ペプチドリームJP:4587

時価総額
¥2705.5億
PER
89.1倍
この会社は、独自の創薬開発プラットフォーム「PDPS」を用いた創薬開発事業と、放射性医薬品の研究・開発・製造・販売を行っています。

沿革

2006年7月

菅裕明(フレキシザイム技術の開発者であり、国立大学法人東京大学教授)、窪田規一(元当社取締役会長)を創業者として、東京都千代田区にて当社設立(ラボは東京大学先端科学技術研究センター内)

2006年12月

国立大学法人東京大学とフレキシザイムを中心とした包括的な第三者へのサブライセンス権付き独占実施・許諾権を取得

2007年5月

ニューヨーク州立大学とフレキシザイム開発に係る基本特許に関して第三者へのサブライセンス権付き独占実施・許諾権を取得

2009年3月

本社を東京都目黒区(東京大学先端科学技術研究センター内)に移転

2010年4月

本社及びラボ機能を東京都目黒区(国立大学法人東京大学駒場リサーチキャンパスKOL内)に移転

2010年10月

当社独自の基盤技術である創薬開発プラットフォームシステム(PDPS: Peptide Discovery Platform System)の確立、及びPDPSを用いた初期の創薬共同研究開発プログラムとして、Bristol-Myers Squibb社と創薬開発に関する共同研究開発契約を締結

2013年6月

株式会社東京証券取引所マザーズ市場に上場

2015年12月

東京証券取引所市場第一部に市場変更

2017年7月

本社及び研究所を東京都目黒区(国立大学法人東京大学駒場リサーチキャンパスKOL内)から神奈川県川崎市殿町にある国際戦略拠点「キングスカイフロント」内の新社屋に移転

2017年9月

創業メンバーの一人としてPDPSの基盤技術の確立、及び製薬企業との各種研究開発プログラムをCSO(チーフ・サイエンス・オフィサー)として統括してきたリード・パトリックが代表取締役社長に就任

2017年9月

塩野義製薬株式会社及び積水化学工業株式会社と合弁で特殊ペプチド原薬の製造プロセスに関する研究開発、製造及び販売を行うCDMO(Contract Development and Manufacturing Organization:医薬品開発製造受託機関)、ペプチスター株式会社を設立

2020年4月

三菱商事株式会社と細胞培養向け培地の重要成分である、成長因子を代替するペプチドの開発、製造及び販売を行う合弁会社、ペプチグロース株式会社を設立

2020年11月

富士通株式会社、みずほキャピタル株式会社、株式会社竹中工務店及びキシダ化学株式会社と新型コロナウイルス感染症治療薬の開発を目的とした合弁会社、ペプチエイド株式会社を設立

2022年3月

放射性医薬品事業を実施するPDRファーマ株式会社(現 連結子会社)の株式を取得

2022年4月

東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、東京証券取引所市場第一部からプライム市場に移行

事業内容

ペプチドリームは、独自の創薬開発プラットフォームシステムであるPDPS(Peptide Discovery Platform System)を活用した創薬開発事業と、100%子会社であるPDRファーマ株式会社による放射性医薬品事業を展開しています。創薬開発事業では、特殊環状ペプチドを基にした医薬品開発を中核としており、PDPSを用いてターゲットに対して高い結合能を持つ特殊環状ペプチドをスクリーニングし、最適化を行い臨床試験に進める体制を整備しています。事業モデルとしては、創薬共同研究開発、PDPS技術ライセンス、戦略的提携/自社創薬を組み合わせ、リスク分散と早期売上の実現を目指しています。

放射性医薬品事業では、PDRファーマを通じて国内で放射性医薬品の研究・開発・製造・販売を行っており、SPECT製剤、PET製剤、放射性治療薬を販売しています。また、放射性診断薬の画像読影の支援を目的とした画像解析ソフトウェアの開発・提供も行っています。

ペプチドリームのビジネスモデルは、創薬共同研究開発契約に基づくマイルストーンフィーと売上ロイヤルティー、PDPS技術ライセンスによる技術ライセンス料、戦略的提携/自社創薬による創薬開発権利金など、複数の収益源を有しています。放射性医薬品事業では、製品売上を主たる収益源とし、他社へのライセンスアウト製品が上市した際にはマイルストーンフィー・売上ロイヤルティーを受領する権利も持っています。

経営方針

ペプチドリームは、医療のあり方や患者の人生に変革をもたらす次世代医薬品の創出をミッションとしています。同社は、独自技術であるPDPS(Peptide Discovery Platform System)を基盤に、革新的医薬品の研究開発を先導しています。また、放射性医薬品領域での専門性を持つ子会社PDRファーマとのシナジーを活かし、人々の健康と医療の発展に貢献しています。

経営戦略として、ペプチドリームは創薬共同研究開発契約、PDPS技術ライセンス、戦略的提携/自社創薬の3つの事業戦略を推進しています。これにより、自社パイプラインの開発を加速させるとともに、パートナー企業の多様なニーズに応える体制を構築しています。特に、特殊環状ペプチドの可能性を広くヘルスケア領域で最大化し、そのビジネスモデルとのフィットを重視しています。

放射性医薬品事業においては、PDRファーマを通じて新たな放射性医薬品の創出や海外からの有望な放射性医薬品の導入を進め、事業の拡大を図っています。これらの取り組みは、短期的な企業価値向上と中長期的な成長に貢献すると期待されています。

中長期プランでは、ペプチドリームは「Drug Discovery Powerhouse」としての基盤確立を目指しています。これには、ペプチド創薬におけるエコシステムとパートナーネットワークの発展拡大、PDPSのライセンス先の継続的拡大、多様性を尊重する職場環境の実現、機動性の高い経営体制の推進、そして事業活動の効率化と環境負荷の最小化を含む5つの重点目標に向けた取り組みを推進しています。これらの戦略を通じて、ペプチドリームはグローバルな創薬エコシステムの中心的ハブとしての立ち位置を強化し、さらなる成長を目指しています。