DICJP:4631

時価総額
¥2773.8億
PER
パッケージング&グラフィックセグメントでは、グラビアインキやフレキソインキ、オフセットインキ、新聞インキ、ジェットインキ、金属インキ、印刷用プレート、セキュリティインキ、ポリスチレン、包材用接着剤、多層フィルムを提供。カラー&ディスプレイセグメントでは、塗料用顔料、プラスチック用顔料、インキ用顔料、スペシャリティ用顔料、カラーフィルタ用顔料、化粧品用顔料、ヘルスケア食品、TFT液晶、STN液晶を手がける。ファンクショナルプロダクツセグメントでは、インキ・塗料用、成形用、接着用、繊維加工用の各種合成樹脂(ポリエステル、エポキシ、ウレタン、アクリル、改質剤、フェノール)、製紙用薬品、硫化油、繊維着色剤、金属石鹸、電子材料用界面活性剤、PPSコンパウンド、樹脂着色剤、住宅内装建材、工業用テープ、中空糸膜、中空糸膜モジュール、理化学・診断薬資材、機能性光学材料を提供。

沿革

1908年2月

東京・本所に川村インキ製造所創業(1912年に商号を川村喜十郎商店に変更)

1932年5月

上海出張所を開設

1937年2月

資本金100万円の法人組織となし、商号を大日本インキ製造株式会社として設立

(設立登記日1937年3月15日)

1945年3月

本店(本社工場)を本所より板橋に移転(現東京工場)

1950年5月

株式を東京証券取引所に上場(1961年より市場区分として第一部)

1952年2月

米国の合成樹脂メーカー Reichhold Chemicals, Inc.との合弁出資により、各種合成樹脂の製造・販売を行う日本ライヒホールド化学工業株式会社(JRC)を設立

1960年7月

タイで合弁出資によりタイ・ワタナ・インダストリーを設立、1962年よりバンコック郊外で印刷インキ生産を開始

1960年11月

JRCが株式を店頭公開

1961年11月

JRCが株式を東京証券取引所市場第二部に上場

1962年10月

JRCを吸収合併し、商号を大日本インキ化学工業株式会社(DIC)に変更

1968年1月

米国Hercules Inc.との合弁により、製紙用薬品事業を行うディック・ハーキュレス株式会社設立(その後1992年に合弁を解消し日本ピー・エム・シー株式会社、1996年に日本PMC株式会社、2003年に星光化学株式会社と合併し星光PMC株式会社、現連結子会社)

1968年5月

シンガポール大日本インキ化学工業(後のDIC Asia Pacific Pte Ltd)を設立

1968年10月

新技術開発事業団からの委託研究「B-B留分を出発原料とするエポキシ樹脂の開発」が成功認定、独占実施権を獲得(1971年事業化)

1973年5月

使用温度範囲、コントラスト、寿命などで従来水準を大きく上回る画期的なネマティック型液晶を開発、電卓での採用を獲得

1974年3月

タイで合弁出資によりSiam Chemical Industry Co., Ltd.を設立、1975年より合成樹脂生産を開始

1974年7月

高たん白らせん藻「スピルリナ」の企業化を開始(健康食品事業へ参入)

