インテリジェント ウェイブJP:4847

時価総額
¥253.1億
PER
14.9倍
情報サービス業の有力企業。金融向けに決済ネットワーク接続・認証・カード不正検知・加盟店管理など自社開発パッケージをオンプレ/クラウド両対応で展開。情報漏えい対策製品とサイバーセキュリティ製品の販売・保守を提供。親会社と関連会社1社で構成、国内中心に展開。

事業内容

インテリジェント ウェイブは、情報サービスを主軸に、金融機関向けの業務システム開発と情報セキュリティ製品の開発・販売を手がける企業です。同社は特に決済領域を主力とし、自社開発のパッケージを基盤に決済ネットワーク接続や認証、カード不正検知、加盟店管理といったシステムを社内設置型とクラウド型の両方で提供しています。

同社の主要顧客はクレジットカード会社、銀行、証券会社などの金融機関で、これら向けの開発・導入・保守で安定した収益を確保しています。情報セキュリティ製品は業界を問わず企業や組織に販売しており、製品販売に加え保守サービスやクラウド利用料などの継続的な収入も重要な収益源になっています。

同社の事業は大きく「金融業界向け事業」と「情報セキュリティ事業」の二本柱に分かれます。金融向けは決済関連のソフト提供とシステム開発・運用が中心で、情報セキュリティ側は内部情報漏えい対策の自社製品やサイバーセキュリティ製品の販売・保守を行い、最近は放送分野など新規領域への展開も進めています。

経営方針

同社は「Transformation for the Future」を掲げ、2025年6月期からの3カ年中期計画で持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。最終年度となる2027年6月期には売上高190億円、営業利益28.5億円(営業利益率15.0%)、ROE17.0%以上を目標に掲げており、2025年の実績(約156億円)から短期間で収益性を高めることを狙っています。これを達成するために同社は3年間を「事業」「技術」「人財」の変革期間と位置づけ、収益基盤の多角化と安定化に注力しています。

同社は重点投資分野として、決済、情報セキュリティ、データ通信・分析基盤の三領域に資源を集中しています。具体的には自社開発パッケージを軸に、決済ネットワーク接続や認証、カード不正検知、加盟店管理といった機能をオンプレミスとクラウドの両形態で提供し、保守やクラウド利用料による継続収入の比率を高める施策を進めています。これにより、2027年の事業別売上は決済で146億円、セキュリティで28億円、データ通信・分析基盤で16億円を見込むなど、領域ごとの成長を明確に描いて差別化を図っています。

同社は新市場開拓と事業拡大にも積極的です。従来のクレジットカード会社や銀行など金融機関向けの強みをベースに、放送分野など業界横断的な導入実績を積むことで顧客基盤を広げる計画です。加えて、DNPグループとの連携を深めてグループの顧客基盤へ自社ソリューションを横展開し、クラウド型サービスやサブスクリプションモデルの導入で継続的な収入源を拡大することを目指しています。

同社は技術革新を成長の原動力と位置づけ、高速・大量データの通信・分析・処理技術を中核に、デジタル化や先端技術との融合を進めています。既存製品の付加価値向上だけでなく、これらの技術を活用した新規事業の創出を具体目標とし、そのために研究開発投資と並行して社員のスキル可視化やリスキリング、管理職育成など人材施策を実行しています。同社はこうした技術・人材への投資により、安定した収益基盤と中長期の競争力強化を図っています。