応しています。
同社は、進行パイプラインの開発促進、新たなパイプラインの開発、原薬の量産・供給体制の確立、財務体質の強化を優先的に対処すべき課題として取り組んでいます。特に、脊髄損傷急性期やALSの治療薬開発においては、臨床試験の進捗を経営目標とし、その達成状況を会社経営の指標と考えています。さらに、クラリス・バイオセラピューティクス社への原薬供給や公的資金の活用を進めることで、量産・供給体制の確立と財務体質の強化を目指しています。
クリングルファーマは、難治性疾患に対する治療薬の開発を通じて社会に貢献することを使命とし、新薬開発プロセスの一連のプロセスを実施し、大学との共同研究や専門技術の活用を通じて成功確率を高め、迅速な開発を進めています。