1979年3月

米国の印刷材料メーカー Polychrome Corp.(1989年にSun Chemical Corporationへ吸収合併)を株式の公開買付により買収

1980年10月

米国Phillips Petroleumからの技術導入によりPPSコンパウンドの技術を導入

1986年12月

米国Sun Chemical Corporationのグラフィックアーツ部門を買収、新Sun Chemical(現連結子会社)として発足

1987年9月

米国Reichhold Chemicals Inc.を株式の公開買付により買収

1996年12月

日本PMC株式会社(現星光PMC株式会社)が株式を東京証券取引所市場第二部に上場

1997年12月

米国Eastman Kodakとの合弁出資により、印刷材料メーカーKodak Polychrome Graphics(KPG)を設立

1999年12月

フランスTotalfina S.A.他より印刷インキ事業(Coatesグループ)を買収

2003年7月

中国における地域統括会社として迪愛生投資有限公司を設立

2005年4月

2005年9月

2008年4月

2009年10月

2012年1月

2012年7月

2015年7月

2017年1月

2021年6月

2022年4月

KPGから出資分の資本償還を受けたことにより、米国Eastman KodakがKPGを100%子会社化

ReichholdグループをMBO方式により売却

創業100周年を機に、商号をDIC株式会社に変更

大日本印刷株式会社の子会社であるザ・インクテック株式会社(現株式会社DNPファインケミカル)と国内印刷インキ事業を統合しDICグラフィックス株式会社を設立

星光PMC株式会社が株式を東京証券取引所市場第一部に上場

Benda-Lutzグループを買収し、エフェクト顔料事業に本格参入

英国Kingfisher Coloursを買収し、化粧品用顔料事業に本格参入

太陽ホールディングス株式会社と資本業務提携

ドイツBASF社から顔料事業(Colors & Effects事業)を買収

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行

事業内容

DICは、包括的な化学製品メーカーであり、その事業は主に3つのセグメントに分かれています。第一のセグメントは「パッケージング&グラフィック」で、ここではプリンティングマテリアルとパッケージングマテリアルが主要製品です。プリンティングマテリアルには、グラビアインキ、フレキソインキ、オフセットインキ、新聞インキ、ジェットインキ、金属インキ、印刷用プレート、セキュリティインキが含まれます。パッケージングマテリアルには、ポリスチレン、包材用接着剤、多層フィルムが含まれます。

第二のセグメントは「カラー&ディスプレイ」で、カラーマテリアルとディスプレイマテリアルが主要製品です。カラーマテリアルには、塗料用顔料、プラスチック用顔料、インキ用顔料、スペシャリティ用顔料、カラーフィルタ用顔料、化粧品用顔料、ヘルスケア食品が含まれます。ディスプレイマテリアルには、TFT液晶、STN液晶が含まれます。

第三のセグメントは「ファンクショナルプロダクツ」で、パフォーマンスマテリアルとコンポジットマテリアルが主要製品です。パフォーマンスマテリアルには、インキ・塗料用、成形用、接着用、繊維加工用の各種合成樹脂(ポリエステル、エポキシ、ウレタン、アクリル、改質剤、フェノール)、製紙用薬品、硫化油、繊維着色剤、金属石鹸、電子材料用界面活性剤が含まれます。コンポジットマテリアルには、PPSコンパウンド、樹脂着色剤、住宅内装建材、工業用テープ、中空糸膜、中空糸膜モジュール、理化学・診断薬資材、機能性光学材料が含まれます。

これらのセグメントを通じて、DICは多岐にわたる産業に対して高品質な製品とサービスを提供しています。

経営方針

DICは、その中期経営計画「DIC Vision 2030」を通じて、社会の持続的繁栄に貢献する事業ポートフォリオの構築を目指しています。この計画では、「グリーン」「デジタル」「Quality of Life(QOL)」の3つの社会的要請に対応するため、DICの強みを活かせる5つの重点事業領域を定めています。これらの領域は、サステナブルエネルギー、ヘルスケア、スマートリビング、カラーサイエンス、サステナブルパッケージングに焦点を当てています。

同社は、これらの重点領域において、市場成長性と社会への影響度を基準に、社会課題とDICの強みが重なり合う分野での事業展開を進めています。特に、サステナブルエネルギーとヘルスケア領域を新たな事業の柱として育成し、スマートリビング、カラーサイエンス、サステナブルパッケージ領域では、よりサステナブルな事業への転換を推進しています。

この戦略の下、DICは人的資本経営の強化、戦略投資、技術プラットフォームの拡充、グローバル経営体制の強化、IT・DXの推進など、重要施策を実行しています。また、サステナビリティ戦略として、社会課題の解決に貢献できるサステナブル製品の拡大、CO₂排出量削減の推進、サーキュラーエコノミーへの対応を進めています。

「DIC Vision 2030」の基本方針は、進化した「Color & Comfort」の価値提供を通じて、社会的利益を追求し、長期的な企業価値の向上を目指すことにあります。DICは、インキ製品に依存しない事業ポートフォリオの確立とカーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みを進めています。