ステムリムJP:4599

時価総額
¥275.4億
PER
153.5倍
この会社は、再生誘導医薬®を中心とした再生医療技術の研究開発を行っています。具体的には、損傷した組織の再生を促進する医薬品の開発、幹細胞の制御技術、スクリーニング系による新規再生誘導医薬シーズの探索、非臨床薬効薬理試験、安全性試験、初期臨床試験等を実施しています。また、ライセンスアウトによる収入も得ており、パートナー企業との共同研究契約も行っています。

沿革

2006年10月

国立大学法人大阪大学 大学院医学系研究科の玉井克人教授らが同定した骨髄多能性幹細胞動員因子を医薬品として開発することを目的に会社設立。

2007年4月

大阪大学との共同研究を開始。以後、研究成果の知財化を進め、これまでに多数の特許を取得。

2010年4月

本社を彩都バイオインキュベータ(大阪府茨木市)に移転。彩都ラボ開設。
塩野義製薬株式会社と骨髄由来幹細胞動員因子に関する共同研究契約締結。(注)1

2011年11月

独立行政法人 科学技術振興機構(JST) A-STEP本格研究開発シーズ育成タイプに採択。

2012年6月

神戸ポートアイランド内に神戸ラボ(兵庫県神戸市)を開設。疾患モデル動物を用いた薬効試験の実施体制を強化。

2013年7月

彩都バイオインキュベータ内のラボを増床。加えて自社の動物飼育/実験施設を開設し、神戸ラボの機能を吸収。

2013年12月

独立行政法人 科学技術振興機構(JST) A-STEP本格研究開発シーズ育成タイプに採択。大阪大学の早期探索的臨床試験拠点整備事業と連携し、医師主導治験を支援。

2014年4月

大阪大学最先端医療イノベーションセンターの共同研究プロジェクトに採択(テーマは「体内再生誘導医薬開発のための非臨床試験及び新規候補物質の探索」)。大阪大学ラボ開設。

2014年5月

独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 2013年度イノベーション実用化ベンチャー支援事業に採択。

2014年11月

塩野義製薬とレダセムチド(HMGB1ペプチド)に関するライセンス契約締結。(注)2

2015年8月

大阪大学にてレダセムチドに関する医師主導治験開始。

2017年3月

レダセムチドに関する表皮水疱症を対象とした医師主導治験(第Ⅰ相試験)終了。

2017年8月

中小企業庁助成事業「戦略的基盤技術高度化支援事業」に採択。

2017年12月

大阪大学においてレダセムチドに関する表皮水疱症を対象とした医師主導治験(第Ⅱ相試験)開始。

2018年7月

株式会社ステムリム(StemRIM Inc.)に社名変更。

2019年4月

塩野義製薬においてレダセムチドに関する脳梗塞を対象とした企業治験(第Ⅱ相試験)開始。

2019年8月

東京証券取引所マザーズに株式を上場。

2020年4月

レダセムチドに関する表皮水疱症を対象とした医師主導治験(第Ⅱ相試験)終了。

2020年6月

大阪大学・テクノアライアンス棟に再生誘導医学協働研究所(床面積1,540㎡)を開設。

2020年6月

塩野義製薬とレダセムチドの適応拡大(変形性膝関節症、慢性肝疾患、心筋症)に向けた新たな契約を締結。

2020年11月

国立大学法人弘前大学においてレダセムチドに関する変形性膝関節症を対象とした医師主導治験(第Ⅱ相試験)開始。

2020年11月

国立大学法人新潟大学においてレダセムチドに関する慢性肝疾患を対象とした医師主導治験(第Ⅱ相試験)開始。

2021年12月

レダセムチドに関する急性期脳梗塞を対象とした企業治験(第Ⅱ相試験)終了。

2022年4月

東京証券取引所の市場区分見直しによりマザーズからグロースに市場区分を変更。

2022年7月

レダセムチドに関する栄養障害型表皮水疱症を対象とした追加第Ⅱ相臨床試験開始。

2023年4月

レダセムチドに関する慢性肝疾患を対象とした医師主導治験(第Ⅱ相試験)終了。

2023年4月

日本及び米国においてレダセムチドに関する脳梗塞を対象とした医師主導治験(グローバル後期第Ⅱ相試験)開始。

2023年7月

欧州及び中国においてレダセムチドに関する脳梗塞を対象とした医師主導治験(グローバル後期第Ⅱ相試験)開始。

事業内容

ステムリムは、再生医療分野において革新的な取り組みを行っている企業です。同社が開発を進める「再生誘導医薬®」は、損傷した生体組織の機能的再生・治癒を促進する新しい作用メカニズムに基づく医薬品です。この医薬品は、従来の再生医療や細胞治療と異なり、生きた細胞の投与を必要とせず、医薬品の投与によって患者自身の体内に存在する幹細胞を活性化させることで、治療効果を実現します。

ステムリムの事業モデルは、自社研究や大学等との共同研究を通じて新規再生誘導医薬®シーズの探索を行い、特許出願を通じて知的財産の構築を進めるというものです。同定した候補物質については、製造方法の開発、非臨床薬効薬理試験、安全性試験、初期臨床試験等を実施し、医薬品開発の成功可能性と知的財産価値を高めた上で、国内外の製薬企業に対して開発権、製造権、販売権等をライセンスアウトします。これにより、契約一時金、マイルストーン収入、製品上市後のロイヤリティ収入等を得るビジネスモデルを採用しています。

また、ステムリムは、パートナー企業との共同研究契約を締結し、共同研究収入を得ることで、自社の費用負担を低減しつつ、パートナー企業の開発リソースを活用することで、研究開発を加速できるメリットを享受しています。

ステムリムの事業セグメントは、再生誘導医薬®事業のみの単一セグメントであり、事業の系統図及び事業収入の形態は、契約一時金、マイルストーン収入、ロイヤリティ収入、共同研究収入、その他一時金収入など多岐にわたります。

経営方針

ステムリムは、再生医療分野において、人体の組織修復能力を引き出す「再生誘導医薬®」の開発に注力しています。同社は、この革新的な医薬品を通じて、世界の健康と幸福の実現に貢献することを経営理念として掲げています。再生誘導医薬®は、損傷した生体組織の機能的再生を促進することで、従来の治療法とは一線を画す治療効果を実現することを目指しています。

ステムリムの成長戦略は、新規再生誘導医薬®の探索研究に積極的に投資し、顕著な活性を有する新規候補化合物の同定に努めることにあります。これにより、開発パイプラインを質・量ともに充実させ、企業価値の向上と経営の安定化を目指しています。また、共同研究や事業提携を推進し、研究・開発体制の充実を図ることも重要な戦略です。

同社は、再生医療分野における環境変化の速さと潜在的な競争相手に先行する必要性を認識しており、新規事業の開発推進、臨床応用の加速、研究助成金の獲得、優秀な人材の育成及び獲得に注力しています。これらの取り組みを通じて、ステムリムは、再生誘導技術基盤のさらなる展開と細胞治療分野における革新を目指しています。

ステムリムの事業モデルは、自社研究や共同研究を通じて新規再生誘導医薬®シーズの探索、知的財産の構築、候補物質の開発、そして国内外の製薬企業へのライセンスアウトを核としています。これにより、一時金、マイルストーン収入、ロイヤリティ収入等を得るビジネスモデルを採用し、研究開発の加速と費用負担の低減を図っています。