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サスメドJP:4263
事業内容
サスメドはデジタル治療(DTx)の開発を中核に、治療用アプリの製品化と臨床開発を支えるITプラットフォームの提供を行う企業です。同社は不眠障害向けの治療アプリで薬機法上の製造販売承認を取得しており、アプリ開発と臨床検証の経験を基にしたサービス展開を進めています。
主要な顧客は製薬企業、学術研究機関、医療機関、CROなどで、これら顧客向けに臨床試験システムや医療データ分析基盤を導入して臨床開発やRWD解析の効率化を支援しています。収益は治療アプリの販売・ライセンス、臨床試験システムの導入・運用費、クラウド型の分析サービスのサブスクリプションや開発支援・受託業務が中心です。
事業は大きく「DTxプロダクト事業」と「DTxプラットフォーム事業」の二本柱で構成されています。前者は薬事承認を目指す治療用アプリの開発で、不眠のほかがん患者の運動療法や緩和ケア支援など複数のパイプラインを進めています。後者は臨床試験を遠隔で安全に行うためのシステム(本人確認やデータ改ざん耐性などの機能)と、説明可能性を重視した機械学習型の自動分析基盤(RWD解析のクラウドサービス)を提供し、企業や研究機関の臨床研究・創薬プロセスの効率化を目指しています。
経営方針
サスメドはデジタル治療(DTx)を中核事業とし、治療用アプリの製品化とそれを支える臨床開発プラットフォームの両輪で成長を狙っています。現在、同社は売上やROEといった伝統的な財務目標は設定していませんが、プロダクト事業では開発パイプラインの件数や臨床試験の進捗度合いを、プラットフォーム事業では契約件数を重要な経営指標として管理しており、長期的にはこれらを通じて収益の最大化を目指しています。既に不眠障害向け治療アプリで薬機法上の製造販売承認を取得しており、今後も承認取得と保険収載の実現が短中期の営業目標です。
重点投資分野は、治療用アプリの開発と臨床開発を効率化するIT基盤の二つです。治療用アプリでは、臨床試験の各段階で投資を選択・集中するための投資判断基準を整備し、特に高い収益性が見込める案件に資源を割り当てる方針です。また同社は治験システムやアプリに関する特許を保有しており、これは競合との差別化要因になっています。プラットフォーム側では、現地での試験監視(モニタリング)を省略できる仕組みを普及させることを目標に、規制対応を前提とした実運用での信頼性を高める投資を行っています。
新市場開拓と事業拡大については、製薬企業や学術研究機関、医療機関、受託研究機関(CRO)を主要顧客として、国内外での共同研究・導入拡大を進めています。具体的施策としては、代表者らの業界ネットワークを活用したシーズ発掘や、行政のサンドボックス制度での実証結果を踏まえた普及活動、早期収益化を目指した販売権の導出や他社との連携強化を検討しています。加えて、保険収載に向けた手続きと交渉を重点課題に据え、承認後の市場投入と収益化を確実にする計画です。
技術革新への取り組みは、機械学習を用いた自動分析システムの開発と実臨床データの蓄積を軸にしています。実臨床データの分析によって新たな治療シーズを発見し、解析基盤の機能拡充と画面の使いやすさの改善を継続することで契約獲得と顧客単価の向上を図っています。臨床試験全体では被験者募集の効率化やデータ欠損防止といった品質向上施策をシステムで実現し、結果として製薬企業等の開発コスト削減に貢献することを同社は目指しています。