免疫生物研究所JP:4570

時価総額
¥43億
PER
抗体関連事業では、診断試薬サービス、検査サービス、TGカイコサービスを提供し、遺伝子組換えカイコ開発事業と化粧品関連事業も手がける。

沿革

1982年9月

医薬品及び医薬部外品の免疫学的研究、開発、製造及び販売を目的として、東京都千代田区に資本金5,000千円をもって株式会社免疫生物研究所を設立。
同時に、群馬県高崎市に研究所を設置。

1986年8月

研究設備拡充のため、群馬県藤岡市に藤岡研究所を新設し、研究所を移転。

1987年12月

藤岡研究所内に本社を移転。

1994年4月

生産能力向上のため、藤岡研究所内に工場を新設。

1999年10月

初の受託製造品となる関節炎発症カクテル抗体の大量生産に成功。

2001年4月

藤岡研究所内に遺伝子組換え実験施設を備えた新研究棟を建設。

2004年6月

群馬県高崎市に本社を移転。

2005年3月

北海道三笠市に医薬シーズの探索を目的とする実験動物飼育施設を備えた三笠研究所を新設。

2006年12月

当社創製の抗アミロイドβ抗体(82E1)に関して、米国Intellect Neuroscience, Inc.とライセンス契約を締結。

2007年3月

大阪証券取引所ヘラクレス(現東京証券取引所グロース市場)に株式を上場。

2009年1月

診断薬の品質管理及び品質保証を目的にISO13485認証を取得。

2010年6月

群馬県藤岡市に本社を移転。

2013年7月

生活習慣病領域での創薬・研究支援に加え、予防・診断支援などを強化する目的で、株式会社スカイライト・バイオテック(連結子会社)の株式取得及び簡易株式交換により完全子会社化。

2013年11月

「ネオシルク-ヒト型コラーゲンⅠ」含有化粧品の通信販売を目的として、当社の完全子会社、株式会社ネオシルク化粧品(連結子会社)を設立。

2016年7月

群馬県前橋市に遺伝子組換えカイコ事業におけるGMP対応のパイロットプラントである前橋研究所を新設。

2021年2月

Abcontek.Inc(韓国企業)との間で、合弁会社「株式会社AI Bio」(持分法適用会社)を設立。

2021年11月

完全子会社の株式会社スカイライト・バイオテックを吸収合併。

2023年3月

株式会社AI Bio(合弁会社)を子会社化

事業内容

免疫生物研究所及びその連結子会社2社は、抗体関連事業、遺伝子組換えカイコ開発事業、化粧品関連事業の3つの主要な事業セグメントを展開しています。

抗体関連事業では、診断試薬サービス、検査サービス、およびTGカイコサービスを提供しています。診断試薬サービスは、研究用試薬の製造・販売、試薬関連受託サービス、医薬シーズライセンス導出事業を含みます。検査サービスは、LipoSEARCHを中心に、臨床研究、基礎研究、動物医療、自由診療領域でのリポタンパク質プロファイリング詳細解析サービスを提供しています。TGカイコサービスは、カイコの繭中に目的タンパク質や抗体を大量生産する技術を用いた受託サービスや試薬原料の製造・販売を行っています。

遺伝子組換えカイコ開発事業では、新規タンパク質や抗体の開発を進めており、遺伝子組換えカイコの繭から生産する抗体やタンパク質の生産コスト低減を目指しています。

化粧品関連事業では、遺伝子組換えカイコで生産した化粧品原料「ネオシルク®-ヒト型コラーゲンI」を配合した化粧品の製品開発、販売を行っています。この原料は、異種動物由来のコラーゲンとは異なり、ヒトのコラーゲンと同等なアミノ酸骨格を有することから、安全性が高いとされています。

これらの事業を通じて、免疫生物研究所グループは、医療、研究、化粧品業界に対して、幅広い製品とサービスを提供しています。

経営方針

免疫生物研究所は、抗体に関する研究開発を核とした事業展開を行っており、その成長戦略は、診断用医薬品市場への本格参入、海外市場の開拓、開発コストの削減、不採算事業の黒字化を目指す取り組みに集約されます。同社は、40年以上にわたる抗体開発のノウハウを活かし、国内外の研究用試薬市場での製造・販売を強化しています。また、デジタルマーケティングの強化やSNSを活用した情報戦略を構築し、独自技術の世界への普及を図っています。

中長期的な経営戦略としては、抗体関連事業における診断試薬サービスの強化、体外診断用医薬品の製品化に注力しています。具体的には、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)治療用の抗体医薬品候補の共同開発や、消化管間質腫瘍(GIST)の診断・治療用抗体医薬品の研究開発など、医薬品シーズとしての可能性を追求しています。さらに、シスメックス株式会社との業務提携を通じて、診断薬市場向け事業の拡大を目指しています。

これらの戦略は、安定した収益の確保と、社会への貢献を目的としています。免疫生物研究所は、研究開発型企業として、継続的な投資と効率的な経営を行い、企業価値の最大化を追求しています。同社の取り組みは、医薬品業界や化粧品業界における需要の拡大と、経営環境の変化に対応することで、将来の成長を目指しています。