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Link-UグループJP:4446
事業内容
Link-Uグループは、自社設計のオリジナルサーバーを基盤に、高速なデータ配信とそのデータを蓄積・分析・処理するAIソリューションを組み合わせたサーバープラットフォーム事業をワンストップで展開しています。サーバーインフラや画像・映像の処理技術、データ分析のノウハウを強みとして、快適なユーザー体験と安定運用に注力しています。
同社の主要顧客は出版社やコンテンツホルダー、ゲーム会社などで、小学館の「マンガワン」や集英社の「ゼブラック」、スクウェア・エニックスの「マンガUP!」、白泉社の「マンガPark」といったマンガアプリ向けの案件が代表例です。収益はレベニューシェア(売上分配)や月額サブスクリプション、アプリ内課金・広告収入に加え、受託開発・保守の契約料で構成されています。
同社の事業は単一のインターネットサービスセグメント内で、リカーリングサービス、初期開発・保守開発サービス、その他のスポット案件という三つのサービスで構成されています。リカーリングサービスではサーバー調達、アプリ開発、運用・広告運用やコンテンツ調達を組み合わせて継続的な収益を得ており、初期開発・保守では新規立ち上げや乗り換えに伴うワンストップの受託開発とその後の運用を担っています。
同社は自社サーバー設計や画像圧縮、AIを使ったレコメンドやサムネイル自動化などで運用コストを抑えつつ、サーバーの冗長化や著作権保護技術の導入で安定性とセキュリティを確保しています。その他のスポット案件ではWeb開発などを行い、継続利用料と開発売上を併せて収益基盤の多様化を図っています。
経営方針
同社は2026年7月期に売上収益60億円、営業利益6億円を見込んでおり、まずは既存事業の収益力向上と成長投資の両立を図ることを成長戦略の軸としています。5G普及によるデータ配信量の増加や、電子書籍市場の拡大(2024年度で約6,703億円、2029年度に約8,000億円と予測)を追い風に、マンガアプリを中心としたサービス基盤の拡大でユーザー基盤と継続収益を伸ばすことを目指しています。
重点投資分野としては、自社設計のサーバーを基盤にした高速配信と、蓄積したデータを活用するAI(人工知能)による分析・自動化に資源を集中しています。具体的には画像圧縮やレコメンド、サムネイル自動化などで運用コストを下げ、サーバーの冗長化や著作権保護の強化で安定性と信頼性を確保することで、大手出版社やゲーム会社向けの案件で差別化を図っています。受託の初期開発から運用・保守までをワンストップで提供し、定期収入と開発収入を併せた収益の安定化を図っています。
新市場開拓では、国内に留まらず海外配信とローカライズを強化し、日本発コンテンツのグローバル展開を加速させる計画です。同社は翻訳と配信のためのプラットフォーム整備や新たなコンテンツホルダーとの契約拡大を進め、マンガに限らず動画や音楽分野にも扱うコンテンツ領域を広げることで新たな収益源を確立しようとしています。加えて、防災ニーズを捉えた地震予測サービスなど社会的需要に応じた情報コンテンツの開発にも取り組んでおり、M&Aや業務提携でグループシナジーを創出することも目指しています。
技術革新への取り組みでは、システム技術の強化とAI活用が中心です。同社は大量データ配信に対応する技術開発やIoT等新デバイス対応を進めるとともに、制作体制の強化とAIによる効率化で自社IPの創出速度を高める施策を実行しています。優秀な人材確保のための株式報酬制度や教育・福利厚生の充実、内部管理体制や知的財産管理の強化も並行して進め、技術基盤と組織基盤を同時に整備することで中長期の競争力確保を図っています。