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クリングルファーマJP:4884
事業内容
クリングルファーマは、大学発のバイオベンチャーとして組換えヒトHGFタンパク質を使った医薬品の研究開発を行っており、難治性疾患向けの治療薬を自社で製造販売承認まで進めることを目指しています。同社は脊髄損傷急性期や声帯瘢痕、ALS、急性腎障害など症例数が少ない領域に注力し、臨床試験を進めています。
主要な顧客は高度医療機関や大学病院、開発や販売の提携先となる製薬企業や卸売業者で、患者向けには専門施設を通じて届けることを想定しています。収益は契約一時金、マイルストーン収入、販売後のロイヤリティ、製品販売や原薬供給による売上などの組み合わせで構成しており、公的助成金や共同研究収入も開発資金の重要な柱になっています。
事業は医薬品開発の単一セグメントに集約しており、主力はHGFを有効成分とするパイプラインです。製剤特許や製造ノウハウを保有し、製造は外部の受託機関に委託して効率化を図る一方、適応拡大や海外展開、他社への原薬供給やライセンス提携による収益化も視野に入れて事業を進めています。
経営方針
クリングルファーマは成長戦略の柱として、組換えヒトHGFタンパク質を主軸に難治性疾患向けの医薬品を自社で製造販売承認まで持ち込み、事業化することを目指しています。同社は短期的な売上確保よりも開発進捗を経営指標と位置づけており、脊髄損傷(急性期)では第Ⅲ相の患者組入れを2023年4月に完了、最終症例の経過観察は2023年10月に終了、2024年2月に速報結果を得た一方で追加臨床試験の実施を決定しており、追加試験の資金確保のため2025年8月に第16回新株予約権を発行するなど、承認に向けた明確なマイルストーンを追っています。
重点投資分野は組換えヒトHGFタンパク質を用いたパイプラインで、脊髄損傷、声帯瘢痕、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、急性腎障害など症例数が限られる領域に集中しています。差別化戦略としては、自社で製造販売承認を取得する方針のもとで製剤設計や製造ノウハウの蓄積に注力しつつ、外部受託製造との組み合わせで効率化を図っています。声帯瘢痕の第Ⅲ相は2022年11月に治験を開始し、2025年1月時点で計8施設で症例登録を進めるなど臨床体制を整備しており、国の公的研究支援(AMEDのCiCLE採択)も活用して開発負担を軽減しています。
新市場開拓や事業拡大では、原薬供給とライセンス展開を収益化の重要路線と位置づけています。同社はクラリス・バイオセラピューティクスとの業務提携(2023年9月)で原薬の製造法効率化に着手し、同社への原薬供給契約も結んでおり、将来的なグローバル供給体制の確立を目指しています。米国での臨床開発や製造開発についても資金調達を目的とした新株予約権発行(第13回は2023年9月発行、2024年5月に行使完了)などを通じて準備を進め、資金に余裕ができ次第、例えば急性腎障害に対する開発の再開などパイプライン拡充を図る計画です。
技術革新への取り組みとしては、これまでの臨床試験で得た知見を基に試験設計やバイオマーカー解析を深化させることを優先しています。ALSの第Ⅱ相結果を踏まえ、東北大学と2024年4月にバイオマーカー解析の共同研究契約を締結し、効果の出やすい患者群の特定を目指しています。また、製造面では大型供給に備えた工程改善を進めており、臨床データの追加取得と製造効率化を並行して進めることで、承認申請と市場投入の成功確度を高めることを同社は目指しています。