IPSホールディングスJP:4335

時価総額
¥28.5億
PER
10.5倍
ERP導入・保守事業の大手。SAP向けEasyOneテンプレートや独自Add-on、パブリッククラウド型保守サービスを展開。プラチナパートナー認定とUnitedVARs参画。国内中心、グローバル約70か国サポート。

事業内容

IPSホールディングスは、販売・物流・購買・会計などの基幹業務を統合するERP(基幹業務システム)の導入および保守を主たる事業としています。 同社はSAP製品の導入支援を中心に、コンサルティングからシステム構築、導入後の運用保守まで一貫したサービスを提供しています。 同社はSAPジャパンと緊密に協業し、プラチナパートナーとして豊富な実績を積んでいます。

主要顧客は年商100億円〜2,000億円規模の中堅から準大手企業が中心で、国内のERP導入市場での実績を持っています。 同社の収益は導入時のプロジェクト収入と、導入後の保守・運用やバージョンアップ、周辺ソフトの保守といった継続的なサービス収入で成り立っています。

事業はERP導入関連の単一セグメントが中心で、独自のテンプレート「EasyOne」や追加プログラムを用いて導入効率と品質を高めています。 同社はパブリッククラウド対応やグローバル支援のためのアライアンス参加、利用者向けの研修や導入後の定着支援、周辺アプリの開発・研究にも注力しています。

経営方針

同社は着実で健全な成長を目指しており、財務面では売上高経常利益率15〜20%、自己資本比率70%を基準に運営しています。主力のERP(基幹業務システム)事業を中核に、導入時のプロジェクト収入と導入後の保守・運用収入の両輪で収益を確保する戦略をとっており、短期的には2024年度までにデリバリー体制を150人体制へ拡充するなど、実行力の強化を通じて成長を加速させることを目指しています。

同社は重点投資分野として導入品質やコスト、納期といった提供価値の向上に注力しています。具体的には独自テンプレート「EasyOne」や追加プログラムを活用して導入効率を高めるとともに、パブリッククラウド対応に向けた「Fit To Standard」に基づく導入方法論や顧客に踏み込んだコンサルティングサービスの開発を進め、他社が真似しにくい付加価値の高いサービスで差別化を図っています。

事業拡大の計画としては、SAPのパブリッククラウド版(S/4HANA Cloud Public Edition)への対応を強化し、新規顧客獲得を狙います。クラウド特有の開発環境に対応するため拡張開発プログラムの製品化を進めるほか、顧客企業内でのIT人材育成や導入後の定着支援サービスを整備して、単なる導入に留まらない継続的な顧客関係の拡大を目指しています。国内の中堅・準大手企業を中心に、クラウド化や業務改革を支援することで市場シェアの拡大を図っています。

技術革新への取り組みとしては、RPAやAI、IoTといった技術の研究開発を進め、これらをSAPビジネスと連携させることで相乗効果を狙っています。特に生成型AIを活用した業務自動化の実証と実装を早期に進める方針で、基幹業務への適用を試行することで先行優位を確立しようとしています。加えて人材面では海外人材の活用や新卒採用による育成を強化し、技術力とサービス提供力を両立させることで「同社にしかできない」高付加価値サービスの提供を目指しています。