アンジェスJP:4563

時価総額
¥94.6億
PER
遺伝子医薬品の開発・販売、希少遺伝性疾患のスクリーニング検査受託、ゲノム編集技術の研究開発を手がける。

沿革

1999年12月

遺伝子治療薬、核酸医薬及び遺伝子の機能解析を行う研究用試薬の研究開発を目的として、大阪府和泉市に株式会社メドジーンを設立

2000年6月

商号をメドジーン バイオサイエンス株式会社に変更

2001年1月

東京都港区に東京支社を開設

2001年10月

商号をアンジェス エムジー株式会社に変更

2001年10月

米国での臨床開発を目的として、米国メリーランド州にAnGes USA,Inc.(連結子会社、旧社名アンジェス インク)を設立

2002年6月

欧州での臨床開発を目的として、英国にアンジェス ユーロ リミテッド(連結子会社)を設立

2002年7月

治療用及び診断用遺伝子の発見・創薬を目的として、大阪府豊中市にジェノミディア株式会社(連結子会社)を設立

2002年9月

東京証券取引所マザーズに上場

2003年9月

会社分割制度を用いてグループ内の組織再編を行い、グループ内(当社及び連結子会社のジェノミディア株式会社)に分散するHVJ-E非ウイルス性ベクター事業に関する人材、資産、知的財産権をジェノミディア株式会社に集約化

2004年3月

商号をアンジェス MG株式会社に変更

2004年9月

本社及び研究所を大阪府茨木市に移転
ジェノミディア株式会社が本社を大阪府茨木市に移転

2006年12月

ムコ多糖症VI型治療薬「ナグラザイム®」の国内での販売に関し、バイオマリン ファーマシューティカル インク(米国)と提携

2008年3月

HGF遺伝子治療薬を、重症虚血肢を有する閉塞性動脈硬化症及びバージャー病を適応症として、国内において承認申請

2008年4月

ムコ多糖症VI型治療薬「ナグラザイム®」の国内での販売開始

2010年9月

国内におけるHGF遺伝子治療薬の製造販売申請を取り下げ

2010年12月
 

NF-κBデコイオリゴDNAのアトピー性皮膚炎分野において、塩野義製薬株式会社と共同開発するライセンス契約を締結

2012年10月

田辺三菱製薬株式会社との間でHGF遺伝子治療薬の米国における末梢性血管疾患を対象とした独占的販売権許諾契約を締結

2013年1月

保有するジェノミディア株式会社の全株式を石原産業株式会社に売却

2015年6月

田辺三菱製薬株式会社との間でHGF遺伝子治療薬の日本国内における末梢性血管疾患を対象とした独占的販売権許諾契約を締結

2017年7月

商号をアンジェス株式会社に変更

2018年1月

慢性動脈閉塞症を対象疾患としたHGF遺伝子治療用製品について条件及び期限付承認制度を活用し厚生労働省に対し再生医療等製品の製造販売承認申請を行う

2019年3月

国内初の遺伝子治療用製品「コラテジェン®」として慢性動脈閉塞症の潰瘍の改善効果で条件及び期限付の製造販売承認を取得

ムコ多糖症VI型治療薬「ナグラザイム®」をバイオマリン ファーマシューティカル ジャパン株式会社へ承継

2019年9月

遺伝子治療用製品「コラテジェン®」の販売開始

2020年3月

大阪大学と共同で新型コロナウイルス感染症予防DNAワクチンの開発開始

   12月

Vasomune Therapeutics, Inc.と共同開発のAV-001を新型コロナウイルス感染症治療薬として臨床試験の開始

新規ゲノム編集技術を保有するEmendoBio Inc.を子会社化

2021年4月

稀少遺伝性疾患検査を主目的とした衛生検査所(現アンジェスクリニカルリサーチラボラトリー)開設

2022年4月

     5月

東京証券取引所グロース市場に移行

Eiger BioPharmaceuticals Inc.との希少疾患治療薬ゾキンヴィ(ロナファルニブ)に関する日本における販売契約締結

事業内容

アンジェスは、自社および連結子会社3社を含むグループで、遺伝子医薬品を中心に医薬品の開発及び販売を行っています。また、希少遺伝性疾患のスクリーニング検査を中心とした検査受託サービスも提供しています。アンジェスの子会社であるEmendoBio Inc.は、ゲノム編集技術に関する先進技術を保有し、治療法のなかった疾患の治療を可能にするゲノム編集製品の研究開発を進めています。EmendoBio Inc.の研究開発は、イスラエルに拠点を置く子会社であるEmendoBio Research and Development Ltd.によって実施されています。

アンジェスは、遺伝子治療用製品や核酸医薬品、予防・治療ワクチンなどの研究開発と販売を手掛けており、その中でも2019年には世界で初めてプラスミドDNAを用いた遺伝子治療用製品「コラテジェン®」の条件及び期限付き製造販売承認を取得しました。この製品は、田辺三菱製薬に対し日本国内での独占的販売権を付与する契約を締結し、製品売上高に計上しています。

アンジェスグループは、新薬開発においては、開発初期から販売までを一貫して行う以外にも、他社が開発中の製品を導入して自社品として開発する場合や、開発途中の製品を他社に導出するなど、様々な手法を取っています。これらの活動を通じて、契約一時金、開発協力金、マイルストーン、ロイヤリティなどの収益を得ています。また、2021年4月にはアンジェスクリニカルリサーチラボラトリーを開設し、希少遺伝性疾患検査のスクリーニング検査を受託して手数料収入に計上しています。

経営方針

アンジェスは、遺伝子医薬品の開発と販売に特化したバイオベンチャー企業です。同社は、「遺伝子医薬のグローバルリーダー」となることを目指し、治療法のない疾患に対する新薬開発を通じて新市場の創出を目標としています。その戦略の一環として、2019年にはプラスミドDNAを用いた遺伝子治療用製品「コラテジェン®」を国内で初めて承認取得し、田辺三菱製薬との独占販売契約を締結しました。また、米国での開発に資源を集中し、下肢潰瘍を有する慢性動脈閉塞症の適応症での承認取得を目指しています。

アンジェスは、創薬プラットフォームの深化と拡大にも注力しており、プラスミドDNAや核酸医薬に関する研究開発を推進しています。さらに、ゲノム編集技術を用いた治療法の開発にも力を入れており、2020年にはEmendo社を子会社化し、ゲノム編集に関する先進技術を獲得しました。これにより、遺伝性希少疾患を含む様々な疾患に対する治療の開発を進めています。

グローバル展開も同社の重要な戦略の一つであり、米国や欧州を中心に医薬品の開発及び事業化を推進しています。また、希少遺伝性疾患への取り組みを強化し、アンジェスクリニカルリサーチラボラトリーを通じてスクリーニング検査事業も展開しています。

アンジェスは、これらの戦略を通じて、遺伝子治療の分野でのグローバルリーダーを目指し、継続的な成長を追求しています。同社は、新薬開発のリスクを分散させるために、他社との提携を積極的に進め、開発プロジェクトにおける提携先の確保や資金調達の実施にも注力しています。