ロジザードJP:4391

時価総額
¥36.3億
PER
在庫管理クラウドサービスの有力企業。倉庫在庫管理システム「ロジザード ZERO」や店舗向け「ZERO-STORE」、OMO支援エンジン「OCE」を展開。ハンディターミナルのレンタルや機器販売を展開。5言語対応。日本・東南アジア中心に展開。

事業内容

ロジザードは、倉庫や配送センター、店舗向けに在庫管理機能をクラウドで提供する会社です。主力サービスは倉庫向けの「ロジザード ZERO」、店舗向けの「ロジザード ZERO-STORE」、そして店舗と倉庫を連携するOMO支援の「ロジザード OCE」で、バーコードとハンディターミナルを使って入出荷や棚卸作業の効率化を図っています。

顧客は小売業(実店舗およびEC)、流通業、3PL(物流受託)や実店舗を持つメーカーなど幅広く、国内外で導入が進んでいます。収益は月額のクラウド利用料や端末レンタル料を柱に、導入時のカスタマイズやコンサルティング費用、プリンターやラベルなどの機器・消耗品販売で構成しています。

事業は「クラウドサービス」「開発・導入サービス」「機器販売サービス」の三つに分かれており、クラウドは固定月額や出荷量に応じた従量課金など柔軟な料金形態を用意しています。製品面では賞味期限やロット、シリアル管理など業種特有の機能や多言語対応、外部システムとつなぐAPI、ロボットやRFIDとの連携を進めて省人化やOMO戦略に対応している点が特徴です。

経営方針

同社はクラウド型在庫管理サービスの継続的拡大を成長の柱と位置づけ、売上高と経常利益を主要な業績指標に据えています。具体的には2026年6月期の個別売上高目標を2,439,996千円(前期比12.1%増)とし、クラウドサービスの月間売上を2025年6月の148,756千円から12.3%増の167,054千円まで引き上げる計画です。これらの達成に向け、同社は短期的にAI導入や業務プロセス改革、人材育成へ先行投資を行うため、経常利益は一時的に減少する見込み(356,315千円、経常利益率14.6%)ですが、中長期ではクラウド比率の上昇で収益基盤の安定化を目指しています。

重点投資分野として、同社は現場の省力化・自動化に直結する技術連携を強化しています。具体的には倉庫用ロボットやマテハン機器との接続、RFID(非接触で商品を識別する技術)や画像認識の製品適用を進め、バーコード端末やプリンターの提供と組み合わせて導入支援を行います。これにより、単なる在庫管理ソフト提供にとどまらず「現場で使える運用ノウハウ+機器連携」をセットで提供することが差別化戦略です。また価格面では月額課金や出荷量連動の従量課金を柔軟に用意し、導入時のカスタマイズや保守を含めたワンストップ提供で顧客ロックインを図っています。

新市場の開拓としては、従来の小売・EC・3PLに加え企業間取引(BtoB)分野への機能展開を強化するとともに、海外展開では東アジア・東南アジアを中心に現地代理店経由での提供体制を整備しています。現地代理店に対する営業支援や教育、複数国スタッフによる混成プロジェクトチームの組成を通じて提案力と納品品質を高め、販路拡大と販売代理店・販売店の増加を推進します。国内ではWEB中心の認知施策に加え、セミナーや展示会、ユーザーイベントを活用してアカウント増加とアップセルを狙い、OMO(実店舗とオンラインの連携)支援サービスで小売業の在庫最適化需要を取り込みます。

技術革新への取り組みは事業戦略の中核であり、同社はAIやIoTを活用した業務効率化、リアルタイム在庫更新や出荷データの活用による輸配送最適化を推進しています。具体的にはAIを用いた業務自動化の導入、RFIDや画像認識による複数商品の一括処理、APIを通じた外部システム連携の標準化を進めるほか、サイバーセキュリティ強化や部材供給リスクに対する製造者との連携強化も並行して実施します。人材面ではタレントマネジメント導入や教育投資、評価・報酬制度の見直しを通じて専門性の高い人材を確保し、技術投資の実装力を高める方針です。