カイオム・バイオサイエンスJP:4583

時価総額
¥67.6億
PER
抗体医薬品の研究開発を行う企業で、ADLib®システム等の独自技術を用いた創薬事業と創薬支援事業を展開。CBA-1205やCBA-1535等の開発候補品を有し、抗体作製サービスも提供。

沿革

年 月

事 項

2005年2月

国立研究開発法人理化学研究所(以下、「理研」)および財団法人埼玉県産業振興公社との共同研究により開発された抗体作製技術であるADLib®システム(*)の実用化を目的として、東京都文京区にて株式会社カイオム・バイオサイエンス(資本金10,000千円)を設立

2005年4月

理研とADLib®システムの実用化を目的として共同研究契約を締結し、研究活動を開始

2005年7月

理研よりADLib®システムに関する発明の第三者へのサブライセンス権付き通常実施許諾権を取得

2009年10月

東京都新宿区に本社移転

2010年8月

国立研究開発法人科学技術振興機構、理研とADLib®システムの産業財産権に係わる特許権等譲渡契約締結

2011年12月

東京証券取引所マザーズに株式を上場

2013年5月

東京都渋谷区に本社移転

2013年12月

株式会社リブテック(以下「リブテック」)の発行済株式を過半数取得することにより子会社化

2015年7月

リブテックを吸収合併

2015年10月

株式会社イーベックへの資本参画

2017年2月

株式会社Trans Chromosomicsへの出資

2017年9月

ADC Therapeutics社(本社、イパリンジェス、スイス、以下、ADCT社)とがん治療用抗体LIV-1205のADC(*)開発用途における開発、製造および販売に関するライセンス契約締結

2018年12月

がん治療用候補抗体Tb535H(現、CBA-1535)及び抗体改変技術Tribody™ (*)の譲受契約締結

2020年7月

当社初の臨床開発品がん治療用候補抗体CBA-1205の第1相臨床試験の開始

2021年1月

Shanghai Henlius Biotech社(本社、中国・上海市、以下、Henlius社)とがん治療用ヒト化抗TROP-2モノクローナル抗体LIV-2008およびLIV-2008bの開発、製造および販売に関するライセンス契約締結(2023年1月、本ライセンス契約終了)

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所のマザーズ市場からグロース市場へ移行

2022年6月

Tribody™の世界初の臨床試験として、当社臨床開発品がん治療用候補抗体CBA-1535の第1相臨床試験の開始

事業内容

カイオム・バイオサイエンスは、抗体医薬品の研究開発に特化したバイオベンチャー企業です。同社は、がんや自己免疫疾患などのアンメットニーズが高い疾患領域に対する抗体医薬の開発を行っています。その技術基盤として、独自の抗体作製技術「ADLib®システム」をはじめとする複数の技術を保有しており、これらを活用して新たな治療薬の創出を目指しています。

同社の事業は大きく分けて「創薬事業」と「創薬支援事業」に分類されます。創薬事業では、自社での抗体医薬品の基礎・探索研究から前臨床段階までを主な事業領域とし、開発した医薬候補品を製薬企業等に導出することで収益を得ています。一方、創薬支援事業では、製薬企業や診断薬企業、アカデミア等の研究機関が行う創薬研究を支援するため、抗体などのタンパク質の発現・精製サービスや、ADLib®システムを用いた抗体作製サービスの提供を行っています。

カイオム・バイオサイエンスは、抗体医薬品市場の拡大に伴い、その技術力と独自のビジネスモデルを強みとして、製薬企業等からの契約一時金、マイルストーン、ロイヤルティ、受託サービス料等の対価を受け取り、収益を獲得しています。また、同社は特許ポートフォリオを積極的に拡大しており、ヒトADLib®システムやCBA-1205、CBA-1535などのリード抗体に関する特許を多数保有しています。これらの特許は、日本をはじめとする主要国で成立しており、同社の技術的な優位性と事業の成長性を支えています。

経営方針

カイオム・バイオサイエンスは、抗体医薬品の研究開発に特化したバイオベンチャー企業であり、その成長戦略は、独自の抗体作製技術を核とした革新的な医薬品の創出と、これらの医薬品候補の製薬企業への導出に重点を置いています。同社は、アンメットニーズが高い疾患領域に焦点を当て、特にがんや自己免疫疾患などの治療薬開発に注力しています。

中長期的な経営戦略として、カイオム・バイオサイエンスは、ファースト・イン・クラス抗体であるCBA-1205および多重特異性抗体であるCBA-1535の臨床開発を進め、初期臨床試験終了後の導出を目指しています。これらの臨床開発を通じて、同社は2025年度までの単年度の黒字化を目標としています。また、アカデミアやバイオベンチャー等との共同研究を軸に、継続的にリード抗体を創出し、製薬企業等へ早期に導出することを目指しています。

さらに、カイオム・バイオサイエンスは、創薬支援事業を収益基盤として拡大し、研究投資に必要な資金を自社の収益から充当できる状況を目指しています。この事業を通じて、同社は安定した収益基盤の構築を目指し、製薬企業等からの契約一時金、マイルストーン、ロイヤルティ、受託サービス料等の対価を受け取り、収益を獲得しています。

カイオム・バイオサイエンスの成長戦略は、独自の技術力とビジネスモデルを活かし、抗体医薬品市場の拡大に伴う機会を最大限に活用することにあります。同社は、技術的な優位性と事業の成長性を支える特許ポートフォリオの積極的な拡大にも注力しており、これらの戦略が同社の持続的な成長を支える基盤となっています。