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ブライトパス・バイオJP:4594
沿革
2003-05 | 福岡県久留米市旭町67番地に当社設立(資本金10,000千円) |
2006-01 | ITK-1の去勢抵抗性前立腺がんに対する第Ⅰ相臨床試験を開始 |
2008-11 | 本社を福岡県久留米市百年公園1番1号に移転 |
2009-06 | 東京支社を東京都文京区本郷に設置 |
2009-07 | ITK-1の膠芽腫及び去勢抵抗性前立腺がんに対する第Ⅰ相臨床試験継続投与試験が完了 |
2011-11 | 富士フイルム株式会社とITK-1に関する独占的ライセンス契約を締結 |
2013-06 | ITK-1の去勢抵抗性前立腺がん患者に対する第Ⅲ相臨床試験を開始 |
2014-10 | 東京支社を東京都千代田区麹町に移転 |
2015-06 | ITK-1の去勢抵抗性前立腺がん患者に対する第Ⅲ相臨床試験の中間解析の結果、最終解析における主要評価項目達成の見込みが一定以上あることが示され、効果安全性評価委員会が計画通りの試験継続を推奨 |
2015-10 | GRN-1201のメラノーマ(悪性黒色腫)患者に対する第Ⅰ相臨床試験を開始 東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場 |
2016-08 | 神奈川県川崎市殿町地区に川崎創薬研究所を開所 |
2017-01 | GRN-1201の免疫チェックポイント阻害剤との併用による非小細胞肺がんに対する米国での第Ⅱ相臨床試験を開始 |
2017-07 | 会社名をブライトパス・バイオ株式会社(BrightPath Biotherapeutics Co., Ltd.)に変更 |
2018-04 | 国立研究開発法人理化学研究所(以下:理研)のiPS細胞由来再生NKT細胞療法開発プロジェクトに参画 |
2018-05 | ITK-1の去勢抵抗性前立腺がん患者に対する第Ⅲ相臨床試験の開鍵(キーオープン)を実施 |
2019-05 | ITK-1の開発を中止 |
2019-06 | 本店を神奈川県川崎市川崎区殿町三丁目25番22号に移転 |
2020-06 | iPS-NKT細胞療法の医師主導治験開始 |
2022-04 | 東京証券取引所の市場区分の見直しによりマザーズ市場からグロース市場へ移行 |
2022-05 | HER2 CAR-T細胞療法(BP2301)の医師主導治験開始 GRN-1201の米国第Ⅱ相臨床試験の早期中止を発表 |
2022-11 | 理研に対してiPS-NKTに関わる全世界での独占的開発製造販売権の導入オプションを行使 |
2024-01 | iPS-NKT細胞療法の頭頸部がん患者に対する第Ⅰ相臨床試験が終了 |
事業内容
ブライトパス・バイオは、がん免疫治療薬の開発に特化した創薬ベンチャー企業です。同社は、新規がん免疫治療薬の自社創製または導入を行い、探索研究から早期臨床試験までを手掛けています。その後、国内外の製薬会社に開発製造販売権をライセンスアウトし、ライセンス収入を得るビジネスモデルを採用しています。
同社の開発中のがん免疫治療薬は、がん免疫を再び動かすこと、そして動いた後に元に戻るのを防ぎ持続させることを目指しています。これには、がんワクチン、細胞医薬、抗体医薬などが含まれます。特に、iPS細胞から分化誘導したナチュラル・キラーT(NKT)細胞を用いる細胞医薬(BP2201)や、様々な固形がんで高発現するHER2を標的とするCAR-T細胞療法(BP2301)などが注目されています。
また、同社は免疫チェックポイント分子や免疫調整分子に結合し、その機能を阻害する抗体の開発も進めており、がん免疫を抑制するアデノシン産生に介入するCD73とCD39を標的とするBP1200とBP1202、免疫細胞に発現し、その抑制に関わるTIM-3を標的とするBP1210などが開発パイプラインに含まれています。
さらに、がん細胞由来の遺伝子変異に由来するネオアンチゲンを標的とする完全個別化ネオアンチゲン・ワクチン(BP1209)や、欧米人に多いHLA-A2型の共通抗原ペプチド4種で構成されるがんペプチドワクチン(GRN-1201)など、様々な開発ステージにあるパイプラインを持っています。
ブライトパス・バイオは、これらの革新的ながん免疫治療薬の開発を通じて、がんの克服を目指す人々に新たな治療選択肢を提供することを目標としています。
経営方針
ブライトパス・バイオは、がん免疫治療薬の開発に特化し、新規治療薬の創出を目指す創薬ベンチャーです。同社の成長戦略は、がん免疫治療薬にフォーカスし、オープンイノベーションを通じて国内外のアカデミアやベンチャー企業と連携を深め、ライセンスアウト型の事業モデルを採用することにより、持続可能な開発と企業成長を目指しています。
がん免疫治療薬への特化は、免疫チェックポイント阻害抗体によって証明された創薬コンセプトの有効性と、未だ大きなアンメットメディカルニーズが存在することに基づいています。オープンイノベーションの推進は、最先端のサイエンスへのアクセスを可能にし、がん免疫治療のフロンティアでの開発を加速させるためです。
ライセンスアウト型の事業モデルは、シーズの創製や創薬コンセプト証明に集中し、後期臨床試験以降は製造販売網を有する製薬企業にライセンスアウトすることで、早期収益化を図ります。これにより、長期間に及ぶ研究開発と多額の資金を必要とするプロセスを効率的に進め、経営の機動性を保ちつつ、持続的な企業成長を目指しています。
中長期的な経営戦略としては、がん免疫治療薬で築いた創薬プラットフォームを他の疾患領域にも応用し、新しいモダリティの採用も視野に入れています。また、一部のパイプラインが成功し資金力がついた場合、より多くの収益を同社が取り込めるよう、後期臨床試験以降も進めることを想定しています。
ブライトパス・バイオは、これらの戦略を通じて、がん免疫治療薬の開発におけるリーダーとしての地位を確立し、がんを克服するための新たな治療選択肢を提供することを目指しています。